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【F1カタールGPスプリントの要点】新世代の主役が一騎打ち。リスクを犯したフェルスタッペンと、立ちはだかったピアストリ

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【F1カタールGPスプリントの要点】新世代の主役が一騎打ち。リスクを犯したフェルスタッペンと、立ちはだかったピアストリ

 F1第18戦カタールGPのスプリントレースはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位に入り、3年連続3度目のドライバーズタイトルを確定した。そして何よりも新人オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が、初勝利を挙げたレースでもあった。

 ピアストリは土曜日夕方に行われたスプリント予選で、初の1番グリッドを獲得。初日の予選ではトラックリミット違反によるタイム取り消しに見舞われたが、この日はきっちりマクラーレン本来の速さを引き出した。

ピアストリがスプリントでF1初勝利「ソフトタイヤ勢にやられてしまうかと、一時は心配した」マクラーレン/F1第18戦

 迎えた19周のスプリント。グリップに優れるソフトタイヤを履いたジョージ・ラッセル(メルセデス)がランド・ノリス(マクラーレン)、フェルスタッペンをスタートで一気に抜き去り、1回目のセーフティカー(SC)明けの3周目にはピアストリも首位を明け渡す苦しい序盤となった。

 それでも中盤10周目前後には、ソフト勢のペースが極端に落ちていく。ミディアムを履くフェルスタッペンは、一時は5番手まで後退していたが、9周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、10周目にカルロス・サインツ(フェラーリ)をかわして、3番手まで順位を戻していた。

 続く11周目には、ピアストリもターン1でラッセルを抜き、首位を奪い返した。するとフェルスタッペンも16周目に、もはや完全にグリップを失っていたラッセルを難なく攻略し、2番手に浮上。2秒3前方のピアストリを猛然と追った。

 しかし残り3周となったこの時点で、ミディアムタイヤも限界に近づいていた。コンマ3秒速いペースでピアストリを猛追するフェルスタッペンに、担当エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼが、「タイヤを持たせるんだ」と待ったをかける。

 しかしフェルスタッペンは、「ピアストリに逃げられるじゃないか!」と、指示を無視。そこからはピアストリとフェルスタッペンが最速タイムを出し合う壮絶バトルが続いたが、ピアストリが1秒8差で逃げ切った。

 フェルスタッペンにしてみれば、選手権2位のセルジオ・ペレス(レッドブル)がリタイアを喫し、自身が2番手に浮上した時点で、すでに3回目のタイトル獲得は確定していた。リスクを冒してまで、勝ちを獲りに行く必要はなかったはずだ。それでもピアストリを最後まで追ったのは、ひとつはルイス・ハミルトン(メルセデス)にも共通する勝利への強い執念がある。

 しかし今回はそれ以上に、ピアストリという若い才能が、いずれは自分の前に立ちはだかるライバルになりうる。そんな予感を、感じたからではなかったか。

 3回のタイトルを獲得したとはいえ、フェルスタッペンは9月に26歳になったばかりの若さだ。22歳のピアストリと同世代と言っていい。3位のノリス(23歳)、悔しい4位に終わったラッセル(25歳)も含め、時代の趨勢は新世代に移りつつある。それを強く印象付けた、スプリントレースだった。

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