フォーミュラE第8戦モナコE-Prixの決勝は、見事なチームプレイでジャガーのミッチ・エバンスが優勝を果たした。
第8戦の舞台はモナコ・モンテカルロ。世界三大レースのひとつであるF1モナコGPと全く同じレイアウトで開催される。F1においては低速コースだが、ストリートコースを主戦場とするフォーミュラEにおいては比較的高速な部類のコースとなる。
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またF1では抜けないモナコとして有名だが、フォーミュラEはマシンが小型なこともあり昨年のモナコE-Prixでは100回以上のオーバーテイクが見られた。追い上げも十分に可能となっている。
ポールポジションはポイントリーダーのパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)。DSペンスキーのストフェル・バンドーンが2番手を確保した。ジャガー勢はニック・キャシディが3番手、エバンスが4番手とグリッド2列目に並んだ。
日産はオリバー・ローランドが好調をキープしランキング3番手につけるも、今回2台共グループ予選を突破できず。サッシャ・フェネストラズが14番手、ローランドが15番手からレースに臨んだ。
29周のレースがスタートすると、ウェーレインが好スタートで順調に首位をキープ。ジャガー勢はポジションが入れ替わりエバンスが3番手となった。
ターン1のサンテ・デボーテで接触があったか、いくつかパーツが落ちるシーンこそあったものの、大きな混乱なくレースが進んでいった。
ウェーレインは、2回に分けて計8分間使用する義務があるアタックモードを上位で真っ先に使用。これで5番手に後退した。
ホテル・ヘアピンやヌーベル・シケインなど、2台横並びのバトルが至るところで展開される中、エドアルド・モルタラ(マヒンドラ)がプールサイドシケインのバリアに突き刺さった。マシンにトラブルが起きたような、不可解な動きでのクラッシュとなった。
これにより5周目にセーフティカー(SC)が出動した。この時点で、首位はバンドーン。SC直前にアタックモードを起動し、ポジションを失うことなくアタックモードを1回消化することができた。2番手、3番手にはまだアタックモードを消化できていないジャガー勢が続いた。
レース再開は9周目。バンドーンは10周目に2度目のアタックモードを使い、3番手に後退した。
これでワンツー体制となったジャガーは、キャシディが後続のマシンを抑え込んでエバンスを逃がすチームプレイ。巧みにディフェンスし後続を抑え込み、これでリードを拡大したエバンスは安全にアタックモードを起動することができた。
13周目に2度目のアタックモードを使ったエバンスは、14周目のホームストレートでキャシディに首位を譲り、今度はキャシディが首位を快走。安全にアタックモードを使うべく逃げた。
たまらないのは後続のマシンたちだ。ジャガー勢が抑え込むことで接近戦を強いられ、至るところでバトルが繰り広げられ、接触も少なくなかった。
完璧なチームプレイで2台計4回のアタックモードを消化しきったジャガー勢は、再びエバンスがレースをリード。ワンツー体制のまま、周回を重ねていった。この時点で、トップ8はジャガー、DSペンスキー、ポルシェ、日産が2台ずつ並ぶ形に。特に日産勢は集団の中でポジションを上げた形だ。
25周目、他車からの接触を受けたニコ・ミューラー(アプト・クプラ)がラスカスでマシンを止めたため、再度SC出動となったが、ジャガー有利の流れは変わらなかった。
27周目、アディショナルラップも加えた残り5周でレースが再開されると、SC走行でバッテリーを節約できたこともあって各車のペースが一気にアップ。ローランドはポルシェ勢の間に割って入り、6番手に浮上した。
ジャガー勢がレースをコントロールしていたタイミングよりも1周10秒以上速いペースとなる中、ジャガーの2台はレースペースでも隙なし。ジリジリとバンドーンを引き離していった。
ジャガーの2台は、そのまま隊列をちぎりエバンスを先頭にワンツーフィニッシュ。ジャガーがレースペースでも戦略でも他チームを圧倒する結果となった。
3位はバンドーン。4位のジャン-エリック・ベルニュも含め、まさにジャガーにしてやられた形だ。ポールシッターのウェーレインは序盤にアタックモードを使用し、ポジションを落としたまま挽回できず5位。日産のローランドは5位、フェネストラズは8位でレースを終えた。
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