■いすゞA&Sのブースに飾られた「エルフミオ」とは
自動車業界の“華”ともいえるカスタムカー。
その祭典「東京オートサロン2024」には、ビルダーの個性と創造力が遺憾なく発揮された車両が多数出展されました。
2024年は、いま話題のトヨタ「ランドクルーザー70」のドレスアップカーを筆頭に、新型モデルが並べられていましたが、車格、創造性ともぬきんでていたのが、いすゞA&Sのブースに飾られた「エルフミオ」です。
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エルフミオは、2025年中に発売される新型トラックで、普通免許でも運転できる積載量1t(車両総重量3.5t未満)の小型トラックとして、流通業界から注目されています。
デビュー時にはBEVを発売し、その後ディーゼル車が追加される見通しとなっています。
このエルフミオをベースに、アウトドア系の架装を施したのが「エルフミオ・アウトドアエディション」です。
昨今、軽トラックで流行しているオフロード系+アウトドア系のパーツを小型トラックに装着したという手法は、ある意味で目から鱗。
これまで商用イメージの強かった小型トラックを、パーソナルユースとしても提案していきたいというメーカーの意図がそのフォルムに出ています。
主な装着パーツとしては、キャブ上のルーフラック&ライトバー、荷台のケージ、そしてそれに装着するテントです。
車体はアウトドア系カラーのオレンジに塗られ、各部をブラックアウト塗装して、荷台には黒のサイドデカールが貼られています。
その雰囲気はさながらアウトドアギア。同じくオフロード系カスタムが施されたスズキ「スーパーキャリー・マウンテントレール」と比較すると、非常に面白いコントラストができます。
この仕様について、同社のスタッフは次のように語っていました。
「ルーフラックのサイズオーバーや、荷台へのケージの取り付けなど、まだ法規的に見直していかない部分があります。
しかし、とりあえず参考出品というカタチで市場の反応を伺わせていただいています。
ユーザーの反応が良ければ、純正オプションで販売させていただくことも考えたいと思っています」
ちなみにいすゞA&Sは、いすゞグループの1社でエルフで純正オプションとして設定されているメッキパーツなどを製造している企業です。
その点では、エルフシリーズにマッチする外装パーツを造るのはお手の物。
今後、アフターマーケットではできないハイクオリティなエクステリアアイテムが発売される期待が高まります。
■エルフミオはキャンピングカー市場で注目の的となるか?
前述の通り、この動きに合わせて小型トラックを自家用として使う市場も拡大しそうな気配があります。
カスタム業界には、小型・中型・大型トラックのドレスアップパーツを製造しているメーカーが多くあり、このカテゴリーが一般化すれば軽トラカスタムと同様に市場が一気に拡大する可能性は大です。
そして、このエルフミオ・アウトドアエディションから考えられるもうひとつの市場が、キャピングカーです。
「キャブコンバージョン(通称キャブコン)」と言われるカテゴリーのキャンピングカーは、トラックを基にしたシャシの後部に居住空間を載せる構造になっています。
現在、キャブコン市場はトヨタ「カムロード」がほぼ独占市場となっており、いすゞもエルフベースの「ビーカム」というキャピングカーシャーシを発売していますが、採用するビルダーが1社であることから需要が伸びていません。
しかし、エルフミオのディーゼル車がキャンピングカーシャシとして使うことができれば、選択肢のひとつとして採用するビルダーは多いはず。
いすゞ関係者によれば、実はその計画は着々と進行中のようで、早ければ2024年夏にはビルダーへのデリバリーが始まるかもしれません。
この場合は、エルフミオではなく、トヨタ「ダイナ」→トヨタ「カムロード」のように専用のモデル名が付けられる見通しです。
キャンピングカーシャシはエルフミオ・アウトドアエディションとはまた違う用途になります。
しかし、2002年に乗用車市場から撤退して以来、久しぶりに一般ユーザーに向けた車両販売にいすゞが戻ってくるかもしれません。
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