F1第13戦ベルギーGPでレッドブル・ホンダRBPTのマックス・フェルスタッペンが優勝。チームは開幕戦から負け知らずの12連勝を飾った。これによりホンダは、1988年にアイルトン・セナとアラン・プロストを擁したマクラーレンとパートナーを組んでいたホンダが持っていた開幕11連勝を自ら超える偉大な大記録を達成した。
レース後、ホンダのスタッフは優勝したレッドブル陣営はもちろん、アルファタウリ陣営のスタッフも記録達成を喜んでいた。現在、ホンダ・レーシング(HRC)のスタッフとして現場で仕事をしているスタッフは、レッドブル側4人、アルファタウリ側4人の合計8人いる。ベルギーGPが開催されていたスパ-フランコルシャン・サーキットでのレース直後の喜びの声を聞こう。
レッドブル&HRC密着:フェアなチームメイトバトルを展開。今季5回目の1-2フィニッシュで開幕12連勝を達成
▼アルファタウリ
高橋大我(HRC システムエンジニア/リカルド)
「開幕から12連勝と角田(裕毅)がポイントを獲得してくれて本当によかった。私はHRC Sakuraで2019年から開発メンバーに加わり、この新骨格はゼロから開発に携わってきて、とても思い入れが強いパワーユニットなのでうれしいし、ホンダとして記録を更新できて光栄です」
小野祐士朗(HRC PUメカニック/リカルド)
「現在、ホンダはF1から撤退してはいますが、このパワーユニットは我々が精魂込めて組み立ててレッドブル・パワートレインズへ供給しているものなので、ホンダとしての思いは残っていて、この記録達成にはとても熱いものを感じています。私たちは連勝記録にこだわっているわけではなく、これからもパワーユニットが原因で止まることがないよう、これからも気を引き締めて頑張りたい」
法原淳(HRC チーフメカニック)
「開幕12連勝がかかっているからというのとは関係なく、現場で作業する者としては、信頼性に関して常に最善を尽くして確実な作業に徹していて、それをやり続けてきたことが、この連勝につながっているのだと思います。今回もスプリント・フォーマットで時間がないなかでも抜け・漏れがないように確認作業をしてきました」
折原伸太郎(HRC トラックサイドゼネラルマネージャー)
「今回のレースはレッドブルだけでなく、アルファタウリもいいレースをしていて、気がついたらレッドブルが1-2体制を築いていました。12連勝を意識したのは残り3周ぐらい。自分たちのPUが原因で止まることだけが心配だったので、いまはとにかくホッとしています。新記録を作ったという実感はまだ正直ないですね。もう少し時間が経たないと湧いてこないと思います。いまはHRC Sakuraに戻って、みんなと一緒に喜びを分かち合いたいという気持ちです。もちろん、この記録を少しでも長く伸ばしたいですが、少なくとも日本GPまでは続けて、鈴鹿に帰ってファンと喜びを共有したいと思います」
▼レッドブル
海老原拓也(HRC PUメカニック/ペレス)
「マクラーレン時代からやってきて、昨年1年間HRC Sakuraに戻って、また今年から現場で仕事しています。先輩たちの記録を更新できたことはうれしいですが、まだまだ勝ち続けたいという気持ちです」
中川博行(HRC PUエンジニア/ペレス)
「昨年システムエンジニアとしてレッドブルに加わり、今年からPUエンジニアをやっていますが、今日はかなり緊張して見ていました。その中でチームメート同士でしっかりと戦ったうえで、1-2フィニッシュでこの記録を達成できたことは本当にうれしい」
吉野誠(HRC チーフメカニック)
「レース後、HRC Sakuraの仲間たちからも『開幕連勝記録更新おめでとうございます』というメッセージを頂き、一緒に戦っているんだということを実感しました。開幕11連勝という記録を抜いて、いまはまずホッとしています。うれしい気持ちはもちろんありますが、まだまだやらなければならないことがあります。開幕11連勝は我々の偉大な先輩方が築いた記録のひとつ。その先には16戦15勝というとてつもない偉大な記録がまだあります。それは遥かに高くそびえる大記録で、それを超えるには23戦22勝しなければなりません。まだシーズンなかばで、到達するのはまだ遥か先。開幕11連勝という記録を抜きましたが、先輩たちを抜いたとは思っていません。現在はホンダという名前ではなく、ホンダRBPTとして参戦していますが、我々は以前と変わりなくホンダとして戦っているという気持ちでレースをしています。それはHRC Sakuraのメンバーも同じだと思っています」
湊谷圭祐(HRC チーフエンジニア)
「ホンダが作った偉大な記録は私のなかで特別な数字として記憶されていました。今回、この記録のひとつを破ったわけですが、破らないといけない記録はまだあります。今年は開幕から勝ちまくっていますが、やっている者としては2021年や2022年より今年のほうがひとつも負けられないというプレッシャーが大きい分、苦しいです。だから、いま12連勝しての率直な感想は安心したという感じです。パワーユニットはハードウェアですが、その信頼性を高めるには人間です。これから夏休みに入って、いったん緊張の糸を切るので、夏休み明けにしっかりと気を引き締めてかからないといけない。開幕戦のバーレーンGPよりも後続とのギャップも縮まっているので、まったく安心はしていません」
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みんなのコメント
本田宗一郎の精神は,今も宿っている。
今のコピーは変わったかもしれませんが,いつの時代,どんな技術に代わっても「power of dreams
」は変わらない。
もちろん,自分の愛車も「ホンダ」です。
文字読めないおじさん多いな。