ウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカで争われたNTTインディカー・シリーズ第15戦モントレーGP。19日に行われた決勝レースは、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が勝利し、シーズン2勝目を挙げた。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、追い上げをみせるもマシンにダメージを負いリタイアとなった。
コークスクリューで痛恨のスピンを喫した佐藤琢磨「レースではスピードがあって何台も抜けた」
ポールポジションからスタートしたコルトン・ハータは、今年もラグナセカでは無敵だった。95周のうちの91周をリードしての優勝を飾った。父ブライアンと並ぶラグナセカ2勝目をハータ二世は2回目の挑戦で早くも成し遂げた。
予選2番手だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は2周目にハータに仕掛け、失敗。予選3番手だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は10周でエンジントラブル。強敵ふたりが早々に戦列を離れた。
しかし、ハータに予選4番手のポイントリーダー、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が迫っていった。ロッシとパワーが消えて難なく2番手に浮上したパロウは、ユーズドレッドでのスタートからセカンドスティントでもフレッシュレッドを投入したが、トップを奪うことはできなかった。ハータはどちらのタイヤでも確実にパロウより速かった。
「今週は勝つことだけを目標としていて、それを達成できた。マシンを出場車中でベストだった。そして、レースではチームのピットストップも速かった」
「ラグナセカは一番好きなコースだから、ここで勝つことの意味は自分にとって非常に大きい」とハータ。
今日は3位でゴールしたロマン・グロージャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)もヒーローとなった。予選13番手だったグロージャンが表彰台へ。
そこには、予選Q1での敗退で残せていた新品のレッド2セット、という要素があった。
しかし、それだけではなかった。彼はレッドタイヤを投入する最後のスティントをできるだけ短くする作戦を採用。レッドの瞬発力に賭け、それを見事に成功させた。
シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)という錚々たる面々をファイナルスティントだけでパスし、2番手を走るパロウにも迫った。
しかし、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)にやや強引なパスをコークスクリューで仕掛け、両車は接触。2位のチャンスは消えた。
ポイントスタンディングで2番手につけるオワードは、予選6番手からギャンブルを打った。スタートにブラックタイヤを使ったのだ。しかし、それは成功せず。最終スティントに新品レッドを残していたレイホールとグロージャンにパスを許し、5位でのフィニッシュとなった。
ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は7位。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は13位。ディクソンの逆転タイトルは消え、ニューガーデンも非常に厳しい立場に追いやられた。
パロウとオワードの差は35点に開いた。最終戦でオーワードが最大の54点を獲得しても、パロウが11位でフィニッシュしたら、ふたりは同点の536点になり、チャンピオンの座にはパロウが就く。
優勝回数も3回で並ぶが、そうなると次に比較されるのは2位の回数で、パロウがインディ500と今日で2回なのに対し、オワードはゲートウエイでの1回のみ。ニューガーデンはパロウとの差が48点へと広がり、逆転タイトルはかなり難しくなった。
今日、パロウは2位でフィニッシュした。優勝はチャンピオン争いとは関係ないハータのものだった。ほぼ完璧な仕事を今日もパロウはやり遂げたといっていい。
「残念ながらコルトン・ハータと同じペースでは走れなかった。ブラックでもレッドでも、どちらでも彼の方が少し速かった。接近することはできたけれど、そこでタイヤが音を上げてしまっていた」
「それでも、ロングビーチで11位以上でゴールすればチャンピオン、という状況になった。優勝しないとチャンピオンにはなれない……というのではない、大きなマージンを僕らは持っている。それは自分たちにとって大きなプラスになる。自分たちはチームとしていい仕事をしてきているということの証明だ」
「しかし、インディカーでは何が起こるかわからない。今日もロマン・グロージャンは最終スティント前に8番手だったのに、3位でフィニッシュした。もっと周回数があったら、彼が優勝していたかもしれない」
「インディカーのレースでは一瞬たりともリラックスはできない。ハードにレースを戦い続けないとならない。賢く戦わないとならない。タイトルが獲得できたら嬉しい。そのために自分たちは、ロングビーチでも全力でのトライをし、ベストのリザルトを手にしようと考えている」とパロウは語った。
5位でレースを終えたオワードは、「今の自分はガッカリしているけれど、ハッピーでもある。今週末の自分たちは、持っているパッケージから最大限を引き出すことができた。その点はハッピーだ」
「予選でファイナルに進むことができ、好位置からスタートする権利を手に入れた。ブラックでのスタートにはリスクがあったが、それは最初にブラックを使ってしまおうという考えからだった」
「ベストの武器は新品のレッドで、それが自分たちには1セットしかないから、新品のブラック3セットと新品のレッド1セットで戦うことと決めた。それが自分たちのレースで、やれることは全部やった。自分自身、思い切り戦い抜いた」
「その結果、まだ自分たちはタイトル争いに踏みとどまっている。多くのことが自分たちに有利な方へと動く可能性はある。ロングビーチでの自分達は優勝を狙う。あとは、自分たち以外の要因がどうなるか……だ」と語った。開き直った彼にも、まだチャンスは幾らか残されいる。
予選23番手だった佐藤琢磨は、予選で活躍したチームメイトのオリバー・アスキューのセッテッングを完全移植したマシンでウォームアップとレースを走った。
序盤のイエローを利用して給油とタイヤ交換。琢磨は20周目に2番手まで浮上した。ピットストップで下げた順位も、その次のスティントで挽回して行くことがでていた。
しかし、トップ10に戻ったところ、ディクソンをパスした後の37周目にコークスクリューでスピン。止まったところにディクソンが突っ込んできたためにリヤ・サスペンションが曲がり、最下位27位という結果となった。
「前半は良いレースを戦えました。プラクティス、予選まででマシン作りに苦しみましたが、レース前のウォームアップでセッティングをチームメイトのものに変え、それが非常に良かったので、レースでも多くのマシンをパスすることができました」
「これだけロードレースでオーバーテイクができたレースは久しぶりです。しかし、初めて乗った縁石でスピンしてしましました。あれは完全に自分のミスでした」
「セッティングをウォームアップから変えたので、細かい部分までマシンを詰めることができていなかった。その辺りがミスに繋がったと思います。このところ我々チームのマシンは大きくスピードアップしています。今週良かったことは来週の最終戦ロングビーチでも活かせますから、残り1戦、全力で戦いたいと思います」と琢磨は話した。
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