現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル10番勝負!/JUDGE 03】ホットなコンパクトスポーツの決定版は?【BMW M2×アルピーヌA110S】

ここから本文です

【最新モデル10番勝負!/JUDGE 03】ホットなコンパクトスポーツの決定版は?【BMW M2×アルピーヌA110S】

掲載 8
【最新モデル10番勝負!/JUDGE 03】ホットなコンパクトスポーツの決定版は?【BMW M2×アルピーヌA110S】

国籍も素性も異なる2台だが、コンパクトスポーツとしての魅力は甲乙つけがたいものがある。フランス産のピュアな2シータースポーツカーと比べることで、M2の魅力に迫ってみた。

パワートレインはBMW M謹製のS58エンジン。最高出力はM3/M4に比べ460psに抑えらえているが、速さは十分以上。そしてワイドなトレッドによりフロントヘビーな印象も全くなかった。 パワートレインはBMW M謹製のS58エンジン。最高出力はM3/M4に比べ460psに抑えらえているが、速さは十分以上。そしてワイドなトレッドによりフロントヘビーな印象も全くなかった。

【スクープ】これがアルピーヌ「A110」の最終モデルか!? 最高速300km/h超えの超スパルタンモデルを開発中!

日常からスポーツ性能を感じることができる2台

カテゴリー違いのようにも思えるが、手ごろなピュアスポーツカーを考えたとき、BMW M2とアルピーヌA110Sはどちらも操る楽しさに溢れている。

速いだけでなく普段使いにも向きそうなハコ車を選ぶか、2シーターのミッドシップスポーツカーを選ぶか? アルピーヌA110Sは5年前にデビューし、ライトウエイトスポーツカーの基準を書き換えた。ポテンシャルが未知数なのは、デビューしたばかりのBMW M2の方だろう。クルマ好きなら誰でもそのステアリングを握ってみたいと願う注目の1台だ。2台を並べてみた時の印象は対照的だ。小粒なボディの角がキレイに丸められたアルピーヌに対し、M2はひと回り大きく、ブロックのように角ばっている。

だがM2だけに注目してみると、E30のM3を彷彿とさせるブリスターフェンダーが興奮を誘う。車幅は兄貴分のM4とほぼ同じだが、M2のシルエットはメリハリが強いのだ。赤いMボタンが主張するステアリングを握り、走り出してみる。

都内の雑踏を走っていても、M2は特別なクルマに乗っている感覚がひしひしと伝わってくる。バケットタイプのシートとボディ、そしてボディと締結された足回り、タイヤという一連の繋がりには微塵のアソビもなく、まるで硬質なゴムで結ばれたような一体感が漲っている。アダプティブMサスペンションのセッティングはモードを問わず洗練されており、コンフォートモードならロングドライブも快適にこなせるだろう。




ゆっくり街中を走っている限り、1.7トンという車重がクルマを少しダルに感じさせることは否定できない。だが“S”のアルファベットからはじまる型式を持つ3lのストレート6+ターボエンジンに鞭を入れれば、重量を払しょくすることは容易だ。

まるで自然吸気エンジンのようにレスポンスが良く、低回転からもりもりとパワーがある。そしてなにより大事なことは、6速MTとの組み合わせによって1速ずつの加速のドラマがしっかりと感じられる点だろう。今の時代に“わざわざ”レシプロエンジンをブン回す理由が、このクルマにはある。

室内空間に息苦しさはないが、バケットタイプのシートをはじめコクピットはタイト。BMW Mのステアリングのタッチも硬質でクルマの性格を代弁している。 6速MTのシフトレバーは形状も感触もE30やE36といった往年のモデルを彷彿とさせる。


2ドアクーペでありながらリアシートは実用的なスペースが確保されている。 リアのトランクスペースの開口部は広大とは言えないが、必要にして充分な容量がある他、シートバックも3分割の可倒式となっている。
19インチホイールに組まれるタイヤは前275、後285と太いが、路面へのタッチはなめらか。 カーボン製のルーフは見た目も攻撃的だが、運動性能にも確実に効いている。 モニター内にはスマホもかくやという装備が満載。トラックモードでドリフトのパフォーマンスをチェックすることができるという機能も今どきらしい。


一方のアルピーヌA110Sだが、このクルマに乗ると、少し乗り心地が硬いといつも感じていた。だが今回はM2のそれと同等だと思えた。引き締まっているが、ゴツゴツ感はキレイに排除されている。だがM2に比べアルピーヌのコクピットはタイトだ。まるでレーシングカーに乗り込むような、暗がりに潜り込むような感覚がある。実際、A110Sは走りだけにフォーカスした造りになっている。

カーボン製のルーフを持つM2でもコーナリング時の腰高感は一切感じなかったが、A110Sはそれ以上だ。まさに地面にへばりつくように走る。そして賢いデュアルクラッチATのおかげで駆動もシームレス。室内のタイト感にさえ慣れれば、普段使いも問題ないはず。A110Sの欠点を挙げろと言われても簡単ではない。ひと昔前なら玄人向けと言われたミッドシップ+ターボエンジンのクセに、ポテンシャルを誰でも簡単に引き出せすぎる(?)ことくらいだろうか。

重量の中央集中のため運転席と助手席の距離が近いアルピーヌA110Sのコクピット。大き目のステアリングとシフトパドルによりドライビングに集中することができる。 限られたスイッチ類は大きくてすっきりとしている。


リクライニング機能を持たないサベルト製のバケットシートを備えるA110S。 トランクスペースは前後にあるので、荷物のサイズに気をつければ十分実用的だ。
18インチホイールにミシュラン・パイロットスポーツ4を履く。前215、後245という比較的細めのタイヤ設定が車体の軽快な動きに繋がっている。 M2のカーボンルーフとは違い、手で押すと簡単に歪むA110Sのルーフパネルはより軽量化に貢献していそうだ。 ダッシュ中央のモニターは小さめだが、Apple CarPlay等に対応しており、実用性は充分。


いずれも劣らぬスポーツ性能を比較的容易に引き出すことができる今回の2台。だがたいていのクルマ好きにとってこの2択は難しくないはずだ。既にBMW派なのか、ピュアな2シーターが欲しいのかという結論が出ているはずだからである。それでもパーソナルチョイスとしてはM2の方が魅力的に映った。電気の時代が迫っている今だからこそスカッと抜けのいいストレート6が貴重なものに感じられるし、それを“手こぎ”で操る伝統的な所作が秘めている価値も、これから年を追うごとに高まっていくはずだからである。

こんな記事も読まれています

着脱できるバッテリーが便利! ポータブル電源「Honda Power Pod e:」が発売
着脱できるバッテリーが便利! ポータブル電源「Honda Power Pod e:」が発売
月刊自家用車WEB
マツダ「すごいロードスター」実車公開! 国内初の「2リッターエンジン」搭載した“最強ソフトトップ仕様”! 市販前提「スピリットRS」登場!
マツダ「すごいロードスター」実車公開! 国内初の「2リッターエンジン」搭載した“最強ソフトトップ仕様”! 市販前提「スピリットRS」登場!
くるまのニュース
「下手くそ棒」なんて悪口も!? もはや絶滅危惧種の「コーナーポール」の有効度ってどんなもんだった?
「下手くそ棒」なんて悪口も!? もはや絶滅危惧種の「コーナーポール」の有効度ってどんなもんだった?
ベストカーWeb
N-BOX首位陥落の原因は、間違っても「シンプル路線の失敗」ではない
N-BOX首位陥落の原因は、間違っても「シンプル路線の失敗」ではない
Merkmal
ついに800万円超え!? マジか……スバルWRX S4にSTIモデルの[S210]がついに登場へ! エンジンパワーアップでパフォーマンス爆上げ!!
ついに800万円超え!? マジか……スバルWRX S4にSTIモデルの[S210]がついに登場へ! エンジンパワーアップでパフォーマンス爆上げ!!
ベストカーWeb
ベスパ「プリマベーラ125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ベスパ「プリマベーラ125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
これで充分じゃん。アウトドアを感じさせないホンダN-VANがベースの軽キャンパー
これで充分じゃん。アウトドアを感じさせないホンダN-VANがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
もしやヴェゼル窮地!? お、値段以上に立派なバカ売れWR-Vってコスパ最強じゃない!?
もしやヴェゼル窮地!? お、値段以上に立派なバカ売れWR-Vってコスパ最強じゃない!?
ベストカーWeb
ヤマハ、プラマック・レーシングと複数年契約。2025年からファクトリー仕様のYZR-M1は4台に/MotoGP
ヤマハ、プラマック・レーシングと複数年契約。2025年からファクトリー仕様のYZR-M1は4台に/MotoGP
AUTOSPORT web
マークIIにチェイサー、クレスタ3兄弟バカ売れたよなぁ…… てかどんな違いがあったん!?!?
マークIIにチェイサー、クレスタ3兄弟バカ売れたよなぁ…… てかどんな違いがあったん!?!?
ベストカーWeb
バニャイアがレコード更新でプラクティスのトップ。0.065秒差でビニャーレスが2番手に続く/第8戦オランダGP
バニャイアがレコード更新でプラクティスのトップ。0.065秒差でビニャーレスが2番手に続く/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
角田裕毅が”暴言”を発した疑いが浮上。FIAが調査へ……ファンによるSNSへの投稿がきっかけに
角田裕毅が”暴言”を発した疑いが浮上。FIAが調査へ……ファンによるSNSへの投稿がきっかけに
motorsport.com 日本版
[スープラ80]の発売当時はあまり評価されなかった!? 過去を20代の若者に伝えたい【リバイバルBESTCAR】
[スープラ80]の発売当時はあまり評価されなかった!? 過去を20代の若者に伝えたい【リバイバルBESTCAR】
ベストカーWeb
おいおいまじかよ! 新東名にて行われている実証実験が最先端すぎる件
おいおいまじかよ! 新東名にて行われている実証実験が最先端すぎる件
ベストカーWeb
ハウガーが今季2度目のPP獲得。FP最速のハジャルを不運が襲う/FIA F2第7戦シュピールベルク予選
ハウガーが今季2度目のPP獲得。FP最速のハジャルを不運が襲う/FIA F2第7戦シュピールベルク予選
AUTOSPORT web
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの2025年カレンダー発表。バレンシアとザントフォールトが復活
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの2025年カレンダー発表。バレンシアとザントフォールトが復活
AUTOSPORT web
GTワールドチャレンジ・アジアの2025年カレンダー発表。日本は2戦、インドネシアで初開催へ
GTワールドチャレンジ・アジアの2025年カレンダー発表。日本は2戦、インドネシアで初開催へ
AUTOSPORT web
鈴鹿1000kmが2025年に復活! インターコンチネンタルGTチャレンジの一戦として9月に開催へ
鈴鹿1000kmが2025年に復活! インターコンチネンタルGTチャレンジの一戦として9月に開催へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • M2のサイズは先代でもコンパクトカーとは言い難いが、新型はM4と同シャシーで作られている分さらにデカい。
  • M2とエーワンテンでは大きさが全然違うと思うが
    M2はコンパクトなんかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

940.01550.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

644.21358.0万円

中古車を検索
A110の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

940.01550.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

644.21358.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村