■なぜ日産は新型「セレナ」のシフトレバーを廃止? その意図は?
2022年11月28日に日産は新型「セレナ」を発表しました。
6年ぶりのモデルチェンジとなる新型セレナに対して、多くのユーザーから期待の声が上がっていますが、とくに話題となっているボタン式シフトに対する反響では、どのようなものが見られるのでしょうか。
【画像】あれ?シフトレバー廃止? 新型セレナの斬新スイッチ式シフトが凄い! 実際の操作感を写真で見る?(18枚)
新型セレナは、初代から受け継がれる室内空間の広さや利便性はそのままに、移動時の快適性を追求し、最先端技術の搭載やさまざまな機能の充実を図りました。
エクステリアでは、標準仕様に親しみやすさを感じながらも、より上質でモダンな要素を取り入れました。
また上級仕様の「e-POWER LUXION」やエアロ仕様「ハイウェイスター」は、ダイナミックで力強い走りを想起させる印象的なデザインに仕上げています。
インテリアは、先進的で上質な広々とした空間を意識しながら、運転席は視界を遮る凹凸を減らすことで視界が開け、運転のしやすさを向上させました。
シートは素材の高級感と、お菓子などの食べかすが隙間に入り込みにくく、飲み物などをこぼしてしまったときもふき取りやすいなどの機能性を両立させた家族思いの仕様となっています。
さらにこれまでフロントパネル中央部に配置されていたシフトレバーを廃止し、日産として初めてスイッチタイプの電制シフトを採用しており、日産は「スッキリとした見た目と分かりやすい操作性を実現した」と説明しています。
同時にスイッチタイプの電制シフトの近くには、タッチパネル式オートエアコンを配置することで「直感的に使いやすい先進的なデザインを実現した」ともいいます。
また、日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」は、新開発の1.リッターe-POWER専用エンジンを組み合わせた第2世代に進化。エンジンの作動音を抑制するとともに、よりパワフルで気持ちの良い加速性能を実現しました。
さらに先進運転支援技術「プロパイロット」は全車に標準装備となるほか、上級仕様の「e-POWER LUXION」にはさらに進化した「プロパイロット2.0」を標準装備。これにより、長距離運転におけるドライバーの負担を軽減します(高速道路同一車線走行時、時速40km/h以上でのハンズオフ機能の採用が世界初です)。
また、前方障害物に対する操舵回避の際にドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」や、駐車した場所を駐車枠として記録するメモリー機能付きの「プロパイロットパーキング」を日産として初搭載しました。
そんな新型セレナのグレード展開は、e-POWERモデル(2WD)の「X」「XV」「ハイウェイスターV」「LUXION」、ガソリンモデル(2WD)の「X」「XV」「ハイウェイスターV」となり、ガソリンモデル(4WD)の価格・発売については追って発表されるとしています。
価格は、ベースグレード「X(ガソリンモデル/2WD)」の276万8700円から最最上級グレード「e-POWER LUXION」の479万8200円とです。
新型セレナの反響はどうなっているのでしょうか。日産の販売店担当者は、次のように話しています。
「発表してからすでに多くのお問い合わせをいただいている状況です。
とくに、納期に関するお問い合わせや、『旧型セレナと何が異なるのか』といったご質問を伺うことが多いです。
そのほか、問い合わせが多い人気のグレードは、上位グレードの『ハイウェイスターV』です」
また、日産として初めて採用されたスイッチタイプの電制シフトに関する反響にはどのようなものがあるのでしょうか。
SNSでは、「新型セレナのシフトはステップワゴンと同じくボタン式になるのはいいね」、「新型セレナのセンターパネル、ボタン式シフトになってめちゃめちゃスッキリしてる」という声が見かけられます。
また「新型セレナのシフトノブ撤廃はえぇ…ってなる」、「エアコンと同じ括りに見えるシフトスイッチってどうなん?」、「シフトレバーがなくてタッチ式パネルと一体化のボタン式になってて違和感。運転席周りスッキリはするけど…レバー欲しくない?」という声も出ていました。
スイッチ式のシフトでは、ホンダ「ステップワゴン」や「シビック」のハイブリッド車(e:HEV)では、センターコンソールに縦配列のスイッチ式シフトを装備。一方のガソリン車では通常のシフトレバーを装備しており、新型セレナのように全車でスイッチ式シフトを採用していません。
スイッチタイプの電制シフトについて、前出とは別の日産販売店は次のように話しています。
「お客さまからは、スイッチ式シフトの使い勝手に関して『使い勝手はどうなのか』『誤操作はしないのか』といった質問を頂きます。
実際に慣れなるまでに多少の時間はかかると思いますが、それはどのクルマでも同じです。
誤操作に関して、基本的にシフト操作は停止した上で安全確認をおこなった状態ですることが前提なので、問題ないのではないかと思います。
実際には操作ミスを防ぐため『R(後退)』ボタンに出っ張りを設けらなどの工夫も施されています」
※ ※ ※
また、ユーザーからの問合せが多いという納期は、ガソリンモデルとe-POWERモデルで発売時期と納期が異なるといいます。
「ガソリンモデルの発売時期は12月15日となっており、現在では予約注文を承っている状況です。
ガソリンモデルの場合は、現在(2022年11月末時点)に注文していただいた場合、納期は2023年1月末から2月末ごろであることが予想されます。
一方で、e-POWERモデルの場合はガソリンモデルよりも発売時期が遅く、2023年の春頃の発売を予定しているため、納期の目処は立っていませんが、早くても納期はそれ以降になります」
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