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松田次生アンバサダーが見た小山美姫の可能性とベアマンの“ジェントル”な振る舞い「すぐに乗れるとは思わなかった」

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松田次生アンバサダーが見た小山美姫の可能性とベアマンの“ジェントル”な振る舞い「すぐに乗れるとは思わなかった」

 12月11~13日に鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラの公式/ルーキーテスト。3日間でレギュラードライバーを含めて延べ30名ほどがテストに参加したが、なかでも話題を集めたのがKids com Team KCMGだ。同チームでは、2024年レギュラードライバーの福住仁嶺、チーム・コーディネーターの関口雄飛、そしてルーキーとして野中誠太、小山美姫、オリバー・ベアマンの計5人がテストに参加。とりわけ女性ドライバーの小山、来季F1参戦が決定しているベアマンの走りには大きな注目が集まった。

 ここでは、チームアンバサダーを務める松田次生に、各ドライバーの走行がどのように映ったのか、印象を聞いた。

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■予想を上回った小山のタイム

 まず、次生アンバサダーが2日目に主に担当した小山について。

「(小山は)最近はフォーミュラに乗っていなくて、直近が確か2022年のFRJ(フォーミュラ・リージョナル・ジャパン)にシリーズで参戦してSFL(スーパーフォーミュラ・ライツ)のテストに参加したのが最後だったと思いますが……正直、こんなパワーのあるマシンをすぐに乗れるとは思わなかったです」

「最初は1分40秒を切れば良いかなと……。その次は(1分)39秒を切ることをターゲットにしていって、(1分)39秒を切れれば、僕は上出来だなと思っていました」

 基本的にマシンのセットアップ変更は行わずにタイヤの使い方について細かくアドバイスをしていったという次生アンバサダー。それが最後のアタックでは効果として表れていたようだ。小山は1分38秒078という自己ベストタイムをマークしている。

「はじめは慣れるまでに時間がかかっていたのかなと思います。こういうトップフォーミュラでは、クルマというよりはタイヤの使い方が結構大事になってきます。特にグリップのピークへの持っていき方ですね」

「僕はタイヤの使い方をけっこう教えてあげました。これが夏であれば、そこまでシビアではないんですけど、今回は冬なので……多少温めたとしてもすぐに冷えてしまう部分もあります。そういったところを加味してピークをどこに持っていくのか。アウトラップやウォームアップのペース配分とか、そこの部分のアドバイスがけっこう大事になってきます。そこを彼女もすぐに理解してトライしてくれていました」

「それが分かってきて最後にニュータイヤでしっかりとアタックをして、もう少しで(1分)37秒台というところまで来ました」

 さらに次生アンバサダーは「こちらが言ったことを素直に聞いて、それを実行してタイムに出していく……並の女子ドライバーではないな、というのは正直感じました。僕の予想だと、もし乗れる機会が2日間あったら、1分37秒台前半はいったかもしれないです」と、さらなる可能性も感じていた。

 一方、3日目に7号車をドライブしたベアマンに関しては、基本的に隣でテストメニューをこなす姿を見ていたというが、ガレージ内での振る舞いについては「さすがだな」と感じたところが多かったという。

「振る舞いが本当にジェントルマンですね。日本人は挨拶だけで済ませますけど、彼はひとりひとりと握手して、チームのみんなをやる気にさせる部分というのは日本と違うなと思います」

「日本は口頭で『おはよー!』『よろしくー!』で済ませちゃいますし、ダメな時は怒ったりもしますけど、彼の場合はそういうのがなさそう。でも、言うことはバシッと言うので、さすがだなと思いましたね」

■関口と野中は真逆のアプローチ。チームとして収穫も

 この他にも、1日目には関口が1年ぶりにスーパーフォーミュラのマシンをドライブしたが、次生アンバサダーににとってはここも驚きの連続だった。

「雄飛はブランクもあって、久しぶりにタイムを出したいというところもあって、彼が思うとおりのセットアップやタイヤの使い方をやってもらいました」

「本人もすごく乗れていて、セクター4でミスがなければ3番手くらいになれるだけのタイムを出せていたと思います。セクター1もレギュラーメンバーに対して遜色がなかったです。それを見ると『いまでも全然いけるんだな』と思いました。フォーミュラカーに対しては1年のブランクがあるというのはかなり大きいので……その中でこの内容はすごく良かったなと思います」

 これに対して、野中が8号車を担当した3日目は、チームが用意していたテストメニューを中心に走行したとのこと。「雄飛の時はタイムを出す方向にシフトしていて、テストメニューがあまりできなかったので、そこを3日目の野中にやってもらっていました」と次生アンバサダー。

「前日に7号車で走っていたので、そことの比較や、やり残しているアイテムを試しました。野中は今後スーパーフォーミュラに上がる可能性を秘めているドライバーなので、クルマのフィードバックやタイムの出し方がちゃんとできるかどうかというところも重要視していました」

「その中でクルマを仕上げるために良いコメントをもらえましたし、野中を乗せたことはプラスになっていると思います。何より今回のテストで2台の比較ができて、すごくポジティブなコメントを取れています」

 今回は普段8号車に乗っている福住が7号車のテストを担当するなど“乗り換え”も行ったKCMG。とくに関口が8号車を経験したことが大きいと次生アンバサダーは考えている様子で「田坂(泰啓)エンジニアが作った8号車に雄飛が乗るのは初めてだったので、その経験をもとに彼が来年も7号車の担当(コーディネーター)になれば、このテストで得られたことをうまくフィードバックしてくれるのではないかなと感じています」と、2025シーズンに向けてかなりの手応えを掴んだテストになったようだ。

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みんなのコメント

9件
  • mtc********
    日本の最高峰レースには「ジェントルな振る舞い」が必至だよね。
    輪を乱すよそ者は村八分の刑ってことになる。あたらしい風が必要な時も
    あるのにね。
  • lov********
    ベアマン、いいね。ハースでポディウムに上がる日はそう遠くないんじゃない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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