この記事をまとめると
■受注を停止している新車が中古車市場に出まわっている
どう考えても安すぎ! 「ひと桁万円」もある激安中古車のカラクリと品質の謎
■ディーラーでは転売防止の誓約書を用意して対策をしているがその書類の法的な効力はない
■各自動車メーカーは供給体制を整えてから新車を販売する必要がある
新車ディーラーも誓約書で対策するも転売が横行している
2024年5月上旬時点において、トヨタの販売店では「アルファードとヴェルファイアは納期が著しく延びているから受注を停止している」という。現行アルファードとヴェルファイアは、2023年6月に発売されたが、生産が受注に追い付かず停止している期間が長い。
それなのに中古車市場には、現行型のアルファードとヴェルファイアが流通している。契約後に長い期間待たされ、ようやく納車されたら、スグに売却するユーザーも多いのか。
この点を前出の販売店に尋ねると以下のように返答された。
「受注停止前にアルファードやヴェルファイアを購入されたお客さまは、転売をしない趣旨の誓約書に署名している。少なくとも購入から1年間は、転売されないようお願いしている。それでも諸費用を含めた購入価格以上の金額を提示されると、売却されるお客さまもおられるだろう。誓約書に法的な強制力はないからだ」
アルファードとヴェルファイアの中古車には、走行距離が50km以下の登録済み未使用中古車も含まれる。車両を移動しただけで、実質的に使われていない中古車だ。ノーマルエンジンを搭載するアルファードZの新車価格は540万円だが、登録済み未使用中古車は約2倍の1000万円前後で販売されている。
アルファードとヴェルファイアの登録済み未使用中古車は、どのように生まれるのか。関係者からは「走行距離が極端に短い車両は、おそらく最初から転売目的で購入されている。転売目的の業者やその関係者には、販売しないように注意しているが、ゼロにはできない」と返答があった。
アルファードやヴェルファイアのような転売は増えているのか、それとも減っているのか。
聞くと、「中古車価格が新車を上まわるのは、当然ながら問題だ。従って対策を講じている。転売される心配のある車種は、なるべく残価設定ローンを組んでいただけるようにお願いして、購入直後の売却を防ぐ。SUVタイプのセンチュリーを発売したときは、リース専用車にした。その効果で購入直後の転売は以前に比べて減っているが、現金購入を希望されるお客さまに、ローンやリースの利用を強要できない。結局のところ、購入直後の転売も残っている」という。
人気車の納期が長かったり受注を停止したりすると、当然ながら欲しい人の手には渡らない。予算に余裕のあるユーザーは、たとえ新車価格を上まわる出費でも、中古車で欲しいクルマを手に入れようと考える。その結果、地上げのような転売が発生する。各メーカーは新型車を発売する以上、十分な供給体制を整えるべきだ。
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みんなのコメント
そもそもプレミアムが付くほどのものではないんだから。