■ランボルギーニなどに乗るオーナーの悪行で大黒PAが閉鎖
2022年2月18日の金曜日、首都高速神奈川5号大黒線と首都高速湾岸線の合流部にある休憩施設「大黒パーキングエリア」が21時半ごろに閉鎖されました。
週末の夜に大黒PAが閉鎖されることは珍しくありませんが、今回の閉鎖はいつもと少し事情が異なっていたようです。
SNSには閉鎖を悲しんだり憤ったりする声があふれていましたが、どのような理由で閉鎖されたのでしょうか。
「まさかお前が!」覆面パトカーの「ランクル」が登場!存在感がスゴイ!
閉鎖となった大きな理由は改造ランボルギーニを中心とするスーパーカーが大型車スペースに集まり通路にクルマを並べ、空ぶかしで爆音を立てるなどして周囲に迷惑を掛けたことです。
なお、今回の神奈川県警の対応が素早かったのは、うるさいランボ軍団が湾岸線を走って大黒に向かっている時点で110番通報が多数あったようで、爆音ランボがPAに入って来た時点で閉鎖のアナウンスが流れたといいます。
その一部始終を見ていた友人や知人から筆者(加藤久美子)に送られてきた複数のメッセ―ジは、以下のことが書かれていました。
「今日久しぶりに大黒来たんですが、ランボルギーニ集団が来た瞬間に閉鎖になりました!
連れてきたペットが爆音に驚いて逃げ出しそうになったのでクルマに戻りましたが、どうやらまたトラックスペースで展示会を始めようとしたようです」
「ランボの周りだけで30人位のギャラリーがいましたね。空ぶかしはもちろん、アフターファイヤーがすごかったんです!
発砲音みたいな、爆発音みたいな。それで警察が出動した感じですね。一気に雰囲気が悪くなりました」
「最後のほうに入って来たランボがアフターファイヤーを鳴らしたことで警察が出てきたんですが、その時には先に入ったランボ集団が大型車スペースに整列を完了したところでした。
でも警察がすごくしつこくアナウンスして追い出しました。トラックスペースに停めて逆走で出て行こうとしていたランボもいました。警察から「逆走はできません!」と注意されていましたよ。最後の抵抗?か爆音をまき散らしながら出ていきました」
そして驚いたのは大黒分駐所のDJポリスが放った一言です。
「ランボルギーニは帰ってください、ランボルギーニ 帰れ!君たちのせいで110番通報が殺到しています」
なんと、「ランボルギーニ」を名指しで呼びかけており「一部のマナーが悪い運転手のせいで大黒PAを閉鎖します。110番通報もたくさん来ています」とも。
近年はランボルギーニをはじめとするスーパーカーのマナーの悪さが商業施設や高速道路SA/PAなどで目立っています。
具体的にダメ行為の最たるものは大型車スペースにたくさんのクルマが駐車するのもさることながら、大型トラックの通路をふさぐようにしてクルマを並べること、そして空ぶかしによる爆音です。
仕事中に法律で定められた休息をとる必要があるトラックドライバーにしてみれば、空ぶかしも駐車スペースの占領も非常に困ることなのです。
■善良なランボルギーニオーナーも大迷惑!
正月三が日には午前中から閉鎖 実はこのような迷惑行為による大黒PAの閉鎖は2022年のお正月にもありました。
年明けの走り初めということで集まったのでしょう。
大黒PAの大型車スペースにはランボルギーニをはじめ、フェラーリやポルシェ、マクラーレンなど多数のスーパーカーで溢れ、通路にクルマを並べて撮影会もおこなわれていました。
このときも、大黒分駐所のパトカーが出動しており午前中から夕方まで閉鎖されています。
夜間ではなく、明るい時間からの閉鎖はとても珍しいことですが、高速隊に聞いたところこれまでも正月三が日に何度か閉鎖されたことはあったとのことでした。
ところで、迷惑行為を平気でおこなう悪質なランボルギーニオーナーはどのような意識でいるのでしょうか。
爆音爆走でおなじみのオーナーの集まりに初めて参加した「とある(善良な)ランボオーナー」によると、 ツーリング終了後に主催者から届いた「お礼」メールに驚いたといいます。そしてもう2度と参加しないとのことでした。
「集まって下さった皆様お疲れさまでした!今回も地域住民の方々にとても好評で、皆さんに喜んでいただけたと思います。
希少な車種もありましたし、たくさんの方が動画や写真を撮りに来ていました。快く撮影に応じてくれたオーナーの方々、ご協力ありがとうございました。」
思わず目を疑う文言が並んでいます。集まりを主催する側にしてみれば、 「ランボの素晴らしい爆音をきかせてあげたので近隣の住民も喜んでくれている」 「珍しいランボも多く、貴重な体験をさせてあげることができた」 という認識なのでしょうか。
ちなみに周辺住民やランボが集まる商業施設の駐車場にクルマを停めた人のSNSには「駐車場が大混雑して爆音でうるさいし大迷惑!」などの投稿が散見されました。
なお、爆音や大型スペース占領で迷惑しているのは大型トラックのドライバーだけではありません。
大黒PAに来ることを楽しみにしていたのに閉鎖で入れなかった人、迷惑行為のせいで何の非もないのに退出を余儀なくされた人、大黒PAを利用していた人々にも多大な迷惑を掛けていることになります。
さらに本当に好きで乗っている善良なランボルギーニオーナーにとってもランボの悪行は大変な迷惑となっているようです。
一般社団法人 日本スーパーカー協会 代表理事の須山泰宏氏もこの風潮を嘆く一人で、次のように話しています。
「最近、一部のランボルギーニの迷惑行為が増えたことで、ランボルギーニ・ブランドのイメージダウンが危惧されています。ランボルギーニに乗ることで同類に見られることを心配して購入を躊躇する人もいるといいます。
ランボルギーニをはじめスーパーカーに乗る人は、走行や駐車のルール・マナーを守って「社会的スーパーカー活動」、つまり社会に適合した形でスーパーカーライフを楽しんで行かれると良いのではないかと思います」
ちなみに、昨晩の閉鎖は土曜日の午前4時30分に解除となったとのこと。大黒PAが閉鎖の場合でもトイレやコンビニは使用可能。大型車駐車スペースは大型車のみ使用可能です。
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