■日本軽視じゃない!? 新型「アコード」導入遅れの理由とは
2023年9月21日、ホンダは2024年春に発売予定の新型「アコード」を先行公開するとともに、先行予約を同年12月に開始すると発表。先代モデルの販売終了から約1年半ぶり復活となり、話題となっています。
11代目となった新型アコードですが、2022年11月には米国で世界初公開され、翌年1月にはすでに発売されているほか、メキシコや中国などでも展開されており、日本は“後発”ともいえます。
この姿勢にSNSや各紙などは、「日本軽視か」との指摘も多くありますが、実際何故後発となったのでしょうか。その理由を聞いてみました。
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アコードは、ホンダのミッドサイズセダン。初代モデルは1976年に登場と長い歴史を持つホンダにとっても重要な車種です。
今回、日本市場導入が発表された新型「アコード」は、前述の通り2022年11月に世界初公開され、2023年1月にも北米を皮切りに各地域で販売がスタートしている11代目モデル。
グランドコンセプトは「Driven by My ACCORD ~相棒アコードとより高みへ~」。初代から一貫して持ち続けてきた「人と時代に調和したクルマ」の思想を踏襲しながら、ホンダの最新の安全技術や先進装備を搭載し、ユーザーがアコードとともにより高みを目指せるようなモデルが目指されています。
エクステリアは、ロー&ワイドなプロポーションを踏襲し、力強いノーズと伸びやかで流麗なフォルムを採用。フルLED化を採用した薄型フロントヘッドライトと、横一文字のリアコンビネーションランプで、ワイドな印象を強調しています。
インテリアは、水平基調のデザインや統一感のあるコーディネートを採用するほか、手に触れやすい部分にソフト素材を使用し上質な仕上げが行われ、心地良くくつろげる室内空間となっています。
日本仕様のボディサイズは明示されていませんが、全長を延長したということや、北米仕様車が全長4970mm×全幅1861mm×全高1450mmとなっていることから、これとほぼ同様だと思われます。
パワートレインは、システム総合出力204馬力を発揮する2リッター新型ガソリンエンジンと2モーターを組み合わせるハイブリッド「e:HEV」を採用。北米仕様では用意される最高出力192馬力の1.5リッターガソリン直列4気筒ターボエンジンモデルは、日本では導入されないようです。
コネクテッドサービスとして、車載向けコネクテッドサービス「Googleビルトイン」を国内のホンダ車として初採用。Googleアシスタント、Googleマップ、Google Playなどが車内で使用できるほか、Googleマップは、メーターパネルに表示することも可能です。
先行予約は2023年12月に開始される予定。価格を含めた詳細は明らかになっていません。
米国での展開から約1年遅れで日本に展開されることになった新型アコードですが、なぜ“後発”となったのでしょうか。
■遅れること約1年! 新型アコード日本導入が“後発”のワケとは
新型アコードが、後発で日本に展開されることになった理由について、ホンダの国内商品企画担当は以下のように説明します。
「日本での発表は、米国での発表に対し、だいたい10ヶ月くらい遅くなっています。
遅れた理由としては、10代目となる先代モデルの米国デビューは2017年でしたが、日本デビューは2020年で、ライフサイクルを考慮したというのが一つあります。
また開発の内容としても、Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)が北米仕様にはついていませんが、日本仕様では設定しています。
高度な技術をつんでいるのは日本仕様なので、日本の法規への適合や技術の検証など、開発のリードタイムも日本はどうしても長くかかってしまったというというのもあります」
新型アコードには、最新の全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」が日本向けのホンダ車としては初めて搭載されています。
これは、約100度の有効水平画角を持つフロントセンサーカメラに加え、フロントレーダーと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを装備することによって360度センシングを実現しているものです。
また、従来のHonda SENSINGの機能に、前方交差車両警報、車線変更時衝突抑制機能、車線変更支援機能が加わっており、安全性が高められています。
2025年には、ドライバーの異常や周辺の環境を的確に検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバーの運転負荷をさらに軽減させることを目指したHonda SENSING 360次世代技術(ハンズオフ機能追加など)をアコードに搭載し、発売する予定となっています。
先代では、走行性能やデザインといった部分は評価されたものの、先進性という面ではやや新しさに欠けたことで、結果として40・50代のユーザーのシェアは低下したといいます。
新型アコードでは、こうした先進性に重きを置き、Honda SENSING 360やGoogleビルトインを採用したほか、インテリアも1つのダイヤルで各機能を設定する「エクスペリエンスセレクションダイヤル」を採用するなど、機能面だけでなく表面的なデバイスも先進性を強調したものとなりました。
ほかの地域では採用されなかったこうした多くの先進装備を搭載するために時間がかかったことで、実質的にアコードの導入が“後発”となったようです。
※ ※ ※
後発ながらも先端の装備を搭載し、日本デビューを果たすことになった新型アコード。
しかし、他メーカーでも歴史のあるセダン車が相次いで生産終了するなど、日本でのセダン市場は縮小傾向にあり、同クラスの車種はこのところ急速に減少しているようにも見えます。そんな中、新型アコードどのような展開を見せるのか、注目です。
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