上級ブランド全体に影響を与えたSUV
初代XC90は、ボルボ渾身のゲームチェンジャーだった。ブランド初の本格SUVなだけでなく、上級ブランド全体の流れにも大きな影響を与えたモデルだったといえる。
【画像】ボルボXC90 初代と現行の2代目 1サイズ小さいXC60も 全71枚
それまではミニバンがファミリーカー市場で幅を利かせていたが、XC90の登場で、都会的なライフスタイルSUVの浸透が加速したといっていい。本格的なアウトドア派に限らない、SUV時代を切り拓いた1台だ。
初代XC90が発表されたのは、2002年のデトロイト・モーターショー。サルーンのS80やクロスオーバーのXC70なども採用した、P2と呼ばれるプラットフォームをベースとしたモデルとしては、最大の車格を持っていた。
平均的なモデルライフが6年前後というなかで、XC90は12年という長い期間、製造が続けられていたことも特徴。ボルボは細かな改良を加え続け、優れた快適性や実用性、安全性などをブランドの強みとして維持していた。
車内は広々としており、大人7名での移動にも充分。2列目や3列目をたたむことで、簡単に広げられる荷室空間も使い勝手が良い。
快適性に振った味付けは、シャシーやサスペンションのチューニングでも明らか。長距離を疲れることなく、移動することを許してくれた。
XC90は四輪駆動を売りにしていたが、一般的な条件では前輪駆動として走るように設定されている。一部の市場では前輪駆動版も投入されており、XC90の都会派ぶりが垣間見れる。
多様なエンジンに充実した装備
2002年の発売時に用意されたエンジンは2種類。163psを発揮する2.4Lディーゼルターボ、D5は、英国で高い支持を集めている。271psを発揮する2.9Lガソリンツインターボ、T6のたくましさも魅力といえた。
2004年には、213psを発揮する2.5LガソリンターボのT5が登場。2006年にXC90は初のフェイスリフトを受け、スタイリングの小変更と内装の高品質化が図られている。
時期を同じくし、T6は3.2Lエンジンへスイッチ。トップグレードとして、4.4L V型8気筒を搭載したRデザインが2009年に投入されている。最高出力は315psを誇った。後を追って、2.4Lディーゼルターボも改良を受けた。
2011年には、最終仕様のD5が登場。英国では、現在の中古車市場の中心を占めている。2012年に2度目のフェイスリフトが施されるが、2014年に2代目XC90が発表され、初代の生産は終了した。
基本装備は、初期型のエントリーグレードでも充実している。だが、アダプティブサスペンションにクルーズコントロール、パーキングセンサーなどが標準装備に追加された、2009年以降のXC90がオススメといえる。
欧州仕様の場合、上級グレードにはシートヒーターにレザー内装、マッサージ機能付きのパワーシート、高音質なサウンドシステムなども選べた。購入時は装備を確認したい。
よりスポーティなドライビング体験を求めて2006年に設定されたのが、SEスポーツ。パワフルなガソリンエンジンにクロームメッキ・テールパイプを備えたエグゾースト、彫りの深いスポーツシートなどが装備され、ルーフレールは省かれている。
不安なく楽しむなら、ある程度の予算立ても
初代ボルボXC90の発表時の英国価格は、2万8400ポンドから。トップグレードでは5万ポンドに迫っていた。
しかし発表から20年が経過した現在では、勇気があれば2000ポンド(約31万円)以下で探すこともできる。ただし、不安感なく初代XC90を楽しみたいなら、5000ポンド(約78万円)前後の予算は見ておきたい。
モデルライフが12年と長いだけに、選択肢も少なくない。よく比較して理想の1台を選びたいところだ。
オーナーの意見を聞いてみる
キーラン・クラーク氏:ボルボXC90 オーナーズクラブ代表
「ボルボXC90の印象は、間違いなく素晴らしいものです。快適で広々とした車内が、喜びを与えてくれます。ボディは大きいですが、実際に運転してみると、そこまで大きいとも感じません」
「パワフルなエンジンも魅力です。ですが、やはり車内空間の広さが最大の特長。匹敵するクルマは、今でも多くないと思います。わたしの家族が必要とするものを、すべてこなしてくれます」
「発表から20年が経つので、普通のクルマと同じく経年劣化はしています。不具合はゼロではありませんが、あまり心配する必要もないでしょう」
購入時に気をつけたいポイント
ステアリング
ステアリングが不調になるという理由で、2006年にリコールが掛かっている。1万8728台のクルマが対象となっていた。2006年以前のXC90の場合は、作業を終えているか確認したい。
エンジン
ディーゼルターボの場合、距離が長くなると冷間時での始動性が悪くなる。この原因は、インジェクターの不調かもしれない。その場合は、修理費用が高くついてしまう。
ボディ
テールゲート・ハンドル内部のヒンジが錆び、テールゲートが開かなくなることがあるようだ。難しい修理ではないものの、テールゲートの内装トリムを外す必要があり、時間は要する。ネットを探すと、修理方法が載っている。
トランスミッション
四輪駆動システムの内部構造の摩耗で、四輪すべての駆動力を失う可能性がある。故障しても、メーターパネルの警告灯は点かない。
滑りやすい路面を走らせ、フロントタイヤだけがスピンするかどうかで確認できる。機能が正常なら、前後のタイヤすべてが回転する。修理には1000ポンド(約15万円)くらいは必要になるだろう。
ブレーキ
XC90は車重が重く、ブレーキへの負荷も高い。サイドブレーキも含めて、事前によく確かめたい。サイドブレーキを掛けてもクルマが進んだり、ひっかくようなノイズが聞こえる場合は、サイドブレーキ・シューの交換を考えたい。
英国ではいくら払うべき?
1000ポンド(約15万円)~2999ポンド(約52万円)
仕様は様々だが、走行距離は30万kmに迫るXC90が英国では売られている。殆どがディーゼルターボだ。
3000ポンド(約46万円)~4999ポンド(約67万円)
2009年以降の、パワフルな2.9Lガソリン・ターボエンジンを載せたXC90が英国では見つかる。
4000ポンド(約62万円)~7499ポンド(約105万円)
フェイスリフト後のモデルが選べるようになる。走行距離は16万km以下が中心。
7500ポンド(約116万円)~9999ポンド(約151万円)
選択肢の幅が広くなり、V8エンジンを搭載したRデザイン仕様も英国では選べる。
1万ポンド(約155万円)以上
状態の良い、モデル後期のXC90が英国では購入できる。2011年式以降で走行距離8万km以下のXC90なら、1万5000ポンド(約232万円)くらいは必要だろう。
知っておくべきこと
ボルボXC90の特別仕様として、2005年にオーシャンレース・リミテッドが作られている。ヨットの世界一周レースでの優勝を記念したものだ。
ボディは専用のブルーで塗装され、内装も特別仕立てのトリムが与えられている。製造台数は800台だった。ほかにも特別仕様は複数存在するから、探してみる価値はある。
英国で掘り出し物を発見
ボルボXC90 2.4 D5 S AWDギアトロニック 登録:2009年 走行距離:13万6700km 価格:6595ポンド(約102万円)
販売店の半年間の保証が付いた、装備が充実したATの2オーナー車だ。車検は少し残っているが、納車前に一式点検してくれるという。184psのディーゼルエンジンだから、ガソリンエンジンよりランニングコストは掛からないだろう
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20万キロ近いですが絶好調です