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磨いたのはあくまで「走り」!! ホンダらしさ全開!! シビックe:HEVの現在地と今後

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磨いたのはあくまで「走り」!! ホンダらしさ全開!! シビックe:HEVの現在地と今後

 新型シビック発売から約1年、新たにハイブリッドモデルの「e:HEV」がラインナップに追加されました。

 ハイブリッドというと「燃費が良い」「静か」というイメージはありますが、「運転して楽しい」というイメージを持っている人は少ないのではないでしょうか?

磨いたのはあくまで「走り」!! ホンダらしさ全開!! シビックe:HEVの現在地と今後

 新型シビックe:HEVは、そんなハイブリッドの常識を覆すようなモデルになっているそう。早速どんなクルマなのか試乗してきました!

文/伊藤梓、写真/塩川雅人、HONDA

■新型シビックにe:HEVが追加!

2021年9月の登場から約1年。2022年6月、ホンダ シビックにe:HEVモデルが追加された

 これまでのシビックには、1.5L直4ターボエンジン(182ps/240Nm)を搭載したモデルがあり、ベースグレードのLXと装備の充実したEXが設定されていました。特徴的なのは、CVTだけではなく、6MTもラインナップされていること。

 今の時代になっても、1.5Lターボエンジンをマニュアルで使い切って走れるモデルがあるというのは、クルマ好きとしては嬉しいですよね。

 そして、今回追加されたのが、ホンダの新しいハイブリッドを搭載する「e:HEV」。新開発の2L直4NAエンジンと、1.5Lモデルとは異なる2モーター内蔵電気式CVTを採用しています。

 また、電力を適切にコントロールするためのパワーコントロールユニット、バッテリーと制御装置が一体になったインテリジェントパワーユニットも新開発されており、出力アップやバッテリー容量の拡大、軽量化が図られました。

 また、衝突安全の観点から、ハイブリッド用の構造物を保護するためにボディ剛性も上がっているとのこと。これまで他モデルに採用されたe:HEVをそのまま流用しているのではなく、シビックe:HEVは各所が大幅に進化しています。

 外観は、e:HEVのバッチが付いている以外、特に変化はありませんが、走り出してみると「ガソリンモデルとこんなに違うの!?」と、驚きの連続!

 まずは、走り出しからガソリンモデルより乗り心地が良くなっていることに気づきました。路面の凹凸を乗り越えてもキャビンが大きく揺すられず、しなやかに駆け抜けていきます。

 そして、とにかくパワーユニットがパワフル! 1.5Lのエンジンもある程度回すと元気よく走ってくれるのですが、約2500回転までは「パワーが足りないかな?」というシーンもしばしば。

 特に今回は登り坂のワインディングロードが多かったので、積極的に回転数を保とうとしないと失速してしまい、走らせるのに少しコツがいるなと感じました。それがe:HEVでは、低速からしっかりトルクがあり、それが高速まで伸びやかにつながるので、パワーについてはほとんどストレスがありません。

 e:HEVには、モーターのみで走るEVモード、エンジンで発電してモーターで走るハイブリッドモード、エンジンと車輪を直結して走るエンジンモードの3種類があります。

 これまでのe:HEVも、アクセルペダルの踏み込みに合わせて、エンジン音が高まる設定はありましたが、それはあくまでエンジンのみのモデルから乗り換えた人でも違和感なく乗れるようにという配慮だったはず。

 ところが、シビックe:HEVは、加速するとより積極的にエンジン音を聴かせるようになっています。2モーター内蔵電気式CVTも優秀で、まるでATのように小気味よくシフトアップ/ダウンをシームレスに行っているような感覚で、その度にエンジン音もステップアップするように変化します。

 さらに、メーター内にはタコメーターを想起させるパワーメーターが付いていて、ドライビングに合わせてリニアに針が振れるので、この演出も運転をワクワクさせてくれる大きな要因になっていました。

■乗り味向上のシビックe:HEV スポーツモードでさらに変身

重心が低くなったことで安定性や剛性が向上し、走りの良さにもつながっているようだ

 シビックは、ガソリンモデルでもハンドリングは良いのですが、e:HEVではその精度がさらに高まった印象でした。ガソリンモデルがキビキビとした軽快な身のこなしなのに対し、e:HEVではその正確性がさらに増して、より滑らかに丁寧にドライバーのハンドル操作に呼応してくれます。

 ハイブリッドシステムによって重心が約10mm低下し、ねじり剛性も向上しており、スプリングとダンパーが新たに設定されたことも、少し大人びてしっとりした感覚になったことにつながっているようです。

 これまでノーマルにしていた走行モードをスポーツに切り替えてみると、シビックe:HEVの印象はまたガラリと変わりました。

 ノーマルでも十分パワーはありますが、スポーツではアクセルペダルの踏み込みに合わせて、さらにパワーが増大し、CVTとモーターの組み合わせとは思えないような爽快なシフトアップ/ダウン感を味わうことができます。

 また、0.3G以上の横Gを検知すると、ワインディング用の制御モードになり、エンジンがかかった状態を保ちながら断続したパワー感を感じられるようになっているそうです。

 さらにスポーツモードでは、エンジンの回転数に合わせてスピーカーから音を付加するアクティブサウンドコントロールがオンになるため、スポーティなエンジン音に拍車がかかって、ドライバーの気持ちの盛り上がりも倍増!

 モーターとエンジンの切り替えもあまりにシームレスなので、その変化に囚われることなく、ドライビングに熱中することができました。

■「シビックe:HEVは完全に走りに振ったモデル」と開発者

走行モードをスポーツに切り替えると爽快なシフトアップ/ダウン感を味わうことができる。シビックe:HEVは新しいハイブリッドの価値を産むモデルだ

 正直、シビックe:HEVは、従来のハイブリッドというより、他メーカーで言えば、GRやAMGなどのスポーツモデルの位置づけと似ていると思うほど、運転が楽しいモデルでした。

 それを率直に開発者の方に伝えると、「そうです、シビックe:HEVは完全に走りに振ったモデルなので」とキッパリ。

 そして、アトキンソンサイクルと直噴を採用し、より高効率になった新開発の2Lエンジンと最新のハイブリッドシステムによって、パワフルな走りだけではなく、燃費は24.2km/Lを達成(WLTCモード)。「単なるハイブリッドの追加じゃなく、思った以上にすごいモデルだった……」と感嘆してしまいました。

 しかし、気になるのは、その価格。ガソリンモデルの車両本体価格は、約319~359万円からなのに対し、e:HEVは394万円から。値段はさすがにお手頃とはいきません……。ただ、ガソリンモデルからの進化や新技術を考えれば、この値段になってしまうのも頷けます。

 最近では環境規制が厳しくなり、自動車は電動化が避けられなくなっています。そうなると、私のようなクルマ好きが「めいっぱい楽しめるスポーティなモデルは少なくなっていくのかな」と不安になることも増えてきました。

*   *   *

 今回シビックe:HEVに乗ってみて、クルマの新たな可能性を見た気がします。

 シビックe:HEVは、「シビックにはスポーティなモデルであって欲しい」「燃費が良いハイブリッドでグランドツーリング向けのモデルが欲しい」という相反する要望をまるっと叶えてくれる、新しいハイブリッドの価値を産むモデルだと感じました。

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みんなのコメント

12件
  • どんどん肥大化して、シビックという感じが無くなった。
    小さい高級車が欲しい。
  • 負荷の限りなく低い公道走行なんかどうでも良いです
    道交法を守って安全運転でお願いします
    車の本当の走りの醍醐味はサーキット走行だと思います
    走りがどうこうはサーキットで試しましょう
    楽しいですよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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