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初代スーパーカブに使われた64年前の新素材、最新型「緩められないネジ」まで──自動車技術の見本市をレポート

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初代スーパーカブに使われた64年前の新素材、最新型「緩められないネジ」まで──自動車技術の見本市をレポート

「人とくるまのテクノロジー展」で二輪車に関する話題をピックアップ

1992年から行なわれている、その名の通りクルマの技術系展示会「人とくるまのテクノロジー展」。2022年5月25日~27日にパシフィコ横浜で開催され、次回は2022年6月29日~7月1日にポートメッセ名古屋でも開催されます。

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市場として圧倒的に巨大な四輪車に関する展示がほとんどですが、広義で自動車産業といえば二輪車も含まれます。そこで、モーサイ編集部が気になった、バイクに関係する技術や製品を紹介していきましょう。

初代スーパーカブ「C100」の樹脂部品を請け負った会社「森六グループ」

クルマのインパネやダッシュボード、コンソールなどを作っている森六グループのブースには、ホンダ スーパーカブを描いた展示物がありました。そこに記されていたのは「1958年、森六のものづくりはスーパーカブで飛躍しました」の文字。そう、1958年に登場し、現在まで続くホンダの屋台骨、スーパーカブシリーズ。その最初のモデル、C100の外装樹脂部品を製造・納品していたのが森六グループなんです。

製品名「ハイゼックス」という熱可逆性ポリエチレンで、C100のフロントフェンダー、レッグカバー、サイドカバーは出来ています。森六グループは1940年代から三井化学工業製の塩化ビニール製品を広く宣伝し、販売していましたが、1958年に高密度・高強度を誇るポリエチレン素材「ハイゼックス」の特約店になり、市場開拓を進めました。

一方ホンダは一般家庭に普及しつつあった樹脂製のコップや洗面器などに着目し、金属製パーツを軽量な樹脂製に置き換えた車両を作ろうとしていました。そんななかハイゼックスの広告がホンダ技術者の目に止まり、森六グループに試作品を依頼します。
とはいえ当時は小さな日用品がハイゼックス製品のほとんどで、ホンダが求めるような大きな成形の製品の経験は皆無です。幾度も試作を繰り返し、ようやくものになったのが1958年。C100の最初期の生産には間に合いませんでしたが、1958年9月のマイナーチェンジに合わせ、樹脂部品が採用されました。

以後、森六グループはホンダの四輪にも部品を納入。1963年登場のDOHCエンジンを積んだ軽トラック、ホンダ初の四輪自動車「T360」にも内装、外装部品を納入しています。ちなみにスーパーカブの樹脂部品は、現在は森六グループ製ではないそうです。

6月1日はねじの日! 締めたら外せない!? 特殊なねじがあります

ねじの大切な役目は部品の締結ですが、それと同時に外せることも大事な役割りです。とはいえ、締めたら二度と外せないようにするねじや、取り外ししにくいように加工が施されたねじも存在しています。

いじり防止ねじや盗難防止ねじと呼ばれるジャンルの製品ですね。バイクは部品が露出しているため、こうしたねじが使われていることが多く、例えばネイキッドバイクに多く採用されているツインショック、これの取り付け部などは星型トルクスの真ん中に突起がついているねじが使われていて、専用工具でしか回せないようになっている車両も見受けられます。
そして、キーシリンダーを留める部分には一度締めてしまったら専用工具すらなく、外せないねじが使われていたりもします。

写真の「ブレークヘッドボルト」は規定トルクで駆動部がねじ切れて、工具をかける部分がねじから切り離されてしまうものです。車両製造メーカーではねじロック剤も塗布して組んでいるので、もしキーシリンダーを交換する場合(不可能ではありませんが)、交換には大変な手間と時間がかかってしまいます。
しかし、このブレークヘッドボルトにもデメリットがあり、ねじ切れた部分の廃棄の手間や、破断部分の金属素地が露出してしまい、腐食などの問題もあります。そこでそういった欠点を解決するのがイワタボルトのHTS/ITRという製品です(下写真)。

このネジは締める方向にしかトルクがかからず、外す方向は工具が空回りするだけというもの。通常の工具で組み付けが可能で、シンプルな作り、そして廃棄する金属ゴミも出さないというものです。ブレークヘッドボルトに代わり、クルマ、バイクのキーシリンダー部や、外されては困る部品の取り付けに使われています。

レポート●飯田康博 写真●飯田康博/八重洲出版

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