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発表迫るマイチェン版 ポルシェ・カイエン S 試作車へ試乗 4.0L V8ツインターボ獲得 後編

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発表迫るマイチェン版 ポルシェ・カイエン S 試作車へ試乗 4.0L V8ツインターボ獲得 後編

バンパーやライト類のデザインを変更

マイナーチェンジ版の発表が迫る大型SUV、3代目ポルシェ・カイエン。同社はプロダクトデザインの子会社、ポルシェ・デザインを保有するほど、モノづくりに強い拘りを持っている。

【画像】発表迫るマイチェン版 ポルシェ・カイエン S 現行の3代目 競合する高級SUVと比較 全145枚

過去からの体系を崩さず、スタイリングを進化させる手法にも長けている。このカイエンにも、そのリソースは遺憾なく発揮されたようだ。

プロトタイプのボディに施されていた偽装は軽微で、フロントバンパーやフロントグリル、フェンダーラインなどが変更されていることを観察できた。マトリックスLEDヘッドライトの造形にも手が加えられている。

後ろに回っても、同様のリデザインが施されている。新鮮味が巧みに生成されている。

ポルシェの普段のフェイスリフトと同様に、オプションとして新デザインのアルミホイールや塗装色も追加されるとのこと。ベースグレードのカイエンとカイエン Sには、20インチ・ホイールが組まれるようになるという。

あるいは、小径ホイールに肉厚なタイヤという組み合わせもラインナップが拡充される。乗り心地の向上を希望するオーナーのために。

ダッシュボードは従来から一新

インテリアへ目を移すと、バッテリーEVのポルシェ・タイカンのような世界が広がることになる。正式発表前なため、まだ写真をお見せすることはできないが、特にダッシュボードは一新される。

お伝えできる範囲としては、メーター用モニターは12.7インチで、緩やかにカーブを描く。インフォテインメント・システム用は12.3インチのタッチモニター。助手席側の正面にも、10.9インチのエンターテイメント用モニターが据えられる。

運転席と助手席との間には大きなセンターコンソールが横たわるが、そこからシフトレバーは姿を消す。タイカンのように高い位置へ、トグルスイッチが与えられる。ステアリングホイールを握った状態からでも、手を伸ばせばすぐに届く。

ステアリングホイールには、ロータリーコントローラーが追加され、ドライブモードの選択が手元で行えるようになる。ヘッドアップ・ディスプレイもアップデート。実際の景色に対応した、拡張現実的なグラフィックが投影される。

ドアの内装パネルも刷新。スマートフォン用のワイヤレス充電機能は、最大15Wまで対応する。エアコンやベンチレーションの能力も高められるそうだ。

ふんだんなデジタル技術がより身近になり、全体の印象としては間違いなくよりモダン。クッション性に優れたドライバーズシートへ身を委ね、先進的なポルシェを運転している気分を堪能できるだろう。

最も魅力的で一体感のあるドライビング体験

説明が長くなってしまったが、肝心の走りもしっかりアップデートされている。特に筆者が試乗したカイエン Sのプロトタイプでの違いは明らか。アウディ由来のV6ツインターボからV8ツインターボへ置き換えられた効果と魅力を、つぶさに体験できた。

動力性能が高められ、ダッシュ力は一層鮮鋭。0-100km/h加速を約5.0秒でこなし、最高速度は270km/hに届くという主張は大げさではない。従来より意欲的にボディを押し進める。

V8ツインターボは低回転域でのトルクも太い。標準装備される8速オートマティックもギア比に改良を受けており、高速道路での滑らかで穏やかな走り味を実現している。

回転フィールはスムーズ。日常的な運転環境でも、洗練度を高めた印象を受けるはず。パワフルでハイレベルな仕上がりは、カイエン・ターボを追加予算で選ぶ必要性を感じさせない。

当然だが、直線が速いだけではない。従来のカイエンは、このクラスのSUVで最も魅力的で一体感のあるドライビング体験を提供するモデルといえたが、その実力が磨かれたようだ。

電動機械式のパワーステアリングは驚くほど正確で、後輪操舵システムがさらなる敏捷性を実現している。四輪駆動システムも、常に突出したトラクションを維持し続ける。

軽量なモデルではないことは間違いない。それでも、タイヤが路面を確実に掴みながら、鋭敏にコーナリングしていける能力には唸らざるを得ない。ワインディングロードで、思わず夢中になってしまいそうだ。

クラス頂点の座を譲ることはない

サスペンションの改良によって得るであろう乗り心地の変化は、正直まだわからなかった。直接マイナーチェンジ前のカイエンと比べる必要がありそうだ。

ポルシェの技術者は、トリプルチャンバーからツインチャンバーへエアサスペンションを変更することで、姿勢制御と快適性は確実に向上したと強調していた。タイヤサイズの変更も組み合わせることで、路面からの衝撃をより吸収できるという。

ツインチャンバーのエアサスペンションと聞くと、2代目カイエンからの流用では、と勘ぐるかもしれない。だが共有部品はほぼ存在しない、新開発のアイテムらしい。

3代目カイエンとして、操縦特性には大きな変化が与えられていない。それでも、このクラスでのリードを保持できる能力は備わっている。不足していると感じた要素は、なかったといって良いだろう。

ライバルと比べて多少見劣りしていたインテリアも、マイナーチェンジでしっかり対応済み。正式発表が待ち遠しい。

2002年の初代以来、ポルシェ・カイエンは常にクラスの頂点に君臨するモデルといえた。まだプロトタイプの状態ではあったが、3代目の後期型も、その座を譲ることはなさそうだ。

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