米で新型デロリアン実車公開
映画バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズに登場し、その存在を知られるようになったDMC-12ことデロリアン。
【画像】0-100km/hは3秒以下【米国で公開、新型デロリアン・アルファ5を詳しく見る/DMC-12とも比較】 全58枚
これまで数々の名車を世に送り出してきた、イタルデザイン社のジウジアーロ氏によってデザインされたあまりにも有名なクルマである。
ステンレスのボディにガルウィングドアを採用したボディスタイルは未来感たっぷり。
映画の大ヒットとともに、デロリアンの人気も世界規模で急拡大していった。
DMC(デロリアン・モーター・カンパニー社)を創業したのは米GM社で副社長をつとめたジョン・デロリアン氏である。
デロリアン氏が掲げる「理想のクルマ」を作るために1975年に設立された。
1981年にDMC-12デロリアンの発表、発売がおこなわれるが、その翌年1982年12月には多くのコスト超過や1億ドルの投資後に倒産している。この間の生産台数は世界でわずか9000台である。
現在、テキサス州・アントニオに本社を置くDMCは1995年に補修部品の生産をおこなう権利を買い取って、2021年12月からはKarma Automotive(米国EVベンチャー大手) の元幹部であるJoost de Vries氏がCEOを務めている。
今回のアルファ5も初代デロリアンと同様イタルデザインによるデザインであるが、ジウジアーロのかかわりはまったくないものの、2021年初頭から同社の公式SNSを通じて「2022年に新型デロリアンの登場」が示唆されてきた。
2022年6月には多数の写真が公開され、8月に正式に「DeLorean Alpha5(デロリアン・アルファファイブ)」という車名で正式発表されることが明らかにされていたのである。
ジウジアーロとは別の系譜
そして本日、アメリカ時間の8月18日午前11時ごろ、ついに新型デロリアン・アルファ5は美しい海と緑の芝生をバックに颯爽と発表会場に現れた。
毎年、この時期に開催されている歴史的かつ権威ある自動車イベント「コンクールデレガンス」の一角で21日からの正式公開に先駆けて18日にその姿が公開されたのである。
ペブルビーチの美しい海と緑の芝生を背景に入場してきたアルファ5の鮮烈な姿に発表会に参加した人びとは多くがカメラを抱えて、世界初公開のアルファ5の姿をとらえようとしていた。
ガルウィングのドアが開くと一斉に歓声があがる。
新型デロリアンの正式名称は「アルファV(ファイブ)」となる。
初代デロリアンのシンボルであるガルウィングドアを採用しているがボディはステンレス製ではない。
そしてガソリン車ではなく、純粋なEVである。また、スタイルこそ2ドアクーペであるが、乗車定員は2+2の4人乗りだ。
初代デロリアンをデザインしたジウジアーロとはまったくの無関係でその系譜も片鱗もほぼ存在しない。
また、アルファ5はCD値0.23という非常に優れた空力性能を備えており、こちらも初代デロリアンとは異なるところだ。
パフォーマンスはまさにEVスーパーカーの世界で、0-60マイルは2.99秒と3秒を切る。映画で時空を飛びこえる速度「88マイル」に達するまでもわずか4.35秒である。
DMCでは「アルファ5は運転が好きな人のためのクルマ」と評する。最高時速は155マイル(約240km/h)。バッテリーは100kWh以上、航続距離は300 マイル(約480km/h)以上と公表されている。
アルファ5の価格や生産スケジュールについての詳細は本日の発表会でも明らかにされなかったが、一般へのデリバリーが開始されるのは2024年とされている。
デロリアンDMC-12オーナーはどう見る?
さて、EVとなった新生デロリアンだが、実は初代デロリアンの時代から(とくに2013年前後)「EV化」の話は何度か持ち上がってきた。
実際に予約を開始した会社もあるが1台も納車はされていない。結果的に初代デロリアンのEVは発売されることはなかった。
しかし、EVを自作したデロリアンオーナーは日本に存在する。
映画で出会ったデロリアンの魅力に取りつかれ、急速充電CHAdeMOにも対応する本格的なデロリアンを自作した。広島県在住の藤井智康さんがその人。
以前、AUTOCAR JAPANで「日本にもいた! 10年前にデロリアンをEVにした男 世界で唯一、急速充電に対応」という記事を書いた。その時にお話をうかがった方だ。
藤井さんは「大好きなデロリアンを長く乗り続けるためにEVにコンバートした」という。
EVとなって華々しく復活した新型デロリアンをどのように見ているのだろうか?
「アルファ5の登場を前に、デロリアンのオーナー仲間とは『今後は愛車のことを、デロリアンの前に、オリジナルとか、ステンレスの方って言わないといけなくなるね』と笑いながら、期待を寄せています」
「デロリアンの特徴はガルウイングを含む直線的で秀逸なジウジアーロ・デザインとステンレスの外装だと思っています。DMC-12とアルファ5は、ガルウイング以外にデザイン的な共通点が少なく、むしろヒョンデ・アイオニック5の方が、オリジナルデロリアンの系譜に近いEVかもしれませんね」
「アイオニック5はジウジアーロがデザインしたポニーの流れをくむスタイルで、まさにジウジアーロデザインへのオマージュと言えます」
日本での正規輸入、販売はある?
前述の藤井さんはつづける。
「新型のデロリアン・アルファ5は純粋に現在のトレンドに沿ったかっこいいEVとして見ていくべきでしょう。むしろアルファ5の登場で、あらためてDMC-12の素晴らしいデザインに注目が集まるというのは、とても喜ばしいことだと思います」
「実は初代デロリアンのEVが出るのをとても楽しみにしていたのですが、途中から新デザインのアルファ5になりました」
「結果としてわたしが2007年からプロジェクトを始め、2009年に公道デビュー、以後もアップグレードを続けている、自作『EVデロリアン』の評価は、しばらく続きそうです(笑)」
なお、初代デロリアンのEVについてはDMCからも発表をにおわせるなど、何度かうわされてきたが結局実現してこなかった。
事情に詳しい人の話では初代デロリアンの特徴であるステンレスが量産車としてボディに使用することが現在の安全基準にあわせるのがとても難しいというのがその主たる理由。
今年2月に米国FMVSS(保安基準)が改正され、少量生産のレプリカ車としてなら免除プログラムの適用で可能となったが、台数などに諸々の制限がある。
ところで、この新型デロリアン・アルファ5。量産体制が整う2024年以降、日本への輸入はあるのだろうか?
現在のところ日本には並行輸入の専門店はあるが、DMCの正規代理店的な立場の会社は存在しない。
これから1~2年の間に体制が整うことを願うばかりである。
なお、デロリアンは今回発表されたアルファ5だけではなく、複数のバリアント車種がある。
スポーツクーペや水素動力を備えた SUVも含まれており、本日同じ場所で発表される予定だ(実車ではなく1/4模型)。
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