この記事をまとめると
■BYD ATTO 3が日本で発売
知れば知るほど驚異でしかない! 中国のEVメーカー「BYD」が日本を席巻する可能性
■価格は税込み440万円から
■内外装や走りをチェックした
遊びゴコロ溢れる内装に心が弾む
BYDが日本にやってきた! そんなニュースをよく耳にするようになった。しかしBYDと聞いてもピンとこないという人も少なくないのでは? 私もそのひとりだった。
調べてみるとBYDは1994年、中国・深センで創業。その時はなんとバッテリーメーカーだったという。携帯電話用のバッテリーの生産などで業績を伸ばし、2003年に自動車産業に参入。バッテリー事業で培ったノウハウを活かしてEVやPHEVを生産すると、これが大成功! 2021年には世界で約60万4000台のNEV(新エネルギー車)を販売した。
前身は航空機メーカーだった、なんていう自動車メーカーはいくつかあるけれど、バッテリーメーカーとしてスタートし、NEVをメインにつくっている自動車メーカーが目立ってくるなんて、何とも現代的なハナシだ。
そして2022年、BYDの乗用車部門が満を持して日本に上陸。ミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」、コンパクトカー「DOLPHIN(ドルフィン)」、ハイエンドセダン「SEAL(シール)」の導入を発表した。
ちなみに社名のBYDは「Build Your Dreams」の略。「夢を築きましょう」といった感じだ。
先陣を切ったのはATTO 3。2023年1月に発売を開始した(DOLPHINとSEALは2023年下期の発売を予定)。
今回、ATTO 3に触れることができたのでリポートしたい。
ATTO 3を目の前にすると、思わず「かっこいい……」という声が漏れた。
先進的なLEDライトが採用されたフロントマスクはキリリとしていて、精悍な印象だ。
フロントにはBYD、リヤにはBuild Your DreamsやATTO 3、EVの文字がデザインのなかに溶け込んでいる。
Dピラーの鱗のような意匠も魅力的だ。
ATTO 3には5種類のボディカラーが用意されている。試乗会場には全色が並べられていたが、どれもデザインとマッチしていてオシャレ。
ドアを開けると、車内にはさらに先進的かつ目新しい装備が視界に飛び込んできた。
センターにはまるでiPadのような12.8インチのモニターが配されている。スイッチひとつでモニター自体がくるりと回り、タテ・ヨコの切り替えができる。
このモニターの機能のなかで驚いたのが、自車とその周辺を俯瞰で映し出す機能。これだけでも凄いのだが、なんと自車を透過してボディの下の地面を見ることもできるのだ。この機能があれば、クルマの下にネコちゃんがいた! なんて時も安心。輪止めのある駐車場でガリッとやってしまうことも防げるかもしれない。
グリップ式インナードアハンドルの形状もユニーク。スピーカーやアンビエントライトと一体化されている。
ドアポケットのデザインはギターをイメージしたという。弦のようなものを指で弾くとポロンという音が響き、心が弾んだ。
またオプションで用意されていたり、上級グレードにのみ設定されていたりすることの多いパノラマルーフだが、ATTO 3に関しては全車に標準装備。開放的な室内を実現している。
一般道のみではあるが、試乗する機会も得た。
個性的なデザインとは対照的に、良くも悪くも走りはごく自然。
会社(東京)~試乗会場(大阪)間は日本メーカーとドイツメーカーのEV3台で移動したのだが、それらから乗り換えてもまったく違和感がなかった。
全長4455mm×全幅1875mm×全高×1615mmと扱いやすいサイズに、最小回転半径は5.35mに収めているだけあって取り回しもいい。
EVに慣れていないという人が乗っても問題ないだろう。
一方でメーカー問わず多くのEVがそうであるように、ドライビングプレジャーはあまり感じなかった。
また、路面状況が良くない一般道で走ったときの直進安定性やライントレース性はもう少し向上させてほしいところ。ややステアリングのセンター付近も甘かった。私自身が普段スポーツモデルに好んで乗っていることもあるのかもしれないが、最近増えてきた各メーカーのEVと比べるともう少し……と思う。このあたりは熟成に期待したい。
とはいえパッケージを含め、クルマとしての総合的な完成度はかなり高い。
58.56kWhのバッテリーを搭載して、航続距離は470km(WLTC)。価格はなんと税込み440万円から。正直、こんなに安く買えちゃっていいの!? と思わされるデキだった。
見て、触れて、こんなにワクワクさせられるEVに出会ったのは初めてと言っても過言ではない。
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みんなのコメント
日本を攻め取る資金になるのだ。自分で自分
の首を絞めたい奴はドンドン中国製のEVを
買えば良いのだ。