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ホンダ新型「エリシオン」約507万円から発売!六角グリル採用&内外装刷新! 廉価版復活し中国高級ミニバン市場で猛攻なるか

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ホンダ新型「エリシオン」約507万円から発売!六角グリル採用&内外装刷新! 廉価版復活し中国高級ミニバン市場で猛攻なるか

■中国で登場の新型エリシオン、ナニが変わった?

 2021年12月30日、中国の東風汽車とホンダの合弁会社「東風ホンダ」はマイナーチェンジを施した新型「エリシオン(中国名:艾力紳)」の販売を開始しました。
 
 新しくなったエリシオンはデザインの全面的な刷新のみならず、装備面のアップデートや、新たなエントリーグレードの追加が特徴です。

【画像】新型「エリシオン」発売! 六角形グリルがカッコイイ!(29枚)

 日本におけるエリシオン(RR1)は当時ステーションワゴン寄りのスタイリングとなっていた3代目(RB1)や4代目(RB3)オデッセイよりも一回り大きいミニバンとして登場し、北米向け2代目(RL1)オデッセイを日本へ逆輸入した「ラグレイト」の実質的な後継ポジションに位置するモデルとして2004年に登場しました。

 その後、オデッセイは2013年11月に発売された5代目(RC1)によってより大型なモデルとして復活し、エリシオンはそれに統合される形で生産・販売を終了しました。

 おそらく、エリシオンの名前を聞くとこのモデルを思い浮かべる人がほとんどでしょう。

 一方で、エリシオンの名前は現在も中国でも生き続けています。

 中国では5代目オデッセイが2014年8月に広州汽車とホンダの合弁会社「広汽ホンダ」から販売が開始されます。

 そして、広汽ホンダのオデッセイに対する「別の合弁会社からの姉妹車」として、東風ホンダの2代目(RC1)エリシオンが2015年11月の広州モーターショーにて発表、2016年1月に販売を開始しました。

 中国のエリシオンは完全なるオデッセイの姉妹車として販売されており、両モデルの間に大きな差異は無く、エクステリア&インテリアのデザインが少し違っている程度で、エリシオンがより高級車カラーを強調したものとなり、オデッセイがファミリーユースを意識した仕様となっています。

 搭載するパワートレインも初代エリシオンはK24A型2.4リッター直列4気筒i-VTECエンジン、J30A型3リッターV型6気筒i-VTECエンジン、そしてJ35A型3.5リッターV型6気筒VTECエンジンの3種類を用意していました。

 しかし、中国向けの2代目となるエリシオンはオデッセイと共通のK24V6型2.4リッター直列4気筒i-VTECエンジン、2019年モデルからはLFB型2リッター直列4気筒i-VTECエンジンとi-MMDシステムを組み合わせたハイブリッドのみの設定となりました。

 マイナーチェンジ前のエリシオンはハイブリッドモデルの投入を伴う改良はありましたが、エクステリアデザインの変更は6年間で一度もおこなわれずに販売されて、今回が初めての外観アップデートがおこなわれた形となります。

 新しくなったエリシオンは近年ホンダが採用している「六角形グリル」をフロントバンパー最下部まで伸ばしたデザインが特徴的です。

 まだ、ヘッドライト部もマイナーチェンジ前よりも細くなったことで、厚ぼったい雰囲気を刷新、よりシャープで高級感のある印象を与えることに成功しました。

 内装は新たにワインレッドとブラックを組み合わせた内装色を加えることで、より若々しいながらも落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

 電動シートの調整スイッチやドアパネルのスイッチなどの日常的に触れるボタン類も刷新されました。

 また、装備面での大きな進化がインフォテインメントシステム「Honda CONNECT 3.0」の搭載です。

 この分野で日本車は世界的に遅れているといわれていますが、マイナーチェンジ後のエリシオンでは操作するユーザインターフェースが新しくなっただけでなく、応答速度も向上しています。

 最新のコネクテッド機能や無線充電機能、そして最上位グレードでは2列目シート向けにUSB Type-Cの充電端子の搭載も追加されました。

■エリシオンにエントリーグレードが復活!?

 今回のマイナーチェンジでは外装のデザインや装備が大きく変わりましたが、価格とグレードにも要注目です。

 新たにマイナーチェンジ前より日本円で約20万円安いエントリーグレードが追加されました。

 マイナーチェンジ前の価格は29万4800元(邦貨換算:約527万8000円)から32万8800元(約588万7000円)でしたが、今回新たにエントリーグレード「経典版」(クラシックエディション)が追加されたことで、販売価格は27万9800元(約507万4000円)から33万1800元(約602万円)となりました。

 2019年にハイブリッドモデルに一本化された際に5つあったグレードはオデッセイのそれと合わせる形で3グレードに集約されましたが、その際に消えたグレードが今回復活した「経典版」です。

 グレード別の比較表を見てみると、「経典版」ではかなりの装備が削られていることがわかります。

 まず、車速やステアリングの操作に合わせてライトを点灯させる「アクティブ・コーナリング・ライト(ACL)」や、昼間の明るい時間帯でもLEDの前照灯を点灯させる「デイタイム・ランニング・ライト(DRL)」、流れるウィンカーとしても知られている「シーケンシャルウィンカー」、手が塞がっていても脚をかざすことによって自動でリアハッチを開けられる「ハンズフリートランクオープナー」などの装備は、エントリーグレードを除く上位3グレードに設定されています。

 内装面でも「経典版」は本革ステアリング、スマートフォンの無線充電機能などが削られ、運転席の電動パワーシートも8方向のコントロールが6方向のみ可能となっているほか、エンジンのリモートスタート機能も設定されておりません。

 安全運転支援システム「Honda SENSING」は、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」、「車線逸脱警報(LDW)」、「車線維持支援システム(LKAS)」、「前方車接近警報(FCW)」、「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」、「路外逸脱抑制機能(RDM)」、「標識認識機能(TSR)」の7つで構成されています。

 しかし、「経典版」ではどれも搭載されていないのも特徴で、マイナーチェンジモデルの最大の特徴であるインフォテインメントシステム「Honda CONNECT 3.0」も採用されていません。

 マイナーチェンジで上位グレードに設定された装備を搭載しないことからも、文字通り「クラシックエディション」であることがわかると思います。

 ちなみに、姉妹車オデッセイの同価格帯グレードである「智享版」と比較すると4000元(約7万4000円)ほど高くなっており、パノラマルーフや電動両側スライドドア、フロント/リア用カーテンエアバッグ、そしてリア用プライバシーガラスなどの装備が「経典版」には設定されています。

 姉妹車のどちらを買うかは、価格と装備を見て判断することになるでしょう。

 中国でのミニバン市場はトヨタ「アルファード」が登場して以来、加熱の一途を辿っています。

 アルファードやトヨタ「ヴェルファイア」、レクサス「LM」、ビュイック「GL8 アヴェニール」などの高級ミニバンに加えて、ファミリー向けミニバンも続々と新しいモデルが投入されています。

 ヒュンダイからは新モデルの「クスト」、フォルクスワーゲンからは「ヴィロラン」、そして2021年11月にはトヨタから中国向けに初めて「シエナ」が投入されました。

 ホンダはエリシオンのマイナーチェンジで新たにエントリーグレードを投入し、今までよりも安いラインナップを実現することで競合するミニバンに対する優位性を確保することが狙いだと思われます。

 日本では2021年に生産を終了し、後は在庫での販売のみとなったオデッセイですが、中国ではこれからもますます人気が増していくことでしょう。

文:くるまのニュース 中国車研究家 加藤ヒロト
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