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公道での「安全」が確実に進化! 初心者こそ「サーキット走行」に挑戦すべき理由

掲載 更新 19
公道での「安全」が確実に進化! 初心者こそ「サーキット走行」に挑戦すべき理由

 初心者でも参加しやすいイベントは多数開催されている

 0~100km/h発進加速タイムが2.8秒、最高速330km/hなど超高性能をアピールするスーパースポーツカーが続々と登場している。それらの多くは数千万円から数億円という驚異的なプライスタグが付けられているが、株高など経済的背景から世界的に売れ行きは好調だという。しかし、それほどの性能をいったいいつ、どこで発揮させられるだろうか。速度無制限のドイツ・アウトバーンにおいても300km/hで走り続けるのは自殺に近い行為だ。

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 ましてや国内においては、100万円以下の軽自動車も数億円のハイパーカーも適用される法律は平等であり、法定上限速度は同様に定められている。

 昭和の時代には首都高速環状線を1周走ってタイム計測し速さを自慢しあうこともあったと聞くが、少なくとも僕が免許を取得した1975年にはそのような行為は厳しく取り締まられていた。だが週末の夜になると無法地帯であるかのように爆走する車両を多く見かけたのも事実。そうした一部の走り屋の行為がより取り締まりを厳しくし、今では自由に走れる場所は皆無になった。近頃は煽り運転対策の一貫として「ドライブレコーダー」が大きく注目され多くの車両が搭載している。そのため警察の取り締まりがなくとも、一般車のドライブレコーダーに爆走ぶりが録画され、後に摘発対象とされることもありうる。

 我々が高性能車の試乗リポートを書くには、時に限界性能を試す必要もあり、そのためにはサーキットなど限られたクローズドコースで走行するしか手だてはなくなった。

 しかし、一般ドライバーの多くはサーキット走行と聞くと、とても敷居が高く感じられ尻込みしてしまう人が多いだろう。一般道で爆走するほうが遥かに危険でリスクも大きく、他人にも迷惑をかけているのだが、そんな人達もサーキット走行は怖いという。

 そこで、ビギナーでも走りやすいサーキット走行デビューに適したイベントに参加することをお薦めしたい。

 たとえば富士スピードウェイが定期的に開催している「ワンメイクドライブレッスン」シリーズ。同じ車両のオーナーだけが参加できる走行会イベントなので車両間の性能差が少なく、富士スピードウェイのスタッフが安全管理を行っているので安心して参加できる。

 僕もお手伝いさせていただいている「2リッター・ターボ4WD(2Lターボ4WD)走行会」は少し幅を拡げ同一カテゴリーの車両を対象に開催されていて、毎回多くの参加車で賑わいを見せている。初参加者はサーキット走行のルールやマナーの講義を受け、希望者にはサーキットライセンスの発給を受けられる講座も用意されている。サーキットライセンスを所持すれば、以後はスポーツ走行枠に参加することができ安価にサーキット走行を楽しめるのだ。

 2Lターボ4WD走行会は当初「ランエボ(三菱ランサーエボリューション)・インプ(スバル・インプレッサWRX)」の走行会として開催されていた。ちょうどスーパー耐久レースのクラス2カテゴリーでランエボとインプが死闘を繰り広げていたこともあり、両モデルのオーナー達がクラス2のレーサーになった気分を楽しめた。その人気は凄く、参加枠60台の募集枠は募集案内が出されると即座に埋まりキャンセル待ちがでるほどだった。

 近年はランエボが生産終了になり、逆にA 45 AMGやゴルフRなど、輸入車の同一カテゴリー車が多くラインアップされるようになり、2Lターボ4WD走行会参加車両の半数を占めるまでになっている。

 初めてのサーキット走行でもドラテクを身につけることができる

 彼らの多くはサーキット走行初体験だという。2Lターボ4WDで400馬力という高性能を手に入れたのに、その威力を体験する機会がなかったということでサーキット走行初体験で自分の購入したクルマの性能を正しく知る事に胸を躍らせてやってくるのだ。

 初めてサーキットにコースインすると、どこをどんな速度で走ったらいいのか、まったくわからないという。ライン取りやコーナリング速度、ブレーキングポイントなどを自分で見出だすには相当な知識とキャリアが求められる。

 そこで、走行はまずリード&フォローというプログラムから始まる。インストラクターがドライブする先導車について走り、ラインやブレーキングポイント、おおよその速度管理などを学ぶのだ。

 先日開催された2Lターボ4WD走行会には自動車メディア業界に入って3カ月という若手女子編集部員が体験参加しリポートを行った。彼女、運転免許はATの限定解除を所有しているもののマイカーはなし。月に一度くらいレンタカーでドライブする程度の運転キャリアしかない。もちろんモータースポーツに関する知識は皆無で、アウト・イン・アウトもスローイン・ファストアウトも知らない。

 A 35 AMGを借り出しての体験参加企画が決まり、不安が大きいのでSIMゲームである「グランツーリスモ」での富士スピードウェイ走行体験をすすめたところ、ゲーム内でA 45 AMGを購入して練習してきたという。

 SIMゲームで練習をすると、コースの右左は覚えられるものの、ブレーキングポイントやコーナリング速度限界を正確に掴むのは難しい。しかし、コースの右左が分かったこと、ブレーキを送らせてコースアウトすると大変な事になることが理解できたことの有効性は大きく、彼女はドライビングポジションやブレーキングのコツを教わるだけでどんどん速くなり、全参加者のなかで中盤以上の速さで走ることができた。

 人生で初めてのサーキット走行で、人生初めてのAMG車を操り、人生初の200km/hオーバーを体験した彼女が得たものは計り知れないほど大きなものとなったようだ。こうしたイベントに参加する意義の有用さが正しく証明されたといえるだろう。

 今後も高性能車を思い切り走らせたいならサーキット走行するしかない。ただサーキット走行の基本はすべて自己責任。自分のミスでクラッシュすればもちろん自分で責任を負わなければならないし、他人のミスに巻き込まれて自分の車両が負ったダメージも、怪我も自分で負うしかない。サーキットではクルマを運転する以上、常に責任が重くのしかかることもしっかり学ぶことができる。不測の事態に対処するために、サーキット走行でも有効な保険に加入することが重要になっている。

 サーキット走行を体験すれば、ハイスピードでクルマを走らせることの難しさや危険性の高さを知り、その責任の大きさと一般道で爆走することの愚かさに気付かせてくれるのだ。

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みんなのコメント

19件
  • 限界域の運転を経験しておくと、確実に日常の運転も正確になってくる。どうして車がそういう動きをするのか、どう運転したらまずいのか、そういう事が比較的安全に試す事が出来る。限界域での扱いが上手くなれば、一般公道の速度域なら相当の余裕を持って走る事が可能になる。機会があれば是非体験するべき。
  • 鈴鹿サーキットで2度バイクで走行した事ありますが、意外と広すぎて、コーナリングのラインどりが分からない。耐久レースのオンボードカメラの映像見るとあんなに狭く感じるスプーンカーブなど、どこを走ったら良いのか分からない。
    いちばん勉強になるのはブレーキングですね。
    インストラクターに頑張って付いて行くうちにハードなブレーキでも安定してかける事が出来るようになる。練習した事ないものはいざと言う時に全く出来ないからです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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