WEC世界耐久選手権は、当初予定よりも2日延期された公式テスト“プロローグ”が2月27日(火)に終了。カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットは、第1戦のレースウイークが開始される木曜まで、1日のインターバルが置かれる形となった。
プロローグの熱気も冷めやらぬルサイルの水曜日のパドックから、各種トピックスをお届けする。
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■26名のルーキーがWECデビューへ
今週末の第1戦カタール1812kmでWECへのデビューを飾るドライバーは、全部で26名いる。そのうち8名がハイパーカークラスへ、18名が2024年に新設されるLMGT3クラスへと参戦する。
今年の“ルーキー”のなかで注目すべき名前には、マルコ・ウィットマン、ラファエル・マルチェッロ、ミック・シューマッハー、エドアルド・モルタラ、ケルビン&シェルドン・ファン・デル・リンデ兄弟、ダニエル・ジュンカデラ、そしてMotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシらが含まれている。
なお、2023年のルーキー16人のうち、2024年もWECに参戦するのはアンドレア・カルダレッリ、ダニール・クビアト、アハマド・アル・ハーティ、ライアン・ハードウィックの4名だけとなっている。
■LMGT3の最高速はレクサス
月曜と火曜に行われたプロローグテストで最高速を記録したのは、93号車プジョー9X8のジャン・エリック・ベルニュだった。彼は319.5km/hというずば抜けた数字を最終のセッション4で記録している。
最高速の2番手は、11号車イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-Cの307.7km/h、続いて2号車キャデラックVシリーズ.Rと51号車フェラーリ499Pが記録した306.8km/hだった。
LMGT3クラスの最高速を見てみると、アコーディスASPチームの2台のレクサスRC F GT3が上位を占めており、87号車のエステバン・マッソンが268.7km/h、78号車のティムール・ボグスラフスキーが266.7km/hを記録している。レクサスに続いたのはハート・オブ・レーシングのアストン マーティン・バンテージGT3 Evoで、259km/hだった。
■「笑顔が増えた」ポルシェ・ペンスキー
ポルシェLMDhファクトリー・ディレクターのウルス・クラトルは、今季のポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのスタッフが高いレベルの好転を見せていることを認め、プログラムの最初の1年半と比べると、ガレージ内に「笑顔が増えた」と語っている。
新しい加入者の中には、チームのゼネラルマネジャーに就任したヤン・ランゲも含まれる。
「典型的な数字はないが、40~50人以上のチームを作り、彼らをゼロから雇用すれば、全員が参加してくれるというものだ」とクラトル。
「それが、我々が1年半前にやっていたことだ。それは双方にとって、必ずしもフィットするとは限らない。チームや新しい雇用主のもとへとやってきた人たちが、自分が期待していたようなもの見つけられないこともあるし、その逆もある。我々のチームには(このオフに)いくつかの変化があったが、それは本当に良いことだったと言える」
■ルサイルは「楽しい」とバトン
ハーツ・チーム・JOTA は、トム・ブレイディがかつてNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)で使用していた背番号にちなみ、2台目のポルシェ963にゼッケン12を付けている。
チームの2台のハイパーカーのエントリーのナンバー表記も、米国フットボールリーグと同じフォントを使用している。ブレイディの名を冠した衣料品ブランドは、昨年のプログラム開始以来、このチームのスポンサーを務めている。
JOTA38号車のジェンソン・バトンは、プロローグにおけるルサイルでの初めてのドライブ体験を、「楽しかった」と振り返る。
「アスファルトには、非常にトリッキーなところがある」とバトン。
「非常にエッジが効いていて、コーナー進入時にマシン(のリヤ)がルーズになりやすい。このため、積極的にプッシュするのは難しくなるけど、通常のサーキットではできないような運転ができるので、楽しくもある。ステアリングへの入力を見たら、ゴーカートを運転しているような気分になるはずだ。チャレンジングだけど、運転するのは楽しいサーキットだね」
■「望んでいたものを達成できた」ランボルギーニLMDh
ランボルギーニの最高技術責任者ルーベン・モールは、アイアン・リンクスのオペレートによりデビューするランボルギーニSC63が、テストでは19台のハイパーカー中18番目のタイムを記録したにもかかわらず、ランボルギーニが達成したことに「非常に満足している」と語った。
「我々はテストプログラムを実行した」とモール。
「なぜなら、これが我々の最初のレースだからだ。また、正しいことを行うためにすべての側の人々が学び、訓練する必要があり、操作のオペレーションを微調整する必要がある。これらすべてのことを含めて、我々は非常に満足しており、望んでいたものを達成できた」
■アップデート版プジョー9X8、デビューに向け最終段階へ
ステランティス・モータースポーツのディレクター、ジャン・マルク・フィノーは、シーズン第2戦イモラでデビューする予定の、アップデートされたプジョー9X8がすでに「設計され凍結」されており、3月に「ホモロゲーションのパイプライン」に入っていることを認めた。
また、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権において、ステランティス傘下の別の会社のバッジを付け直された9X8を走らせる可能性について尋ねられたフィノーは、次のように述べている。
「我々はそれを、競争力のある方法で実行しなければならない」
プジョーが更新された9X8の現在の標準タイヤサイズに移行したことは、LMHカーをウェザーテック選手権のGTPクラスにエントリーさせるために必要な前提条件のひとつつであるものと理解されている。
■開幕戦翌週も忙しいドライバーたち
開幕戦の翌週は、国際的なスポーツカーレースのほとんどが開催されない週末となるが、トヨタGAZOO Racingの小林可夢偉は日本に向かい、鈴鹿サーキットでのスーパーフォーミュラ開幕戦に出場することになる。
アイアン・デイムスのドリアーヌ・パンは、カタールからサウジアラビアのジェッダまで、短距離の旅をする予定だ。パンは、女性ドライバーで構成されるF1アカデミーシリーズへの参戦を控えている。
一方、JOTAのカラム・アイロットは、セント・ピーターズバーグで来週開催されるNTTインディカー・シリーズ開幕戦にアロウ・マクラーレンチームの出場権を獲得する可能性が非常に高いようだ。チームのレギュラードライバーであるデビッド・マルカスは手首の骨折でレースを欠場する見込みとなっているからだ。
■アレックス・リンスがロッシを訪問
水曜日の朝、記者会見がドーハ郊外のカリファ国際スタジアムで行われ、アイアン・デイムスのドライバーであるパン、ミシェル・ガッティング、サラ・ボビー、そして創設者のデボラ・メイヤーとアイアン・リンクスの監督アンドレア・ピッチーニが出席した。
2023年にガッティングとボビーとともにアイアン・デイムスのラインナップの一員だったラヘル・フレイは、チームのプロジェクトマネージャーとして姿を見せている。彼女は今年もポルシェ 911 GT3 Rで、WECでの元チームメイトとともにヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦を継続することになる。
MotoGPのスター、アレックス・リンスが先週末、ルサイル・インターナショナル・サーキットにロッシを訪問したと理解されている。このヤマハのライダーは、WRTのBMW M4 GT3に乗るロッシとは、モンスター・エナジーというスポンサーを共通項として持つ。
これはルサイルで行われた先週のMotoGPプレシーズンテストに続くものであり、ルサイルでは3月10日に2輪の世界選手権開幕戦が開催される。サーキットではWECとMotoGPのイベントをまとめて、『ルサイル・スピード・フェスト』と称している。
いよいよ29日木曜日からは、第1戦のレースウイークの走行が始まる。日本時間でのレースウイークのタイムスケジュールは、以下のとおりだ。
・2月29日(木)
18:20~19:50 フリープラクティス1
23:30~25:00 フリープラクティス2
・3月1日(金)
17:00~18:00 フリープラクティス3
22:00~22:12 予選 LMGT3
22:20~22:32 予選 ハイパーカー
23:40~23:50 ハイパーポール LMGT3
22:58~23:08 ハイパーポール ハイパーカー
・3月2日(土)
17:00~翌3:00 決勝
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