進撃のマクラーレン、アップデートの効果はどれくらい？ ステラ代表「さすがに1周1秒はオーバーだ」

　マシンを大幅にアップデートして以降、一気に上位争いに食い込んできた感のあるマクラーレン。これついてメルセデスのトト・ウルフ代表は、アップデートにより1周1秒のパフォーマンスアップを果たしたと主張しているが、マクラーレンはこれを否定している。

　マクラーレンは、マシンのほとんどすべての空力パーツが変更されるという3連続アップデートの第1弾をオーストリアGPで、第2弾をイギリスGPで投入した。

　本来、第3弾の投入が予定されていたハンガリーGPでは設計と生産スケジュールの関係でアップデートができなかったものの、ランド・ノリスが2戦連続で2位表彰台、ルーキーのオスカー・ピアストリも5位と上位に食い込んだ。

　シーズン序盤は苦戦し、開幕から8レースで17ポイント獲得に留まっていたのに対し、この3戦で一気に70ポイントを稼いだのだから、アップデートの効果が絶大だったと考えるのは無理からぬことだろう。

　マクラーレンに打ち負かされたメルセデスのウルフ代表は、マクラーレンが1周あたり1秒ものタイムアップに成功したと主張した。

「マクラーレンがアップデートを施し、いかに他を引き離したかがわかるだろう。彼らもあそこまで強力だとは思ってなかったようだ」

「それがどんなモノであれ、彼らはおそらく1秒を稼いだ。そして、シーズン序盤に強力なコンテンダーと目されていたアストンマーチンとフェラーリを追い抜いてしまった」

　一方でマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、アップデートの効果について明言はしなかったものの、ウルフがその効果を誇張していると語った。

「公正を期して言うならば、我々は（アップデートによる効果の）適切な見積もりを行なっていない」

「我々は、エアロダイナミクスマップで見たモノを基に内部的な試算はした。数値の共有はできないが、シミュレーションの結果は1秒ではなかった」

「クルマの挙動と開発が、同時にタイヤを使う上でも役に立っているのだと思う」

「これがラップタイムにもさらなるメリットをもたらすんだ」

　ハンガリーGP前には、低中速でツイスティなコースであることを理由に期待値を下げるコメントをしていたステラだが、依然として慎重な姿勢を崩していない。

「このイベント（ハンガリーGP）を終えて、中速コーナーで進歩できたことは励みになった。ライバルとの比較でも、それは明らかだ」

「そして3つの低速コーナーでタイムをロスしていることも分かった。つまり、低速域ではまだやるべきことがあるということだ」