新型8シリーズの原点は,純レーシングカーM8GT!
新型8シリーズは、2018年のル・マン24時間レース、そのBMWパドックでデビューした。しかも、ル・マンのエントリーリストにはすでに8シリーズの名前があった。GTEクラスのレーシングカー、M8GTである。M8GTこそ最初の「8」だった。
BMWは新型8シリーズを、1990年代に一世を風靡した大型ラグジュアリークーペの復活としてではなく、まったく新しいスポーツGTツアラーとして認知させたかったのだ。
「最新モデル試乗」姿はBMW、走りはスーパーカー、なぜこんなに違う!? アルピナが叶える走りの芸術
8シリーズの本命はM8だ。大きく口を開けたバンパーグリルや4本出しのエグゾーストエンド、大径タイヤから見える巨大キャリパー、見るものすべてが「大モノ」づくし。スタンダードグレードとは明らかに異質の強いオーラを放つ。中でもコンペティションという名前の625psモデルは、グリルやモールがグロスブラックに塗られており、段違いの迫力だ。
走りは圧巻。世界屈指の高性能マルチプレーヤー
M社謹製のS63型4.4リッター・V8ツインターボ+ZF製8速ATによるパフォーマンスは圧倒的。さらに大型のFRクーペにしてはすさまじく切れ味のいいハンドリングがM8の魅力だ。
4WDモードをノーマルにしておけば、後輪がグリップを失いかけた途端に前輪に駆動が適切に配分される。サーキットでも安心して攻め込める。M5と同様、完全にFRにもできるが、それは相当のドライビングスキルを要求する。迫力の走りを安心して味わうなら、4WDスポーツモードが最適である。
ボディタイプはクーペ、グランクーペ、カブリオレの3種類。お勧めはカブリオレ。パフォーマンス的にはクーペとほとんど変わらない。快適性もクローズド状態なら同等だ。
15秒で開閉可能なソフトトップを開けると独自の味わいを見せる。ソリッドなボディがかすかに緩んで、ドライブデートにも使えそうな乗り心地に変化。コンフォート性能は、3ボディタイプの中で最も優秀(といってもかなり硬派な部類)。なお、トップは走行中でも50km/h以下なら操作できる。
0~100km/h加速を3.3秒でクリアする速さはスーパースポーツを名乗るに十分。しかもサーキット走行を存分にこなし、街乗りから長距離ドライブまで、快適性もハイレベル。まさにオールマイティ。カブリオレはM8のベストチョイスである。
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