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トヨタ GR スープラを発売

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トヨタ GR スープラを発売

トヨタは2019年5月19日から新型GR スープラの発売を開始した。発売に先立ち、5月17日東京・台場のメガWEBでは「Supra is back to Japan Fes」が開催され、メディアやファンたちを前にして日本における正式発表が行なわれた。

BMWと協業

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周知のように、新型スープラはトヨタとBMWの業務提携の中の最初のプロジェクトとして共同開発というスタイルの中から生まれたピュア2座席スポーツカーだ。2社での共同開発という点では86/BRZと同様で、商品企画は2社が共同して行ない、デザインは各自で、設計・開発・生産はBMWが担当している。

2座席のピュアスポーツカーというボディ形式では販売台数を多くを見込めないため、共同開発というスタイルで開発コストを両社が折半するという方法が極めて現実的で、86/BRZ、マツダ・ロードスター/アバルト124スパイダーなどと同じ手法だ。ただ、トヨタとBMWという企業風土、設計基準が全く異なる2社での開発のため、企画のスタートからラインオフまで6年を要するプロジェクトとなっている。

新型スープラは、正式にはトヨタGAZOOレーシングが展開するスポーツカーシリーズ「GR」モデルとして初のグローバルモデルだ。そういう意味で、86以上に特別なスポーツモデルという位置づけになり、トヨタとしてはGRブランドをグローバル展開するための第1弾となる。

またトヨタとしては、2002年に生産を終了した先代モデルの直列6気筒エンジン/FRを受け継ぐモデルとなり、いわばヘリテージの復活となるが、先代は4座席のGTクーペであったのに対し、今回登場したモデルは2座席のピュア・スポーツカーという相違がある。

新型スープラは、ピュアスポーツカーとして、何よりも操縦性能を重視し、ホイールベース、トレッド、重心高の3要素を最適化している。BMWの思惑は別にして、トヨタは新型スープラのライバルはポルシェ・ケイマンを想定している。

その結果、ホイールベースは、86よりも100mm短い2470mmとし、その一方でトレッド幅を拡大し、量産スポーツカーとして異例のワイド・トレッド/ショート・ホイールベース比とし、回頭性、ハンドリング性能を最重視している。また重心高も低減され、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高としている。またBMWのノウハウも生かされ、エンジンはフロント・ミッドシップ・マウントとなり、前後の荷重配分は50:50を実現している。

なおトヨタはスープラをクーペボディとし、BMWはソフトトップのロードスターボディとしている。ボディ骨格はBMW 3シリーズと同時期に開発されたこともあって、CLARプラットフォームで、アルミ材と高張力鋼板を組み合わせて使用した高剛性ボディだ。なお、兄弟車となるコンバーチブルのBMW Z4と新型スープラでは、ボディ重量はクーペのスープラの方が同グレードの比較で約50kg軽い。この重量差はZ4のコンバーチブル・トップの重量だ。

搭載パワートレーン

搭載されるエンジンは、3.0Lの直6直噴ターボ、2種類の出力違いの2.0L4気筒直噴ターボの3種類をラインアップ。いずれもBMWの最新仕様だ。3.0L 直列6気筒エンジン(B58B30C型Mパフォーマンス仕様)は、340ps/500Nm(アメリカ仕様は387ps)を発生する。バルブトロニック、ダブルVANOS(吸排気可変バルブタイミング)、シリンダーヘッド一体型の水冷エキゾースト・マニホールド、350Barの高圧直噴、ツインスクロールターボという最新スペックで、ガソリン粒子フィルターも備え、最新のユーロ6d-TEMP規制をクリアしている。

2.0L・4気筒のB48B20型ツインパワーターボ・エンジンは、SZ-R用は258ps/400Nm、SZ用は197ps/320Nmと、過給圧などの設定の違いで出力差がつけられている。4気筒エンジンもエンジンのメカ的な構成は直6エンジンと共通だ。6気筒、4気筒はモジュラーエンジンのためボア・ストロークは共通で、82.0mm×94.6mmと超ロングストロークになっているのが特長だ。トランスミッションは、全グレードでZF製8速ATを搭載している。

サスペンションは、フロントがBMWならではのダブルジョイント式ストラットでアルミ製、リヤはマルチリンク式だ。バネ下重量の低減、高い組み付け剛性により、スポーツカーならではの操縦性能を生み出している。またRZ、SZ-Rグレードはアダプティブバリアブルサスペンションシステムを設定。選択中の走行モードや路面状況に応じて4輪のダンパーの減衰力を連続可変制御する。

またVSC(車両安定性制御システム)と連携した電子制御多板式LSD(BMWの呼称はMスポーツ・デファレンシャル)を装備し、後輪左右間のロック率を0~100の範囲で連続的に最適制御し、ニュートラルなステアリング特性を実現している。

コネクテッド

運転支援システムは、ミリ波レーダー+単眼カメラ方式で、プリクラッシュセーフティブレーキ、ブラインドスポットモニター、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンディパーチャーアラートを装備。

さらにコネクティビティでは、車載通信機DCMを標準搭載し、スープラ専用のコネクティッドサービス「Toyota Supra Connect」のサービスを受けることができる。

スポーツカーらしく、ディーラーオプションとして走行中のデータロガー「トヨタGAZOOレーシング・レコーダー」も用意されている。これはアクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトポジションなどのドライバーの操作情報、車速、エンジン回転数、加速度などの各種センサー値、車両の位置と方位情報をSDカードへ記録するデータロガーである。

受注から納車まで8ヶ月

なお新型スープラは、BMW Z4とともにオーストリアのマグナ・シュタイヤー社・グラーツ工場で少量生産される。そのため通常のクルマとは異なり、受注から製造までに4ヶ月、船舶輸送で3ヶ月、トヨタ元町工場で完成者検査を行なった後に販売店に輸送されるためこの間で1ヶ月かかり、発注から購入者の手に渡るまでに合計8ヶ月を要する。こういう点でも特別なクルマだ。

価格帯は、3グレードでSZの490万円からRZの690万円で、グレードごとに100万円の価格差となるシンプルな構成だ。また興味深いことにBMW Z4は4グレード展開で566万円から835万円で、2.0L・4気筒エンジンのエントリーモデルの比較ではスープラSZが76万円安く、3.0L・直6エンジン同士の比較ではスープラは145万円も安い設定で、装備の違いはあるがトヨタの方が低価格としている。

また、新発売にあたり、「RZ」(6気筒モデル)で有料ボディカラー「マットストームグレーメタリック」の19年内生産のうち、24台の商談申し込みを、5月17日13:00~6月14日までの約1ヶ月間、WEB限定で受け付ける。商談順は抽選の上、新型スープラが参戦する第47回ニュルブルクリンク24時間耐久レース決勝当日(6月22日~23日)に発表する。

オートプルーブでは、新型スープラの情報を以下のように順次レポートしてきた。

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