今年はコンパクトカーがおもしろくなりそうだ。細部までクオリティーを追求し、独自の世界観を醸し出す楽しいクルマが続々と登場している。今回はその中から注目の2台をピックアップ。その魅力を探ってみた。
コンパクトクラスのクルマに新しいトレンドが生まれている。これまでは、使い勝手のよさや経済性、安全性重視のクルマ造りがこのクラスの主流だったが、この手法に限界を感じていたのが自動車メーカー。何か新しい方向性を見いださなければユーザーの関心を喚起することは難しい。
Apple Musicとメルセデス・ベンツがドライバーに高音質で臨場感あふれる空間オーディオを提供
そんな中、話題を集めたのが今回、紹介する2台だ。『C3 AIRCROSS SUV』は昨年秋に発売されたコンパクトSUV。シトロエンはこれまで独自の世界観でファンを獲得し続けてきたが、このクルマも見た目から明らかにほかのクルマとは異なる存在感を放っている。
もうひとつのトレンドが上質感。特に国内メーカーのコンパクトカーにはなかった、このコンセプトを体現したのが昨年夏から発売された日産『ノートオーラ』だ。『ノート』をベースにしているが、全幅は広く、安定感があり、内装もディテールまで上質感にこだわった造りが特徴だ。インテリアや装備にもクオリティーの高いものが採用されている。
コンパクトカーとは思えないほど、こだわりが満載
『C3 AIRCROSS SUV』はコンパクトハッチの『C3』をベースにしているが、ボディーのサイズもデザインも全くの別もので、シトロエンらしいSUVだといえる。グローバルにおいて累計33万台を販売しており日本でもその人気は高まっている。何と言ってもこのブランドの魅力は、ユニークさにある。
例えば、ボディーデザインを見てもアクセントの入れ方やリアクオーターウインドウの処理は、他社では見られない手法を取り入れている。シートの形状やデザイン、色使いも国産車には真似のできないセンスを感じさせる。特にシックな色や素材の使い方は絶妙。パワーユニットは3気筒1.2Lのガソリンターボを採用している。
一方の日産『ノート オーラ』はこれまで国産車がチャレンジしてきたものの、ほとんど成功例のない「小さな高級車」を目指して開発された。ボディーはフロントグリルやボディーラインをシャープにして、落ち着きのある形に仕上げている。また、インテリアもシートにヘリンボーン柄を採用するなど、全体的にシックにまとまっており、上質感がある。もちろん、パワーユニットはエンジンが電力を供給してモーターを駆動させるeパワーだ。
〝らしさ〟が満載のフレンチコンパクトSUV
シトロエン『C3 AIRCROSS SUV』
Specification
■全長×全幅×全高:4160×1765×1630mm
■ホイールベース:2605mm
■車両重量:1320kg
■排気量:1199cc
■エンジン型式:直列3気筒DOHCガソリンターボ
■最高出力:130PS/5500rpm
■最大トルク:230Nm/1750rpm
■変速機:6速AT
■燃費:16.7km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:318万円
※「SHINEパッケージ」
シトロエンのエンブレムそのものをグリルにデザイン。デイランニングライトの下にある薄いライトがヘッドライト。バンパー下に配したスキッドプレートもユニークなデザイン。
ロングルーフのワゴンに近い形状だが全長は4.2m以下。ホイールベースは2605mmと長い。これが室内スペースの広さに結びついている。リアドアの後方にある小さなウインドウも個性的。
リアもバンパーの位置を高め、スキッドプレートを大胆に露出させることでSUVの雰囲気を演出している。全高は1630mm。ボディーカラーは5色用意されているがルーフはすべて白色。
日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車
日産『ノート オーラ』
Specification
■全長×全幅×全高:4045×1735×1525mm
■ホイールベース:2580mm
■車両重量:1370kg
■排気量:1198cc
■エンジン型式:直列3気筒DOHCガソリン+交流同期モーター
■最高出力:82PS+136PS/68PS
■最大トルク:103Nm+300Nm/100Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:22.7km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:286万8800円
※「G FOUR」
ヘッドライトとグリルが一体になったフロントマスク。従来のU字グリルは採用していない。ヘッドライトは薄型のLEDを使用。左右の空気孔は実際に空気の流れを整流するもの。
全長、全高は『C3』よりも115mm/105mmほどコンパクトで扱いやすい。ホイールベースは2580mm前後のオーバーリングを短くし、扱いやすさを高めている。ボディーカラーは全部で14通り。
テールランプの位置を高くするデザインは『C3』と同じだが、こちらはバンパー下までボディーと同色にしたことで幅広感が強調され、上級感を演出している。FF、4WDが選べる。
デザイン、走り、装備、実用性、トータルバランスに優れた2台
シトロエン『C3 AIRCROSS SUV』
エンジンルーム
3気筒1.2Lのガソリンターボエンジンはフロントに横置きされ、前輪を駆動する。3気筒エンジンは不快な振動や音もなく軽快に走る。
運転席と各種装備
インパネにはシート生地と同じ霜降りグレーのファブリックを張り込み、明るくあたたかみのある空間を演出している。
シートスペース
シトロエンのシートはしっぽり体を包み込むというタイプが強かったが、このクルマは少し違ったテイストでデザインも秀逸。
ラゲージスペース
床板は2段階で調節できる。その差は140mm。後席の背もたれは6対4で荷室とほぼフラットになる。
【 ココがポイント!】グリップコントロール機能で4WD的な走りも楽しめる!
センターパネルに備わるダイヤルは「グリップコントロール」。シトロエンがラリーで培った駆動力や車両運動制御のノウハウを生かした機能だ。FFではあるが4WD的な走りを可能する。
【 ココがポイント!】実は衝撃的なニュース!?ついにカップホルダーを搭載
シトロエンファンにはうれしいカップホルダー。そしてサイドブレーキはレバーを引く手動式を採用。アナログフィーリングだが、意外と使い勝手がいい。
日産『ノート オーラ』
エンジンルーム
横置きされたエンジンはガソリン仕様の1.2L。始動時の大きさが気になる。モーターは前・後輪用が搭載されており電池で動く。
運転席と各種装備
センターコンソールに向かってウイング状に伸びたインパネ。センターコンソールは後席の手前まで伸びており、下は収納スペース。
シートスペース
シートはヘリンボーン柄のツイードと合革のコンビ。座り心地、視界とも良好。後席は高めの着座位置だが身長180cmでもOK。
ラゲージスペース
奥行きより左右幅の広さが印象的。背もたれは前倒しでほぼフラットになる。起き上がりでシートベルトがはさまるのが気になった。
【 ココがポイント!】頭を使って走行距離を伸ばす電気自動車ならではの楽しさ
電気自動車の変速は電気式なのでスイッチも電気スイッチのような感覚。走行中に充電することができるので交通状況を見ながら、モーターによる走行距離を増やすこともできる。
【 ココがポイント!】臨場感たっぷりの音楽が楽しめるBOSEの音響システム
BOSE製のスピーカーがヘッドレストに埋め込まれていることが発売前から話題になった。チューニングをすれば、顔の周りを臨場感のある音楽が流れていく感覚に包まれる。
ディテールまで手を抜かず造り込む姿勢は見事
シトロエン『C3 AIRCROSS SUV』
[運転性能]1.2Lのガソリンターボは軽快。6速ATのマニュアルモードはシフトレバーでの変速のみ。FFだがオフロードも強い。17点
[居住性]前席は視界も良く、リラックスして運転できる。後席の着座位置は高く、足元も狭くない。頭上は身長165cmまで。18点
[装備の充実度]運転支援機能と安全装備も充実。カメラと超音波センサーで車両とドライバーをコントロールする。シートは超快適。17点
[デザイン]個性を重んじるシトロエンならではのアイデアをどこまで受け入れられるかがカギ。絶妙な色使いは真似できない。19点
[爽快感]軽快感のある走りが楽しめるが、6速ATとシフトレバーだけのマニュアルシフトには正直言って物足りなさを感じる。18点
[評価点数]89点
日産『ノート オーラ』
[運転性能]ドライブモードを使い分けて走行できるのは新鮮で楽しい。ボディーのワイド化によって走行安定性も向上した。18点
[居住性]前席は着座を高めにしても圧迫感がない。後席も高めの着座位置だが身長180cmもOK。荷室も使い勝手がいい。19点
[装備の充実度]先進安全性に関してはナビリンク機能付きのプロパイロットを含む、最先端の全方位運転支援システムをフル採用。18点
[デザイン]『ノート』をベースにワイドボディー化したことで存在感が増した。ボディーカラーは国産車離れした色だがイマイチ。17点
[爽快感]4WDやモーターを使った走行は自由度が高く楽しい。唯一の弱点はエンジンの動作音の大きさ。これは改善してほしい。18点
[評価点数]90点
【OTHER CHOICE】ハッチバック、SUVともに輸入車勢に押され気味の国産車
全長が4.0mから4.2mのコンパクトカーは日本でも欧州でも人気のカテゴリー。量販車メーカーは高級車の多いメルセデスやBMWを除けばたいていのメーカーがメインモデルを投入している。輸入車なら『ミニ』の5ドアを含めて4車種、国産車も『アクア』など限られた車種がラインアップに入ってくるが、輸入車のほうが圧倒的にハッチバック、SUVともにバラエティーに富んでいる。ここに含まれるフォルクスワーゲンの『T-Cross』は『T-Rock』とともにコンパクトクラスのSUV。しかもFF車も用意されていることから人気を集めている。個性的とは言えないが実用性と独自のポジショニングは貴重な存在だ。
ハッチバックではアウディ『A2』、ルノー『ルーテシア』、プジョー『208』など人気モデルが名を連ねる。どれも完成度は高く、デザインも個性的。国産車ではマツダがデザイン重視の戦略をとっているが、高級路線という意味では各社共通の課題だと言えそうだ。
フォルクスワーゲン『T-Cross』278万円~
マツダ『MAZDA2』145万9150円~
取材・文/石川真禧照 撮影/望月浩彦
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年1月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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みんなのコメント
ノートなんぞそこらじゅうで走ってるおしゃれとは程遠い大衆車だろw
クルマ知らないバカの記事だね。