現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【カワサキ新型ニンジャH2 SXシリーズ詳細解説】レーダー搭載だけじゃない!200馬力はキープで中回転域トルクを強化

ここから本文です

【カワサキ新型ニンジャH2 SXシリーズ詳細解説】レーダー搭載だけじゃない!200馬力はキープで中回転域トルクを強化

掲載 2
【カワサキ新型ニンジャH2 SXシリーズ詳細解説】レーダー搭載だけじゃない!200馬力はキープで中回転域トルクを強化

グレードによる車名を変更、スタンダードは「H2 SX」、電子制御サスの上級グレードが「H2 SX SE」に

カワサキのハイパフォーマンススポーツツアラー、ニンジャH2 SXの2022年モデルが発表されました。
発売予定日は2022年4月22日で、スタンダードモデルのニンジャH2 SXが265万1000円、電子制御サスペンション「KECS」などを採用した上級グレードのニンジャH2 SX SEは297万円となっています。

【画像23点】カワサキ新型ニンジャH2 SXシリーズを写真で解説、デザインもエンジンも結構変わっている!

従来まではスタンダードグレードが「H2 SX SE」、電子制御サスペンション付きの上級グレードが「H2 SX SE+」という展開でしたが、グレードによる車名が変更されている点にちょっとご注意。

200psを発生するバランス型スーパーチャージドエンジンやレーシングフィールドでの知見を活かしたドッグリングトランスミッションといったパワートレインの基本は従来通りですが、国産のモーターサイクルとして初めてミリ波レーダーを用いたACC(追従クルーズコントロール)機能をはじめとした先進運転支援システム「ARAS」を採用したことで注目を集めています。

しかし、新型ニンジャH2 SXシリーズは、単にARASを追加しただけではありません。
パワートレインや足まわりについてもブラッシュアップされています。当記事では、そうした走りに関わる基本メカニズムの進化ポイントに着目して、改良点について紹介していきます。

新型ニンジャH2 SXシリーズのデザイン「小型LEDヘッドライトでスマートな雰囲気に」

まず、外観ではLEDヘッドライトが小型化されるなど、アッパーカウルのデザインが変わっていることに気付きます。前述したARAS用ミリ波レーダーをヘッドライト下のスペースに収めるための変更でもあるでしょう。

ポイントはカウルのサイズ自体は変わっていないことです。センサーを追加してもスリムなイメージは維持しています。むしろ鋭角的なキャラクターラインを目立たせることで、従来以上にギュッと凝縮した印象を強めているほどです。

スーパーチャージドエンジン搭載車のお約束といえるカワサキのリバーマークはフロントカウルにしっかりと輝いています。アッパーカウルのデザイン変更に合わせてサイドカウルの造形が変わっている点も、カワサキファンなら気付くところでしょう。

また、ミラーの形状も変更されました。こちらは空力性能の改善とオプションのパニアケース装着時の視認性アップが狙いとなっています。

ARASに必要な機構として車体後方にもミリ波レーダーを収める都合から、リヤフェンダーの形状も変更されていますが、フロント同様ミリ波レーダーの「後付け感」は皆無。同様の機能を有する輸入車勢と比べてもスマートな仕上がりです。

シート形状も改良されています。
スペック上のシート高は820mmと変わっていませんが、ライダー側は前方を高くしてブレーキング時に前のめりにならないように配慮。タンデム側は従来型より幅を広げ、快適性を向上させているのがポイントです。なお、リヤシート下にはUSB電源ソケットも備わります。

なお従来型同様、小キズが自己修復される「ハイリーデュラブルペイント」も外装の一部に引き続き採用されています。

外観でもっとも注目したいのが、エンジンにつけられた「SUPER CHARGED」エンブレムです。黒地に緑文字のエンブレムは、新たに手作業により仕上げられたものとなり、スーパーチャージドエンジンの価値を見た目からも高めています。

新型ニンジャH2 SXシリーズのエンジン「中低回転域でより力強いトルク特性に」

そのエンジンを始動するときにも2022年モデルの進化を感じることでしょう。新たに「KIPASS」(キーパス)と名付けられたスマートキーが採用され、スイッチを回すことでエンジンをかけるようになっています。

そうすると目前の6.5インチフルカラーTFT液晶メーターが光り輝くのです。基本画面は上中下と3つのエリアに分けられ、上段にはライディングモード、ギヤポジション、ACCインジゲーター、タコメーターなどを表示します。

中段には大型のデジタルスピードメーターほかサービスインジゲーターなどを表示。そして下段はマルチファンクションディスプレイとしてオドメーター、タイヤ空気圧、ブースト計など様々な情報をスクロール表示させることが可能となっています。

この6.5インチディスプレイはスマートフォンと連携することが可能となっています。アプリ「Kawasaki SPIN」をインストールすることで、電話・マップ・音楽・カレンダー・連絡先という基本機能を連携させられるだけでなく、Kawasaki SPINに対応したサードパーティー製アプリを利用すると、機能拡充も対応できる仕様となっているのです。

総排気量998ccのバランス型スーパーチャージドエンジンの変更テーマは、環境対応と扱いやすさとなります。最高出力200ps(ラムエア加給時は210ps)、最大トルク14.0kgmというスペックはそのままに、サイレンサーの容量アップ(7L→8.8L)、プレサイレンサーチャンバーの廃止、メインキャタライザーの大容量化、サブキャタライザーの追加といった変更によってユーロ5規制をクリア。

排気系の変更により直線的なレイアウトになったことを活かして、4000~8000rpm域でのトルクを太らせ、日常的な速度域での扱いやすさを向上させています。2次吸気口に樹脂製サイレンサーを追加して吸気音を抑えたというのも快適性につながる改良です。

また、ドッグリングトランスミッションはギヤの歯数を変更することで共振を抑制、クラッチカバーの剛性アップと合わせてノイズを低減。これも日常的な領域で走らせた際の快適性向上に効く変更点といえるでしょう。
トランスミッション周りではクラッチの切れをよくするためのオイル量の最適化、ニュートラルが出しやすいような改良も行なわれているということです。

新型ニンジャH2 SXシリーズの実用機能「タイヤ空気圧モニター、グリップヒーターを装備」

定評ある軽量トレリスフレームの車体については大きな変更はありませんが、上級グレード・H2 SX SEが採用する電子制御サスペンション「KECS」はスカイフック制御を新採用。快適な乗り心地を実現するとともに、タイヤの接地感向上により走行時の安定感が増しているといいます。

一方、スタンダードグレード・H2 SX のサスペンションは従来型スタンダードと同様ですが、ブレーキキャリパーがブレンボ製のラジアルマウントタイプへと強化されています。

なお、上級グレード・H2 SX SEのブレーキは従来型上級グレード同様にブレンボの最高峰モデル「Stylema」モノブロックキャリパーとなります。
そのほか、H2 SX SEならではの特徴としては、ホイールのリム部が切削加工タイプとなっています。

カワサキ ニンジャH2 SXシリーズ主要諸元

[エンジン・性能]種類:水冷4サイクル並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:73.4mm×59.0mm 総排気量:998cc 最高出力:147kW<200ps>/1万1000rpm(ラムエア加圧時は210ps) 最大トルク:137Nm<14.0kgm>/8500rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2175 全幅:790 全高:1260 ホイールベース:1480 シート高:820(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R190/55ZR17 車両重量:266kg(H2 SX)、267kg(H2 SX SE) 燃料タンク容量:19L
[車体色]
エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック
[価格]
ニンジャH2 SX:265万1000円
ニンジャH2 SX SE:297万円

レポート●山本晋也 写真●カワサキ 編集●上野茂岐

こんな記事も読まれています

新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web

みんなのコメント

2件
  • 何かかっこ悪くなったなぁ、ライトどうしたん
  • youtubeで車体が軽すぎてフロントが浮いた状態で400mやっていた。力あっても使いこなせていなかった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村