ダートと舗装路の混成コースのレースにハイラックス・ワンメイククラス新設
11月21日(水)に福島県二本松市にあるエビスサーキット西コース(ラリークロスコース)を舞台に「ジャパンラリークロス・JRXエキシビションマッチ」が開催された。ダートと舗装路の混合コースをレース形式で数台が同時に走行するこのイベントは、昨年の初開催以来2回目。アンリミテッドクラス2WD(RX-D1)、アンリミテッドクラスAWD(RX-D2)の2クラスへ、新たにトヨタ・ハイラックスのワンメイク・クラスが追加された。ハイラックス・クラスに参戦するのは、日本人初のFIAチャンピオンとなったラリードライバー・新井敏弘、SUPER GTに参戦する元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンなど、実に豪華な面々。開催前日の20日(火)は、本番に合わせフリープラクティスが設けられた。今回のラリークロスではコース設定を見直し、ジョーカーラップ(レース中に1度通過しないとならない脇道)に手を加え、さらにバックストレートはダートとターマック(舗装)の選択が可能となっている。
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TRDが持ち込んだハイラックスは5台の競技ベース車両で、実際にアジアクロスカントリーラリーに出走したダブルキャブ(2017年仕様)、スマートキャブ(2018年仕様)の計7台。TRDが手掛けた競技ベース車両には、ロールケージが組まれ、フルバケットシートに6点シートベルトが装着。足まわりも変更されており、エンジンにも手が加えられている。
このほかJAOSと塙郁夫選手が作り上げた2台の「Hilux Revo」が持ち込まれ、TRDのマシンとともにレースが繰り広げることになった。
ハイラックスというと、本格的な凸凹のオフロードコースでのドライビングを楽しんだり、遊び道具を積み込んで出かけるタフなイメージだが、走らせればそこそこ速く、いろいろな楽しみ方がある。そんな世界観をアピールするのに、ラリークロスはちょうどよい機会だという。とはいえ、ラリークロス自体がエキシビションレースの位置づけだが、ここにハイラックスクラスを組み込んでシリーズ化を目指すというのだ。
TRDというと、ディーラーで買えるオプションパーツの製造、SUPER GTなどのレーシングマシンを手掛けるといった、2つのイメージをもつことだろう。トヨタカスタマイジング&ディベロップメントの柏村勝敏氏は「皆さんが弊社にもつ2つのイメージの間を埋めるような競技用パーツの提供をしていきたい」と、ラリークロスにハイラックスを持ち込んだ狙いを語る。
さて、ハイラックス・ワンメイククラスに参戦するドライバーは実に豪華だ。ラリー界からは新井敏弘選手に奴田原文雄選手。ダートラから谷田川敏幸選手、宝田ケンシロー選手。アジアクロスカントリーラリーに出場している塙 選手と新堀忠光選手、能戸知徳選手。そして今季限りでD1GPドライバーを引退した「のむけん」こと野村 謙選手。先日お台場で開催された「FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ2018 Tokyo Drift」で日本人最上位に入った末永直登選手と、各カテゴリのトップドライバーばかりだ。
そして大注目なのが、元F1ドライバーで、SUPER GTでは2016年にシリーズタイトルも獲得した現役GTドライバー、ヘイキ・コバライネン選手だ。コバライネン選手はTRDからオファーがあった時点でこれを快諾。この日の昼にエビスサーキットに到着すると、すぐにコースサイドのピットウォールに張り付き各車の走行をチェックした。
そして、塙選手がドライブするハイラックスの助手席に乗り込み、コースを確認。その後自身のドライブでハイラックスでコースインし、すぐに走り込みを開始した。まずはTRD競技ベース車からスタートし、アジアンクロスラリーに参戦したTRDの2台もドライブ。
コバライネン選手の走りを見ていた塙選手は「やっぱ違うね~。1コーナーのアプローチは、他の選手はみんな突っ込みすぎなんだけど、彼はタイヤも鳴らさないしブレーキもロックさせてないだろ? 速いし、ドライビングが丁寧だよ」と舌を巻く。
練習走行を終えたコバライネン選手は、クルマから降りるとすぐにピットウォールに張り付いて他車の走りを見ながら、新井選手や奴田原選手とコースや走りについて意見を交わすなど、終始楽しんだ様子。
「GTマシンともWRカートも違う。車両の動きがすごく大きくて勝手が違う。でも見ていても面白いし、すごくエキサイティングだと思う。明日もとにかく楽しむよ」とコバライネン選手はコメントしてくれた。
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