この記事をまとめると
■フェラーリ初の4ドアモデルとなるプロサングエが発表された
スーパーカー世代が熱狂したフェラーリとランボルギーニの最高速争いとは
■エンツォ用エンジンを始祖とする725馬力の6.5リッターV12エンジンをフロントに搭載
■プロサングエはフェラーリ全販売台数うち約20%を占めるモデルとなる予定
フェラーリ初の4ドアモデルにしてSUV
フェラーリからついに噂の4ドアモデル、「プロサングエ」が誕生した。プロサングエとはイタリア語でサラブレッドを意味する言葉。フェラーリはそれをSUVとも、あるいはクロスオーバーとも呼ばないが、プロサングエの名を掲げるにあたっては、これまでのフェラーリと同様にスーパースポーツとしてのキャラクターが与えられていることは間違いのないところ。
その象徴的存在といえるのは、フロントに搭載されるV型12気筒エンジンだ。最高出力は725馬力。その歴史をさかのぼればエンツォ用のエンジンに始祖を見る由緒正しきエンジンである。
かつてフェラーリには、FF、そしてそのマイナーチェンジ版であるGTC4ルッソという4シーターモデルがあったが、プロサングエはさらにウエルカムドアと呼ばれる観音開きの4ドアを与えることで、日常的な使い勝手を大幅に高めている。
ホイールベースは3018mmと、GTC4ルッソの2990mmよりさらに長く、それは4ドアフェラーリとしての実用性の高さに少なからず貢献している。
トランク容量は473リッター。リヤシートはもちろんリクライニング可能だから、それを倒せば収納できるラゲッジの量はさらに拡大することができる。
いまだかつてない快適な移動と乗り心地を提供するフェラーリ
ボディデザインは、前後フェンダーのダイナミックな造形で、フットワークの力強さを演出したじつに魅力的なもの。
ブラックにペイントされるロアボディは、オプションでカーボンファイバー製を選ぶこともでき、それを始めプロサングエの場合も、多彩なオプションやフェラーリ・アトリエで、カスタマーの好みを完全に反映させたモデルを製作することもできる。
キャビンに備わる4座のシートは、いずれもホールド性にも乗り心地にも優れたデザインに見える。その走りの雰囲気は、これまでのフェラーリとはまったく違ったものに感じられるのではないだろうか。
プロサングエには、当然のことながらさまざまな新技術が搭載されている。スペースフレームやカナダのマルチマティック社による「トゥルー・アクティブ・スプール・バルブ・システム」を用いた48V電源駆動の電気モーターによるアクティブサスなどはその代表的なところ。
プロサングエは、姿カタチこそドラスティックな変化を遂げたものの、フェラーリの伝統であるスーパースポーツとしての進化を確かに遂げた一台であるのだ。
ライバル各社の多くが、SUVを市場に投じることにより生産台数を大きく拡大しているのは周知のとおり。だが、フェラーリの考えはそれとは少し異なっている。ちなみに昨2021年にフェラーリが記録した生産台数は、前年比で23%増となる1万1155台。どうやらフェラーリにとってこの数字はプレミアム・ブランドとしての価値を保つには限界に近い数字であるようで、理想は1万台前後だろう。プロサングエはこの中で20%を担うモデルとされ、年間でそれ以上のボリュームでの生産は行われない見込みなのだ。その圧倒的な人気を背景にした受注停止は、意外に早い、いや驚くほどに早い段階で訪れるのかもしれない。
0-100km/h加速を3.3秒。最高速は310km/h以上とされるフェラーリ初の4ドアモデル、プロサングエ。そのデリバリーは2023年の第2四半期からスタートするとフェラーリからは発表されている。
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