市場からも期待されたEPBはなぜ採用が見送られたのか?
昨年末、軽自動車の新車販売ラインキングにおいて6年連続のナンバーワンとなることがほぼ確定しているほどの人気を誇り、ホンダの販売を支える存在として欠かせないモデル「N-BOX」がマイナーチェンジしました。
メッキ加飾のエリアを拡大した標準車、フロントのナンバープレートをセンターレイアウトに変えることで登録車的な存在感を手に入れたカスタムといった具合に外観をブラッシュアップしているわけですが、このタイミングでのマイナーチェンジでEPB(電動パーキングブレーキ)が備わらなかったなど失望の声も聞こえてきます。
EPBが備わらないということは、ホンダの流儀からするとACC(アダプティブクルーズコントロール)の渋滞対応もしないということで、相変わらず低速ではACCがキャンセルされる仕様であることは変わりません。「N-WGN」「N-ONE」の両モデルがEPBを標準装備しているにもかかわらず、マイナーチェンジで対応しなかったというのは理解に苦しむ部分もありますが、電子プラットフォームの世代的に対応が難しい面があるのだとか。
ACCの性能向上やシフト制御の変更、後席リマインダーなど細かな改良も
ただし、高速道路の制限速度が一部エリアで120km/hにアップされたのに合わせて、ACCでの設定速度の上限を上げ、LKAS(車線中央維持機能)のカバー範囲も広がるなどホンダセンシングはブラッシュアップされています。また、後方誤発進抑制機能に使う超音波センサーの数も従来の2個から4個に増えています。
パワートレインは燃料蒸発量を抑制するといった環境対応がメイン。CVTにはドライバーのイメージ通りに変速する「Gデザイン制御」、「ステップダウンシフト制御」が採用されたほか、従来はエンジンブレーキを効かせるポジションだったLレンジが、スポーティな走りを楽しむためのSレンジに変わっているのも変更点です。
後席スライドドアを開閉したことを記憶して、次にエンジンを切ったときに、後席への荷物などの忘れ物がないかどうか注意喚起してくれる「リアシートリマインダー」が新設定されたのも注目。アメリカでは、幼児やペットなどの「おろし忘れ事故」を防ぐものとして義務化に向かっているほど重視されている機能です。日本ではそこまでニーズは高まっていませんが、国民車といえるほどスタンダードになっているN-BOXにリアシートリマインダーを装備するというのは意味があるのではないでしょうか。
マイチェン後モデルは1万円半ば~2万円半ばの価格上昇に
ともあれ、今回は “ザ・マイナーチェンジ”といった印象が強い内容となっています。気になるのは、こうした進化に伴って価格がどうなっているのかです。グレード名が変わったりしているので比較は難しい面もありますが、最廉価グレードのメーカー希望小売価格を比べると、マイナーチェンジ前は141万1300円で、マイナーチェンジ後は142万8900円。差額は1万7600円となりますが、超音波センサー2個とリアシートリマインダー機能の追加で、この価格差というのはどう感じるでしょうか。
また、カスタムのターボエンジンという最上級グレードのFF車で比較すると、マイナーチェンジ前は199万6500円なのに対して、マイナーチェンジ後は201万9600円。こちらの価格差は2万3100円となってえいます。かつてのように100円の違いが売上に影響するといっていた軽自動車ユーザーのシビアさはないにしても、ちょっと上がった印象は否めません。
ライバルがN-BOXをキャッチアップしようと進化している中で、はたしてトップの座を守り続けることができるのかどうか。現状で十分に売れているという余裕がなせる業でしょうか。ちょっと隙を見せてしまったとさえ感じる、N-BOXのマイナーチェンジ後のマーケットシェアに着目していきたいと思います。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
実際は三万から四万くらいの値上げ