この記事をまとめると
■全日本ラリー第2戦「新城ラリー」が開催された
大注目のGRカローラ・モリゾウエディションがラリーに登場! デビュー戦で見せた「まずまず」の結果と今後への期待
■スバルはWRX S4ベースのマシンを開発中だが、前半はWRX STIベースのマシンで参戦
■「新城ラリー」でさまざまなモディファイにトライした
前半戦はVAB型WRX STIで参戦!
3月3日~5日、愛知県新城市を舞台に開催された全日本ラリー選手権・第2戦「新城ラリー」では、トヨタGAZOOレーシングの国際規定モデル「GRヤリスRally2」を筆頭に国内規定モデル「GRヤリスGR4 DAT」、LUCK SPORTの国内規定モデル「トヨタGRカローラ・モリゾウエディション」など話題のニューマシンが続々と登場。国内外から多くの注目を集めていたが、その一方で、新井敏弘と鎌田卓麻を要するスバル勢もまた新しいチャレンジを行っていた。
マシンのベースモデルは引き続き、VAB型のWRX STIだが、エントリーリストのマシン名は「スバルWRXラリーチャレンジ」となっており、この新城ラリーでさまざまなモディファイにトライ。具体的にはフロントスクリーン以外のウインドウをガラスからポリカーボネイトに材質を変更することで大幅な軽量化を図るほか、エンジンの吸気リストリクターもφ33mmからφ34mmに拡大されるなど、出力向上も図られていたのである。
スバルでは既報のとおり、S4をベースにした「スバルWRXラリーチャレンジ2023」を開発中だが、デビューのタイミングは早くても第4戦の久万高原ラリー、遅ければ第5戦のラリー丹後になる見込み。
つまり、ニューマシンの投入はシーズン後半戦になり、前半戦はVAB型WRXでの参戦を強いられることになるが、スバル陣営はニューマシンの開発に活かすべく、敢えてVAB型WRXをアップデート。事実、ボンネットのエアダクトの形状や大きさを次期主力モデルのスバルWRXラリーチャレンジ2023に合わせてデザインするなど先行的な開発を行っていたのである。
スバルWRXラリーチャレンジ2023にはさらなる飛躍が期待できる
ちなみに、JN1クラスではタイヤ幅が狭くなったことから、多くのドライバーがドライビングおよびセッティングに苦戦していたが、鎌田は「タイヤの幅が狭くなったけれど、必ずしも横方向のグリップが下がったわけではないんですよね。レグ1はタイヤを温存しながら、これまでとは違ったドライビングを試していました」とのことだ。
その甲斐あってか、レグ1で実質的に総合7番手に出遅れていた鎌田はレグ2で好タイムを連発。とくに雨に祟られたセカンドループではSS10で2番手タイム、最終ステージとなるSS11ではSSウインを獲得するなど素晴らしい走りを披露し、総合3位で表彰台を獲得した。
一方、総合7位に終わった新井もレグ1では実質的に総合5番手につけるなど順調な走りを披露している。
もちろん、シュコダ・ファビアR5を武器に新城ラリーを制したヘイッキ・コバライネンと比べると、まだまだ大きなギャップがあるものの、今大会よりシュコダ・ファビアRally2エボリューションを投入した福永修にスバルの両雄は確実に迫りつつある。VAB型WRXをベースにしたスバルWRXラリーチャレンジは確実に進化を続けているだけに、S4をベースにしたスバルWRXラリーチャレンジ2023がデビューすれば、さらなる飛躍が期待できることだろう。
本来ならすべてのリソースを次期主力モデルの開発に注ぎたいところであるにもかかわらず、敢えて旧型モデルを進化させたスバル。しかし、その効果は高く、スバルでラリープロジェクトを統括する嶋村誠監督によれば「軽量化とリストリクター拡大の効果を確認できましたし、最初の段階でまずまずの走りができたので悪くないと思います」と確かな手応えを掴む。
スーパーGTのGT300クラスでは国際規定のFIA-GT3モデルと国内規定のGTA-GT300クラスが激しいバトルを展開しているが、2023年の全日本ラリー選手権のJN1クラスも国際規定のR5/Rally2と国内規定のJP4が激しいバトルを展開。スバルWRXラリーチャレンジ2023はその国内規定モデルの代表モデルとなるだけに、今後もその動向に注目したい。
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みんなのコメント
不遇の時代を経験させたしまったペターには
日本人として申し訳なく思う
あの頃のスバルは輝いていた。