災害時にクルマの車内は緊急避難シェルターになる
ここのところ、空前のアウトドア、車中泊ブームが続いている。コロナ禍の際も、プライバシーが保てるクルマでの移動、レジャー、さらにはワーケーション、サテライトオフィスとしても、室内空間やラゲッジスペースに余裕があり、車内をお座敷化、ベッド化できるクルマが注目されているのだ。
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しかも、そうした車中泊にも向くクルマは、普段使い、レジャー、そして2024年1月1日に能登半島地震が発生したばかりの災害、地震大国、いつどこで大地震が起こるか分からない日本に於いての災害時の緊急避難場所、シェルターになりうる3Wayで使えることも知っておきたい。家が倒壊しても、運よくクルマが無事であれば、プライバシーが守れる、冬は暖を取れ、夏はエアコンの効いた涼しい空間で過ごすことができる。ラジオやナビゲーションに付随するTVから情報収集することもできるし、シガーソケットやUSBソケットがあれば、これまた情報収集や連絡などに不可欠なスマートフォンの充電もでき、車種によってはシートアレンジによって車内で真っすぐに寝ることも可能なのである。
これは、何らかの事情(ペットと”同伴”避難したい人、徒歩での移動が困難な人など)で、開設された避難所に行けない人、家族そろって使える手段と言っていい。実は3.11東日本大震災で被災した経験のあるわが家も、愛犬2頭と暮らしているため、災害時の避難プランのひとつとして、車内避難を念頭に準備している。
電動車に用意されるAC100V/1500Wコンセントは強い味方に
さらにハイブリッドやPHEV車に用意されたAC100V/1500Wコンセントがあれば、車内外で家電品を使うことができ、湯沸かしポット、簡易電子レンジ、照明などの使用、ノートPCの充電もOKだ。つまり、クルマは災害時の生死を分ける、ひとつのプライベートな避難場所になるということだ。
車内のフルフラットアレンジの可否が車内避難の決め手に
ただし、アウトドアやレジャーユースとは違い、どんなクルマでも理想的な車内避難場所になるわけではない。2016年4月14に発生した熊本地震、2019年8月18日に発生した新潟県中越地震での報告にもあるように、車内避難を余儀なくされた人の中で、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症/肺塞栓症)を発症し、中には死に至ったケースもある。これは、狭い車内のシートに座ったままの姿勢(足を動かさない姿勢)でいることで発症するリスクが高まると言われている。
よって、キャンピングカーはここでは除くとして、前後席、または後席と荷室、ミニバンの2/3列目席のシートアレンジで、フラットな床面、ベッドスペースがアレンジできるクルマが、そうしたケースでは(もちろん、アウトドアや車中泊でも)必須となる。フラットアレンジ時の全長(ベッド長)が、真っすぐ横になれる寸法が確保されていることも重要だ(これは使う人の身長による)。
そう書くと、大きなミニバンのようなクルマばかりを想像しがちだが、さにあらず。100万円台から手に入る軽自動車、5ナンバーサイズのハイトワゴン、コンパクトミニバン、ミドルサイズのミニバン、大小のステーションワゴンなどでも車内のお座敷化、ベッド化が可能になる(具体的な車種は改めて紹介したい)。
軽商用車でもフラットアレンジが可能
軽ハイトワゴンでもフラットアレンジが可能
車内でのスマートフォンの充電は不可欠
そして車種を問わず、クルマの購入時にぜひ災害対策のためにも付けておきたい(別途、買っておきたい)装備がある。まずは災害時の命綱にもなりうるスマートフォンを充電するためのシガーソケットに対応するUSBソケット(短時間で充電できるPD規格が望ましい)、あるいは直接スマートフォンを充電できるUSBソケットだ(標準装備のクルマも増えてきたが、一部、オプションのケースも)。家や避難所が停電していても、クルマにガソリンが(電気自動車の場合はバッテリー残量)ある限り、スマートフォンを充電することができる。
ハイブリッドやPHEV車であれば、AC100V/1500Wコンセントが標準装備されている車種、グレードもあるが、オプションの場合はアウトドアやレジャーとしての車中泊でも有用なAC100V/1500Wコンセントを”保険”の意味を含め、ぜひとも注文装備しておきたい。クルマが電源車となり、車内外で家電品が使えるメリットは、停電した災害時には絶大なる安心、快適につながるからだ。
車内で快適に寝られるマットやプライバシーを守るカーテンも必須
車内避難、車中泊を念頭に置けば、シートのフラットアレンジ時に、より快適に寝られるようになる車種専用マット、あるいは汎用マット、車内のプライバシーを守れる車種専用のプライバシーシェード、汎用カーテンなどもあるといい(サイドやリヤウインドー用だけではなく、フロントウインドーを含めた全周を覆うものでないと意味なし)。災害が起こってから揃える、では、絶対に遅いのである(店頭で買うことも、通販で買うことも難しいだろう)。
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万一に備えガソリン満タン&満充電を心がけたい
本稿の最後に災害時に車内に避難する場合の注意点をふたつ挙げたい。まずは日ごろから、ガソリンは満タン、電気自動車の場合は満充電にしておくこと。わが家が3.11東日本大震災で被災したときも、近隣のガソリンもまた被災し、給油できるまで数週間を要したし、足を伸ばして営業しているガソリンスタンドを見つけても長蛇の列だったからである(1台5/10Lしか入れられない制限もあった)。電気自動車で自宅に充電設備があったとしても、停電していれば自宅充電はできない。
もうひとつは、車内をシートアレンジする際、緊急時の移動のために運転席はすぐに運転、走り出せるようにしておくことだ。自宅の駐車場で、クルマが無事でいても、度重なる本震、余震で家の壁が崩れそうだ・・・というときに、すぐにでも移動できる体制が取れることも重要なのである。
次回以降は、具体的な災害時の車内避難、車中泊に向くクルマの紹介、日ごろから車内に積んでおきたい季節に合わせた災害時用アイテムの数々などについても詳しく紹介させていただきたい。
文・写真/青山尚暉・雪岡直樹
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