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バッテリー増量で航続531kmへ アウディQ8 55 eトロンへ試乗 名称変更 快適性は不変

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バッテリー増量で航続531kmへ アウディQ8 55 eトロンへ試乗 名称変更 快適性は不変

Q8 eトロンへ名を改めバッテリー増量

アウディ初の量産バッテリーEV(BEV)、eトロンが発売されたのは2018年。最大150kWという急速充電能力には唸らされたものの、航続距離はそこまで印象的な数字ではなかった。それから4年を経て、アップデートの時期がやってきた。

【画像】バッテリー増量で航続531km アウディQ8 eトロン・スポーツ 競合のEV SUVと比較 全147枚

同社の強い意気込みを感じさせるのが、モデル名も一緒に改められたこと。現在人気を集めているQ4 eトロンや、間もなく発表されるQ6 eトロンといったモデル構成のフラッグシップに据えるべく、Q8 eトロンを名乗るようになった。

アルミホイールとフロントバンパー、フロントグリルなど、デザインに手が加えられているが、変化は限定的といえる。一部のモデルとは異なり、クーペボディのスポーツバックでも整ったプロポーションに変わりはない。

ハンサムなスタイリングはそのまま。それ以上の改良が、外から見えない場所に施されている。

現在までに駆動用バッテリーの技術は進歩し、高いエネルギー密度が実現されている。そこで今回の改良で、エントリーグレードのQ8 50 eトロンに搭載される容量は71kWhから89kWhへ、55では89kWhから106kWhへ、2割ほど増やされている。

さらに駆動用モーターの効率を向上。ボディの空気抵抗も改善することで、電費効率も高めている。とはいえ4.1km/kWhに留まり、現在のライバルと比較して秀でているとはいえない。試乗時は、メーター用モニターに平均で3.5km/kWhが表示されていた。

急速充電能力は、最大で170kWまで対応する。他方、ジェネシス・エレクトリファイドGV70では240kWを実現している。

アウディらしい上質な車内 静かで快適

航続距離はカタログ値で531kmへ伸ばされた。気温などにもよるが、現実的には370kmから400km程度だと考えていいだろう。

他にもステアリングレシオをクイックにし、エアサスペンションにも調整が加えられた。電子制御のスタビリティとトラクション・コントロールも、より知的なシステムになったという。

インテリアの変更は小さい。製造品質は高く、内装素材は高級。アウディらしい仕上がりだ。ダッシュボード中央には上下2段にタッチモニターが据えられ、下段はエアコン用。実際に押せるハードスイッチの方が扱いやすいとは思うものの、反応は悪くない。

上端はインフォテインメント・システム用。こちらも鮮明でメニュー構造がわかりやすい。スポーツシートは適度に身体を保持し、座り心地に優れる。小物入れなどの収納スペースもふんだんにある。

さて、実際に発進させてみると、Q8 eトロンの快適性に感心する。0-100km/h加速は5.6秒で充分に鋭い。アクセルペダルの操作に対するレスポンスは、テスラなどのように過激ではなく至って健全。遮音性も高く、車内はとても静かだ。

試乗車には、カメラ映像を用いたバーチャル・サイドミラーが装備されていた。これにより航続距離を8kmほど伸ばせるという。高速域では風切り音も軽減できるそうだが、110km/h前後ではさほど違いはない。アウトバーンなら効果を発揮するだろう。

スポーティに振ったエアサスペンション

今回の試乗はアフリカ大陸の西、スペイン領のランサローテ島で実施された。ここの路面は非常に平滑だったが、エアサスペンションにはもう少し手直しが必要かもしれない。

履いていたホイールが大径でも、ワダチや舗装の剥がれた穴などの処理は良好ではあった。しかし、高級車へ期待する水準のスムーズな乗り心地は得られていないようだ。

アウディの技術者は、メルセデス・ベンツやランドローバー・レンジローバーとは異なり、路面から浮いたような質感は敢えて狙っていないと説明していた。とはいえ、舗装状態が良いドイツでは受け入れられるとしても、英国や日本ではより柔軟でもいい。

フェイスリフト前のeトロンは、適度にしなやかでバランスでは上だった。スポーティな方向へ振ったようだが、グレートブリテン島の走り慣れた道で改めて確かめたいところだ。

ステアリングホイールの裏側にはパドルが付き、回生ブレーキの強さをワンタッチで変えられる。それが面倒なら、アダプティブ・モードでQ8 eトロンに調整をお任せできる。

グリップ力は充分に高く、ステアリングホイールの重み付けは妥当。反応は漸進的で、僅かに後輪駆動に近い挙動を感じ取れる。それでもQ8 eトロンは大きく重い。積極的に走らせたい、スポーティなSUVとまではいえないだろう。

最大のライバルはBMW iX

英国価格は、Q8 50 eトロンで6万7800ポンド(約1125万円)から。55では8万300ポンド(約1332万円)からとなる。クーペボディのスポーツバックを選ぶと、いずれも2500ポンド(約41万円)上乗せされる。

現在の最大のライバルといえるのは、BMW iX。スペックを比較すると、xトライブ40がQ8 55 eトロンに匹敵するが、アウディの方が価格が若干安く車内空間では有利。一方で、航続距離はBMWの方が長い。

ジャガーIペイスはひと回り小さく電費で劣るが、ドライビング体験には今でも魅力がある。メルセデス・ベンツからは、EQE SUVが発表されたばかり。技術的な水準でいえば、改良後のQ8 eトロンより上が存在することは事実。BEVの開発競争は熾烈だ。

アウディQ8 55 eトロン・スポーツ(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万300ポンド(約1332万円)
全長:4915mm
全幅:1937mm
全高:1633mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:5.6秒
航続距離:531km
電費:4.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2510kg
パワートレイン:ツイン非同期モーター
駆動用バッテリー:106kWh
最高出力:407ps(システム総合)
最大トルク:67.6kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

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みんなのコメント

13件
  • 2022/12/31 12:55ってどういうバカが書いてる?
  • 上位から99.5パーセントの人は聞かないね
    ①どういう種類の人たちがどういう理由でアウディを買う?
    ②高価な外国車EVの実質航続距離は現在どのくらい?
    下位から99.5パーセントの人も聞かないね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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