日産ハイパーパンク 事前公開
2023年10月19日、日産自動車(以下、日産)は10月27日~11月5日(一般公開日)に東京ビッグサイトで開催される、「ジャパンモビリティショー2023(以下、JMS)」に出展するEV(電気自動車)コンセプトカーの第4弾「ハイパーパンク」を発表した。
【画像】第1~4弾 一気に日産のコンセプトカーをみる【ジャパンモビリティショー2023】 全43枚
日産では既にEVコンセプトカー「ハイパーアーバン」、「ハイパーアドベンチャー」、「ハイパーツアラー」と3台を発表している。そしてこの「ハイパーパンク」とあわせた4台の世界観を幅広い層に訴求していく。JMSの一般公開に向けた期待感を高めるためだ。
まず、10月19日から25日まで、クロス新宿ビジョンで3D調で未来感あふれるダイナミックなEVコンセプトカー4台の映像を期間限定で放映する。
さらに、10月25日からはオンラインゲームの「フォートナイト」内で、ゲームを通じてEVコンセプトカーの世界観を体験できる「ニッサン・エレクトリファイ・ザ・ワールド」を公開する。
話をハイパーパンクに戻そう。そのスタイリングは、前衛的でスタイリッシュなもの。コンテンツクリエイターやインフルエンサー、アーティストといった、スタイルとイノベーションを重視するユーザーがターゲット。彼らが自己表現と創造性を高めることができる、コンパクト・クロスオーバーEVだ。
日産ハイパーパンクのエクステリア
エクステリアデザインは立体的で多角形(ポリゴン)を強調したもので、クルマとデジタルの融合を表現している。CGによってクルマのデザインを進めていく際、多角形の構成から徐々になだらかな面を形づくっていく。だが、このクルマではあえてそうする前のデザイン、いわゆる「粗彫り」で、8ビットのコンピュータ的な魅力をも表現している。
空力性能に優れたデザインやミニマルなデザインとは逆行するが、力強さを感じさせる。そして、これまでの常識にとらわれることなく、他の人とは異なる自己表現をしたいオーナーのマインドや、新しい技術やデザインにチャレンジする日産のマインドを表している。
鮮やかな色彩のボディカラーは、見る角度や光の当たり方で色が変わって見える。前後のオーバーハングは短く、23インチの大径ホイールを装着したデザインは安定感の高いもの。市街地でもオフロードでもパフォーマンスを発揮する、多用途なクルマの特徴を表現している。
ボディ表面と一体化したポリゴン形状を強調するヘッドランプやテールランプ、そしてリアシグネチャーの形状が、このクルマのユニークさを際立たせている。
日産ハイパーパンクのインテリア
インテリアでは、和紙や折り紙をインスパイアしてモチーフにしている。コクピットは折り鶴が重なったようなイメージでデザインされている。シートもエクステリア同様、多角形をモチーフにした形状を採用している。
室内空間は、和のテイストを感じながら、デジタルとアートを融合させたものだ。たとえば、車載カメラが撮影したクルマ周辺の映像を、AIがオーナーの好みに応じて漫画調の景色やさまざまなグラフィックパターンの景色に変換。コクピットにドライバーを囲むように配された3面ディスプレイに映し出す。現実とメタバースの世界が融合した空間を楽しめる。
ヘッドレストにはバイオセンシングセンサーを内蔵し、ドライバーの健康状態などを検知できる。その結果を基にAIがドライバーの気分を解析し、気分に合わせて自動的に室内照明を調整したり、最適な音楽を流したりする。これにより、オーナーの創作意欲をかき立てるというわけだ。
また、創作活動に必要なデバイスは、いつでもどこでも車載バッテリーから充電して使用できる。仲間とイベントなどをおこなう際は、V2X(ビークルtoエブリシング)機能により、必要な電力をクルマから供給できる。
日産がJMSに出展するEVコンセプトカーは、このハイパーパンクを含めて4台。ただし、実車で展示されるのは以前に紹介したハイパーツアラーとハイパーパンクの2台だけ。ハイパーアーバンとハイパーアドベンチャーはデジタルモデルでの出展となり、実車を見ることはできないようだ。
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