マイチェン遂げた都会的ジープ
text:Hideshi Matsuda(松田秀士)
【画像】都会的SUVライバル比較【コンパス/RAV4を比べる】 全99枚
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
ラングラーほどSUVのコアなファンではなく、レネゲードでは物足りないという向きにコンパスはピッタリのモデルといえよう。
2012年にデビューしたコンパクトSUVのジープ・コンパス。2017年には2代目へと進化。
今回のマイナーチェンジでは内外装の刷新と近年採用が進むADAS(運転支援)を含む安全機能の充実。さらにインフォテインメントシステムの拡充など。
ラインナップは従来同様の「スポーツ」、「ロンジチュード」、「リミテッド」の3グレード。
3グレードに共通した刷新はフロントとリアを中心にしたデザイン。
まずフロントはジープ・ブランドの定番ともいえるセブンスロットグリル。その下に車幅いっぱいに広がる直線的開口部が設けられ、アグレッシブさとワイドなイメージだ。
また前後ライトはLED化されデイタイムランニングライトも内蔵されている。顔つきがかなり都会的になった。
そして最大の変更はインテリアだ。
インパネ、センターディスプレイ、センターコンソール、ドアパネルを一新して横方向の広がりを感じさせるもの。センターディスプレイは10.1インチの大画面(スポーツは8.4インチ)。
もちろんタッチ式スクリーンだ。最新のプロセッサが採用されていて処理速度が大幅に向上しアップル・カープレイ、アンドロイド・オートをより快適に使用できるとのこと。
さらにメータークラスターはフルカラー10.25インチマルチビューディスプレイ(スポーツは7インチ)が採用。
ステアリング左上のボタン操作で運転に関するさまざまな情報を直感的に表示させることができるようになっている。
3種のグレード 若い世代へアピール
インテリアの雰囲気はこれまでのコンパスのイメージを覆すもの。
都会的で落ち着ける高級感に支配されている。
今回346万円という最安値の注目株であるスポーツ・グレードは試乗車がなく、ロンジチュードとリミテッドのテストドライブである。
エンジンは3グレードともに共通の直列4気筒2.4L(175ps/23.4kg-m)の1本に絞られている。
トランスミッションはスポーツとロンジチュードが6速ATでFFモデル。リミテッドにはこれまでどおり9速ATで4WDとなる。
ちなみにロンジチュードの価格は385万円でリミテッドが435万円。
メーカーとしては今回のマイナーチェンジを契機に若い世代への訴求を促したい考えだ。
というのもコンパスの購買者平均年齢は42歳が中心で、同等のSUV購買層の平均年齢と比較しても9歳も若いとのこと。
42歳を若者と呼ぶかは置いておこう。まずは新しくなったコンパスを走らせてみる。
9速ATが効く リミテッドの味付け
まずは最高級グレードのリミテッドからだ。
シャシーはレネゲード用をモディファイしたものだが、とてもガッシリとしたSUVらしい重量と剛性を感じさせる。
とはいえ車重は1600kg(ロンジチュードは1490kg)とこのサイズのSUVとしては標準的か軽量である。
サスペンションは前後ともストラット式で、これがなかなか締まったフィーリング。
首都高のS字カーブが連続するようなシチュエーションでもあまりロールは感じさせず、フラットな姿勢で路面に張り付いたようにコーナリングする。
4WDだがオンデマンド式なので都内での走行ではほとんどFFと考えて良い。
リミテッドは4WDゆえにオフロード性能が強化されていて4WDロックや4WDローがボタン1つでチョイスできるセレクテレインシステム、ジープ・アクティブドライブ、ヒルディセントコントロール、18インチアルミホイールなどが装備されている。
アクセルを踏み込めば比較的エンジン回転を上げ気味で9速ATらしい次々にシフトアップして加速してゆく。
全開にすれば継ぎ目を感じさせない高回転シフトアップによってスムーズな加速だ。
つまりリミテッドはエンジンの比較的高い回転域を使って走る。これは9速ATのシフトマネージメントによるところが大きい。
ロンジチュード 軽快で優しい乗り味
もう1台のロンジチュードはFFで6速AT。こちらはリミテッドよりも約110kg軽い。
そのことを如実に感じるのは停止状態からアクセルを踏み込んで加速した瞬間。
6速ゆえに1速での守備速度域が広い。
つまり各ギアでできるだけ引っ張ってゆくタイプ。
軽量(1490kg)であることと低回転域からでもしっかりとトルクが出ているので加速感は逆にリミテッドよりも速いのではないか? と感じるほど。
また、リミテッドが18インチで55%扁平タイヤであるのに対してロンジチュードは17インチの60%扁平タイヤ。
そのためタイヤのエアボリューム分乗り心地が優しい。路面の継ぎ目などを通過する時にも突き上げや振動感が少ないのだ。
メルセデスのSUVが生涯オフロードを走行する距離は平均して10%にも満たない、というレポートを目にしたことがある。
逆に0%というユーザーも居るはずで、ロンジチュードのチョイスは価格(385万円)を含めてかなりリーズナブル。
リミテッドと比較して、レザーシートやサラウンドビューカメラの有無以外にそれほど大きな差はないのだ。
オフロードに興味がないのであればロンジチュードのチョイスはかなりおすすめである。
ジープの安全装備でユニークなのは前車追従が可能なACCとただのクルーズコントロールの2種類が装備されている。
普通に考えるとクルーズコントロールは必要ないように思われるが、ACCはギャップの多い路面などではミリ波レーダーが障害物とミスジャッジして急ブレーキをかけてしまうことがある。
米国は舗装路でも日本では想像できないほど路面が荒れているもの。環境の違いがACCのみにしないのではないかと考える。
また、アクティブレーンマネージメントはややお節介ではあるが車線からの逸脱を予防してくれる。
ラグジュアリーに成長したコンパス。
欧州系とは明らかに異なるアメリカンなSUV臭は個性があって魅力的だった。
ジープ・コンパスのスペック
ジープ・コンパス・ロンジチュード
価格:385万円
全長:4420mm
全幅:1810mm
全高:1640mm
ホイールベース:2635mm
車両重量:1490kg
パワートレイン:直列4気筒2359cc
最高出力:175ps/6400rpm
最大トルク:23.4kg-m/3900rpm
ギアボックス:6速オートマティック
ジープ・コンパス・リミテッド
価格:435万円
全長:4420mm
全幅:1810mm
全高:1640mm
ホイールベース:2635mm
車両重量:1600kg
パワートレイン:直列4気筒2359cc
最高出力:175ps/6400rpm
最大トルク:23.4kg-m/3900rpm
ギアボックス:9速オートマティック
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みんなのコメント
日本向けはインドで生産
日本ではそれ以上になるとサイズがデカくなりすぎる
革シートなどで高級感を演出するのはイタリアメーカーが得意とするところ
高級車では全く売れないイタリア車もジープのSUVにすることで強気の価格設定
路面が凍結した日は乗らなければ、マイナス面が曝け出されなくて済む。笑