現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 往年の強みが見事に復活 プジョー308 ハイブリッド225へ試乗 走りを楽しくするPHEV

ここから本文です

往年の強みが見事に復活 プジョー308 ハイブリッド225へ試乗 走りを楽しくするPHEV

掲載
往年の強みが見事に復活 プジョー308 ハイブリッド225へ試乗 走りを楽しくするPHEV

ハッチバックを一層楽しくするPHEV

最近はプジョーが活気付いている。普段はクルマに殆ど興味を示さない筆者の妻でさえ、今回の試乗で乗って帰った308に対して質問をしてきた。

【画像】プジョーらしい硬軟バランス 新型308 ハイブリッド 欧州で競合するハッチバックと比較 全126枚

欧州市場での好調な売れ行きも、ブランドの勢いを示している。トップを独走するのはフォルクスワーゲンだが、プジョーは2番手争いに加わっている。その立役者の1台が、新しい308だろう。

なかでも、ハイブリッド225というプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版は、308のなかで1番パワフル。往年のGTiを彷彿とさせるとまではいわないが、オシャレなハッチバックを一層楽しいものにしている。

システムとしては、1.6Lの自然吸気ガソリンエンジンに、110psの駆動用モーターが組み合わされたもの。総合で224psを発揮し、0-100km/h加速は6.5秒でこなす。トランスミッションは8速オートマティックで、前輪を駆動する。

最大のライバルになるのが、フォルクスワーゲン・ゴルフのGTE。向こうの最高出力は246psもあり、大差ではないものの勝っている。CO2の排出量は308が26g/km。ゴルフ GTEは27g/kmで、僅かながらプジョーが良好だ。

駆動用バッテリーだけで走行可能な距離は、最長で59kmがうたわれている。試乗した日は初夏の陽気に包まれ、56kmを実際に走ることができた。アクセルペダルの操作へ、さほど気を使うことなく。

かつてのプジョーの強みが見事に復活

英国価格は3万8835ポンド(約648万円)からとなり、ゴルフGTEの3万8725ポンド(約646万円)と比べると若干だが高い。しかし、プジョーの場合はアルカンターラの内装とレザー調のシートが標準装備となるため、装備を比べれば逆転する。

インテリアデザインはシンプルでスマートだが、親しみやすいとは感じなかった。プジョーがiコクピットと呼ぶ、小さいステアリングホイールが低い位置に来るレイアウトに、筆者はまだ慣れることができないためだ。

ステアリングホイールのリムに、メーターパネルのモニターが掛かってしまう。運転中、首を傾ける必要がある。

ダッシュボードの中央には、大きなタッチモニターが据えられているが、その下には実際に押せるハードスイッチも残された。メニューボタンも大きく、車載機器の操作性は良好といえるだろう。

郊外へ足を伸ばすと、複雑なPHEVを積んだハイブリッド225ながら、内燃エンジンのみの308と大差なく軽快に走る。かつてのプジョーの強みを、見事に復活させたようだ。

以前に試乗した、1.2Lガソリンターボ・エンジンの308では、操縦性や安定性で高い評価を獲得している。ハイブリッド225でもそれは変わらず、優れたグリップ力と落ち着き、巧みな足さばきで、シャープなルックスに負けないくらい運転が楽しい。

しかも、乗り心地が犠牲になっていないことも美点。硬軟のバランスが光る。

ドイツの競合に対し充分な競争力

パワートレインは、駆動用モーターだけでも充分パワフル。内燃エンジンの力を借りずに、高速道路の速度域まで加速できる。さらに、エンジンの回転数が上昇しトルクが太くなるまで、モーターがしっかり穴埋めしてくれる。

ドライブモードをスポーツにすると、メーターパネルのグラフィックがグリーンになり、ステアリングホイールの重みづけが増す。だが、シフトフィールは、その変化にあまり応えてくれないようではある。素早くキックダウンしてくれない。

鋭い加速をドライバーが求めていることを、308自体は理解しているはず。だが、36.7kg-mという最大トルクを得るには、少しのタメが必要だ。

アクセルペダルを優しく扱い、システムと穏やかに歩調を合わせれば、308の印象はぐっと良くなる。少ない労力で、驚くほどの速さで目的地を目指せる。ドライビングスタイル次第では、秘めた速さを活かせる。

惜しいのがブレーキ。回生ブレーキが働くものの、その介入が一貫的ではないため、スムーズに停止させることが少々難しい。カックンブレーキになりがちだった。

新しい308のPHEV版は、このクラスのハッチバックとして高価な側にあるといわざるを得ない。それでも、プジョーが目指す方向性はよく体現されている。ドイツの競合に対し、充分な競争力は備えている。

フランス流のオシャレな見た目に引けを取らない、優れた技術が搭載されている。選択肢の1つとして、見過ごせない仕上がりにある。妻まで関心を抱くほど、その存在感は大きいようだ。

プジョー308 1.6ハイブリッド225 GTプレミアム(英国仕様)のスペック

英国価格:3万8835ポンド(約648万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:75.7-94.2km/L
CO2排出量:26g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.4kWh
最高出力:224ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:36.7kg-m
ギアボックス:8速オートマティック

こんな記事も読まれています

34GT-Rが7700万円!? 日本のネオクラシックが海外へと流出する恐怖の「25年ルール」とは
34GT-Rが7700万円!? 日本のネオクラシックが海外へと流出する恐怖の「25年ルール」とは
ベストカーWeb
マセラティのBEVシリーズ第3弾はカテゴリー最速のオープンモデル! 「稲妻」の名が与えられたグランカブリオ・フォルゴレ誕生
マセラティのBEVシリーズ第3弾はカテゴリー最速のオープンモデル! 「稲妻」の名が与えられたグランカブリオ・フォルゴレ誕生
THE EV TIMES
[弁護士に聞いてみた] 他人のナンバープレートをSNSにアップしたら、法律上問題があるのか?
[弁護士に聞いてみた] 他人のナンバープレートをSNSにアップしたら、法律上問題があるのか?
WEBヤングマシン
考えナシのオーバーテイクが横行している! バニャイヤ、MotoGPスプリントレースで多発する接触に喝
考えナシのオーバーテイクが横行している! バニャイヤ、MotoGPスプリントレースで多発する接触に喝
motorsport.com 日本版
【富士最高速チェック:GT500】ニッサンZが上位に。ホンダ・シビックは結果が分かれる/スーパーGT分析
【富士最高速チェック:GT500】ニッサンZが上位に。ホンダ・シビックは結果が分かれる/スーパーGT分析
AUTOSPORT web
早くも4車線化!? 浦和市街地―新大宮BP直結 埼京線つらぬく新道路 本領発揮へ!
早くも4車線化!? 浦和市街地―新大宮BP直結 埼京線つらぬく新道路 本領発揮へ!
乗りものニュース
ホンダ「軽バン “車中泊”仕様」実車公開! めちゃゴツすぎ「精悍SUV」のアウトドア仕様も登場へ! ホンダの最新4モデルが名古屋でお披露目
ホンダ「軽バン “車中泊”仕様」実車公開! めちゃゴツすぎ「精悍SUV」のアウトドア仕様も登場へ! ホンダの最新4モデルが名古屋でお披露目
くるまのニュース
【フォーミュラEシーズン10 第8戦 モナコ】ジャガーのワンツーフィニッシュで日産ローランドは6位
【フォーミュラEシーズン10 第8戦 モナコ】ジャガーのワンツーフィニッシュで日産ローランドは6位
Auto Prove
約7億7000万円で落札されたブガッティ「シロン スーパースポーツ300+」の決め手は「走行距離408キロ」でした
約7億7000万円で落札されたブガッティ「シロン スーパースポーツ300+」の決め手は「走行距離408キロ」でした
Auto Messe Web
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1中国GP】際立っていたフェルスタッペンとノリス。ハミルトンが本領発揮
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1中国GP】際立っていたフェルスタッペンとノリス。ハミルトンが本領発揮
AUTOSPORT web
【中古車チェック】長距離走行の才能とスポーティなルックスを両立させたいなら「アウディ A5 スポーツスポーツバック(F5)」がおすすめ?
【中古車チェック】長距離走行の才能とスポーティなルックスを両立させたいなら「アウディ A5 スポーツスポーツバック(F5)」がおすすめ?
AutoBild Japan
【ドラレコ、延長保証に特別装備も】 アルファ「ジュリア」/「ステルヴィオ」 82台の限定車
【ドラレコ、延長保証に特別装備も】 アルファ「ジュリア」/「ステルヴィオ」 82台の限定車
AUTOCAR JAPAN
スマートがワイルド&タフに進化、『コンセプト#5』市販モデルは年内発売…北京モーターショー2024
スマートがワイルド&タフに進化、『コンセプト#5』市販モデルは年内発売…北京モーターショー2024
レスポンス
スピンしまくる2代目トヨタ[MR2]は危ないクルマだった!? 2026年に復活するって本当なの!?
スピンしまくる2代目トヨタ[MR2]は危ないクルマだった!? 2026年に復活するって本当なの!?
ベストカーWeb
トーヨータイヤが小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」と、小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」の2モデルを発表
トーヨータイヤが小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」と、小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」の2モデルを発表
くるまのニュース
より安心で快適な軽バンへ!ホンダが「N-VAN」の新型モデルと特別仕様車を発売
より安心で快適な軽バンへ!ホンダが「N-VAN」の新型モデルと特別仕様車を発売
バイクのニュース
シックなブルーの350台限定車 フィアット500/500Cグランデ・ブル 同時に新グレード追加も
シックなブルーの350台限定車 フィアット500/500Cグランデ・ブル 同時に新グレード追加も
AUTOCAR JAPAN
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

484.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0798.0万円

中古車を検索
ゴルフ GTEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

484.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0798.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村