現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > こっちが本命!? 新型VWゴルフヴァリアントはカローラツーリングより上か?

ここから本文です

こっちが本命!? 新型VWゴルフヴァリアントはカローラツーリングより上か?

掲載 更新 57
こっちが本命!? 新型VWゴルフヴァリアントはカローラツーリングより上か?

 VWゴルフのハッチバックに続いて日本に上陸した、ステーションワゴンのゴルフヴァリアント。

 日本で同じクラスのステーションワゴンといえばカローラツーリングがあるが、新型ゴルフヴァリアントの実力はカローラツーリングと比べるとどれほどのものなのか?

血統を守った日産魂!? 新型Zはなぜ日産単独で開発できたのか

 さらに、国産ステーションワゴンの代表格であるレヴォーグと比べると、どっちがいいのか? 注目の新型輸入車であるゴルフヴァリアントを人気の国産ステーションワゴン2モデルと比較してみた。

文/島崎七生人
写真/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】 新型VWゴルフヴァリアントは日本でもジャストサイズなワゴン車になりそうだ

■スタイリングも重視された新型ゴルフヴァリアント

 この7月、およそ8年ぶりにフルモデルチェンジを受けて生まれ変わったゴルフヴァリアント。

直前に一新されたハッチバックのゴルフは数えて8世代目だが、ヴァリアント(当初、日本市場名はわかりやすく“ワゴン”だった)はゴルフが3世代目の時に初登場。よってヴァリアントとしては今回のモデルで6世代目となるが、カタログ落ちさせられることなくずっと続いているところが何とも心強い。

新型ゴルフの発売と間を置かず発売された「ゴルフヴァリアント」。新型はベースのゴルフに対してホイールベースが延長された。その結果、後席スペース拡大とともにワゴンらしいスタイルを得た

 もちろん最新型では、VWの資料にも“デジタル化、電動化、ドライバーアシスタントシステムにおいて大幅な進化を遂げた”とあるように、現代的なスペックを身につけている。

 48Vマイルドハイブリッドシステムは“全適”だし、運転席に座ると、眼前にはデジタルメータークラスターや純正インフォテイメントシステムの液晶メーターが据え置かれたり、ありとあらゆるスイッチ類がタッチ式に置き換えられた。

 まあ、慣れないと、コンビニでノコノコと現金払いをしようとして店員のオネエさんにすかさず「そちらの現金のボタンにタッチして投入口にお金を入れてください」と指示されたような、自分の時代遅れ感を実感させられなくはないが……。

 とはいえ“実用ワゴンの鑑”である立ち位置には変わりはなく、ラゲッジスペースも611~1642Lと、先代(605~1620L)を上回る容量を確保した。

 そんな最新ゴルフヴァリアントだが、個人的に真っ先に気になったのが、
リアゲートの傾斜の強さ。リアエンドをストン! と垂直気味に裁ち落とした初代、2代目からしたらこれは事件に等しいが、ラゲッジ容量はトノカバーから下で量るものなので支障はないらしい。

リアゲートの傾斜は先代に比べるときつめだ。実際のラゲッジ容量は拡大しているので利便性が大きく損なわれてしまうことはないが、長尺物の積載には注意が必要かもしれない

 何年か前にやはりリアゲートの傾斜をつけた某メーカーのワゴンで「最近はネット通販の普及で、自分でわざわざ大きな荷物を持ち帰ってくる機会は減ったでしょ?」の説明を聞いた時には眩暈がしたが、たとえばキャンプ道具を満載するユーザーなら、シュラフとか軽く、ガラスへの攻撃性のないアイテムを上のほうに載せるなどの工夫と実車での確認が必要かもしれない。

■ハッチバックからの派生ワゴンとしてカローラツーリングとイメージが被る?

 で、そんなリアゲートの強まった傾斜や全体のフォルムを最初に見た際、筆者は反射的にカローラツーリングを連想した次第。まさかゴルフヴァリアントのデザインがカローラツーリングに“寄せた”訳ではないだろうが、何となく似ていると思えた。

日本の代表的なCセグワゴンのカローラツーリング。日本仕様は小型車枠の取り回しを考慮した日本専用のナロータイプであり、居住性や積載性で海外のライバルに対して叶わない部分がある

 本来であればカローラツーリングの欧州仕様(日本仕様よりホイールベースが60mm長い)と較べるべきだろうが、日本のカローラツーリングの手持ちのデータで較べると、ラゲッジスペース(とくに床面のサイズ)は幅、奥行きともゴルフヴァリアントのほうが50~100cm程度大きく、この点では実用車の鑑(ゴルフヴァリアント)の面目躍如といったところ。

後席使用状態でも611L、後席を倒せば1642Lと広大なラゲッジスペースはカローラツーリングを上回る。オプションながらイージーオープン機能付きのパワーテールゲートも用意

 また室内の快適性では、ゴルフヴァリアントが新型ではホイールベースを35mm伸ばしてきたこともあり、足元、頭上、肩口など着座姿勢でのゆとりを実感する。カローラツーリングはシートの作りのよさなど認められるも、ファミリーカーとしての居心地のよさ、快適性と考えると、スッキリ、サッパリとしたゴルフヴァリアントがいい。

 ただし乗り心地の質ということでは、カローラツーリングの最新モデルはなかなかの実力をもつ。スムースなフラットライドが実現されているし、ドライバーにとっても、走らせている時のクルマの挙動、応答が自然で安心感があるところがいい。

■国産ワゴンの代表格、スバルレヴォーグとも比較してみる

 ではもう1台、国産同クラスの代表格であるスバルレヴォーグとゴルフヴァリアントを比較した場合はどうか?

 まず言えるのは、意外にもレヴォーグはゴルフヴァリアントに対して実用性が遜色ないということ。手持ちの取材データを改めて照合してみると、ラゲッジスペースは幅方向で何とゴルフヴァリアントを100mmほど上回り、後席使用時の奥行きもほぼ同等、なのである。

レヴォーグは日本専用車として誕生したものの、妥協のない性能や実用性にはスバルの熱い思いと伝統を感じる。ただ環境性能だけは現状如何ともしがたい状況だ

 改めて寸法を見てみると、ホイールベースは奇しくも同じ2670mmであるほか、レヴォーグはゴルフヴァリアントに対して全長(+115mm)、全幅(+5mm)、全高(+15mm)と意外や大きいのが実態だ。

 「人は見かけや身なりだけで判断してはいけません」とはよく聞かされてきた先人の教えのひとつだけれど、迂闊にも筆者も、これまでレヴォーグのほうがキュッと引き締まったボディサイズのイメージを抱いていた。だからラゲッジスペースのサイズも大きいというわけだ。

 実用前提ならフォレスターやアウトバックを……そんな論調のレポートはこれからは改めなければ……である。

 一方でイメージどおりということでは、こと“走り”という点ではレヴォーグだろう。何といってもこだわりのAWD技術と新世代の水平対向の4気筒1.8Lターボによる爽快な走りは、ワゴンという括りを外しても一目置きたいポテンシャルをもっている。

 またSTI Sportに採用の“ドライブモードセレクト”だが、開発責任者の五島さんの説明では「先代ではあまり使われなかったが、もっと使われるようにモードごとの特性をわかりやすく見直した」とのことで、広くファミリーユースも視野に入れた設定になっている。

 安全支援システムのアイサイトの実力、有効性は言うに及ばず、独自のアプローチで仕立てられているところが、同じセグメント、カテゴリーのゴルフヴァリアントとの違いだ。

■気になる価格はベースのゴルフに対し、プラス14万円となる

 なお価格を見ると、現状でゴルフヴァリアントはわかりやすく、ぴったり同一グレードを敷くハッチバックのゴルフに対し、ヴァリアントはざっとプラス14万円ほど(価格帯は305.6万~389.5万円)。

 カローラツーリングは価格帯で示すと、ワゴンのツーリングが201.3万~299.75万円なのに対し、ハッチバックのカローラスポーツは216.9万~284.1万円、セダンは193.6万~294.8万円。

 レヴォーグはハッチバックのインプレッサと較べた場合、価格帯はレヴォーグの310.2万~409.2万円に対し、インプレッサはFF車を含めて200.2万円から292.6万円となっている(価格は8月下旬、原稿執筆時点での各社資料、ホームページ掲載のもの)。

ゴルフヴァリアントのインパネ。シフトはスイッチ化、その他の操作系もタッチパネル化と進め、内装はシンプル。これも電動化と並んでトレンドとなってきている。日本勢はやや遅れ気味か?

 クルマのトレンドというと今は完全にSUVだ。が、6代目を登場させてきた新型ゴルフヴァリアントが示すように、ワゴンはハッチバックやセダンに対し+αの実用性を持つ“定番”だ。

 自家用車の価値が見直されている今、いずれの車種でも、まさにいかようにも活用できる価値のあるクルマとして選ぶのは正解だと思う。

【画像ギャラリー】 新型VWゴルフヴァリアントは日本でもジャストサイズなワゴン車になりそうだ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定
ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定
AUTOSPORT web
Honda 0(ゼロ)シリーズ搭載予定の次世代技術を公開! ホンダの新EV戦略がいよいよ始まった
Honda 0(ゼロ)シリーズ搭載予定の次世代技術を公開! ホンダの新EV戦略がいよいよ始まった
ベストカーWeb
LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ
LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ
AUTOSPORT web
自ら志願したポルシェ離脱。“大きな組織”を離れ「アドレナリンをもう一度感じなければ」とマコウィッキ
自ら志願したポルシェ離脱。“大きな組織”を離れ「アドレナリンをもう一度感じなければ」とマコウィッキ
AUTOSPORT web
ついに決定か!! スライドドア採用の[新型ムーヴ]登場まで秒読み! カスタムは廃止も装備充実でナンバーワンを目指す
ついに決定か!! スライドドア採用の[新型ムーヴ]登場まで秒読み! カスタムは廃止も装備充実でナンバーワンを目指す
ベストカーWeb
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
Auto Messe Web
F1サンパウロGPスプリント速報|マクラーレンが1-2。フェルスタッペンは3位……角田裕毅15位
F1サンパウロGPスプリント速報|マクラーレンが1-2。フェルスタッペンは3位……角田裕毅15位
motorsport.com 日本版
マクラーレン、チームオーダー発令でノリス優勝。フェルスタッペン3位も審議対象に……角田裕毅15位|F1サンパウロGPスプリント
マクラーレン、チームオーダー発令でノリス優勝。フェルスタッペン3位も審議対象に……角田裕毅15位|F1サンパウロGPスプリント
motorsport.com 日本版
プジョーがまたも最速。トヨタ、ポルシェは虎視眈々、50号車フェラーリは7周のみ/WECバーレーンFP3
プジョーがまたも最速。トヨタ、ポルシェは虎視眈々、50号車フェラーリは7周のみ/WECバーレーンFP3
AUTOSPORT web
予選ヒートからペナルティ続発の波乱。勝者失格により南米王者モンテネグロが金メダル獲得/FIA MSG
予選ヒートからペナルティ続発の波乱。勝者失格により南米王者モンテネグロが金メダル獲得/FIA MSG
AUTOSPORT web
S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内
S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内
AUTOCAR JAPAN
24歳で手に入れ31年…「ミニ モーク」から「ミニ マーコスGT」に乗り換えた理由は…「増車するならまたクラシックミニですね」
24歳で手に入れ31年…「ミニ モーク」から「ミニ マーコスGT」に乗り換えた理由は…「増車するならまたクラシックミニですね」
Auto Messe Web
アストンマーティン、F1サンパウロGPスプリントは2台揃ってピットスタート選択。決勝へ向けた準備時間に当てる
アストンマーティン、F1サンパウロGPスプリントは2台揃ってピットスタート選択。決勝へ向けた準備時間に当てる
motorsport.com 日本版
日産、欧州向け小型EV開発へ 10年以上ぶり「Aセグメント」参入 ルノー子会社と協業
日産、欧州向け小型EV開発へ 10年以上ぶり「Aセグメント」参入 ルノー子会社と協業
AUTOCAR JAPAN
自身を批判する一部の人間に腹を立てるフェルスタッペン「僕はただパフォーマンスを発揮し続けるだけ」と気に留めず
自身を批判する一部の人間に腹を立てるフェルスタッペン「僕はただパフォーマンスを発揮し続けるだけ」と気に留めず
AUTOSPORT web
初PPのapr LC500h、先輩・小高からの“愛のあるLINE”で新人・中村も気が引き締まった?「明日は普通に走ることが目標です(汗)」
初PPのapr LC500h、先輩・小高からの“愛のあるLINE”で新人・中村も気が引き締まった?「明日は普通に走ることが目標です(汗)」
motorsport.com 日本版
誰が高速道路を「逆走」しちゃうの? 矢印読めないの? 事故件数“危険レベル” 対策どうなってるのか
誰が高速道路を「逆走」しちゃうの? 矢印読めないの? 事故件数“危険レベル” 対策どうなってるのか
乗りものニュース
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

57件
  • VW上等!
  • 「カローラツーリングの手持ちのデータで較べると、ラゲッジスペース(とくに床面のサイズ)は幅、奥行きともゴルフヴァリアントのほうが50~100cm程度大きく…」

    50センチ〜100センチもデカいんだ!
    全長は軽く5メートル超えてるのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

210.9256.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

115.5346.2万円

中古車を検索
カローラツーリングの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

210.9256.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

115.5346.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村