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なぜ新車が買えない? 相次ぐバイクの生産終了や受注停止の理由とは

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なぜ新車が買えない? 相次ぐバイクの生産終了や受注停止の理由とは

2022年11月以降は新排出ガス規制適合が必要

11月バイク排ガス規制に向けモデルチェンジ続々! 滑り込みセーフな’23年モデルカタログ

ニューモデルラッシュのシーズンがやってきた! ……のはいいが、同時に「新車が買えないのにニューモデルを発表されても」という声も耳にするようになった。なぜ新車が買えないのか、受注一時停止や生産終了はなぜ起こっているのか、今ある情報を整理してみた。

●文:ヤングマシン編集部(ヨ)

買えない主な理由は生産遅延/入荷遅延のため

新車が買えない、または納車まで半年待ち……といった声が聞こえてくるが、これには複合的な理由がある。順序立てて状況を整理していこう。

現在多くのメーカーで起こっている生産遅延とは、新型コロナウイルス感染症に起因した半導体不足による電子部品の入荷遅れや、海外工場のロックダウンによる一時操業停止、海上輸送の混乱などが、完成車の生産および輸送の障害となることで、ディーラーひいてはユーザーの手元に届くのが遅れている現象だ。

生産&輸送が遅れ、年間販売計画を満たすのがやっと、また機種によっては増産しても追いつかないといったケースが見られる。いずれもコロナ禍によるバイク需要の高まりに対し、生産数が間に合っていない状況だ。

ある国内バイクメーカーの広報担当者は、「生産遅延が発生しているのは、コロナ禍によってさまざまな国の工場が断続的にロックダウンしているのが大きな理由です。外装、フレーム、エンジンなど、グローバルなサプライチェーン構造では部品によって生産国が異なるため、最終的な組み立てを行う工場に小さなパーツがひとつ届かないだけで、完成車を組み上げることはできなくなります。さらに、海外工場から完成車を出荷した後も、物流の混乱によって国内入荷の見通しを立てるのが難しくなっています」と語ってくれた。

次年度モデルを約束する受注一時停止、その機種の終わりを告げる生産終了

まずは相次ぐ生産終了について。これは理由が明確で、2022年11月以降に生産する車両は令和2年排出ガス規制に適合していなければならないためだ。継続生産車は2022年10月まで猶予があるものの、これをもってモデルチェンジを強いられ、新たな型式を得なければならない(大型車であれば旧型式2BL→新型式8BL)。メーカーは現行機種に対し、コストをかけて新排出ガス規制に適合させるか、それとも生産終了するかの選択を迫られる。ちなみに、この1~2年前に生産終了になった機種についてはABSの義務化(2021年10月以降)や、ヘッドライトの保安基準変更(2020年7月以降)が主な理由だった。

もう一方の受注一時停止とは、“すでに受注が計画上限いっぱいまで達してしまったので、やむなく現行モデルの受注を終了する”というもの。コロナ禍がなければ増産で対応しきれた可能性もあったかもしれないが、旧排出ガス規制適合モデルであれば2022年10月まで継続生産したとしても受注に追いつかない、新排出ガス規制適合モデルに関しては年間計画の上限に達したという意味だ。ただし、これは「改めて新排出ガス規制に適合、または継続生産か色変更などを施した次年度モデルを発表してから受注再開する」と予告しているに等しい。

文字通り生産が終わってしまうのが生産終了で、次年度モデルの登場を約束しているのが受注一時停止なのだ。

ちなみに、けっして多くの機種ではないが、モデルによっては生産終了となったのちに時間を置いて復活することもある。これはかつて平成28年排出ガス規制が施行された時にも見られた現象だ。

コロナ禍による生産遅延、計画上限に達したことによる受注一時停止、令和2年排出ガス規制を主な理由とした生産終了は、それぞれ重なりあいつつも、少しずつ異なるものだとご理解いただけただろうか。この数か月、モデルチェンジが目白押しだったのは、各メーカーがこうした事情を踏まえながら車両ラインナップを組み直すためだったのだ。

―― 2022年9月16日にホンダが国内SNSで登場を予告した新型レブル250/Sエディション。

以下、50cc以下(原付一種)は新排出ガス規制適用の時期が異なるため除外している。

国内4メーカーの動向:ホンダ

ホンダは4月に5機種の生産終了(2022年10月までは生産)を発表したほか、7月以降に10機種の受注一時停止を発表した。

ホンダ【生産終了機種(2022年10月生産まで)】
・Gold Wing(リアトランクレスタイプ ※Gold Wing Tourは含まず)、VFR800F、VFR800X、CB400スーパーフォア&スーパーボルドール、ベンリィ110

ホンダ【受注一時停止機種(2022年8月1日時点)】
・レブル1100、レブル500、レブル250、CRF250ラリー、CRF250L、フォルツァ、ADV150、グロム、モンキー125、CT125・ハンターカブ

このほか、新型CBR250RR(マイナーチェンジ)、新型レブル250(マイナーチェンジ)、CT125ハンターカブ(新エンジン搭載)、CB1300シリーズ・30周年記念モデルの登場が国内SNS等で予告されている。海外では新型車としてADV160(ブランニュー)が登場し、NC750やNT1100などの2023年モデル(新色)が発表済みだ。

国内4メーカーの動向:ヤマハ

ヤマハは、セロー250やSR400のファイナルエディションを発表したのち、FJR1300シリーズ(2022年2月発売)の生産終了を公表。このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのは、YZF-R3、MT-03、ナイケン/GT、ボルト、トリシティ125/155/300、マジェスティS、シグナスX(後継車シグナスグリファスが発売済み)。

海外ではYZF-R3/MT-03、トリシティシリーズのユーロ5(令和2年排出ガス規制相当)適合モデルが導入済みだ。

国内4メーカーの動向:スズキ

スズキは、最後の4気筒ナナハンスポーツであるGSX-S750の生産終了が確定的なほか、原付二種スクーターのスウィッシュ/リミテッド、アドレス125/フラットシート仕様を生産終了とした。このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのは、GSX-R1000R、Vストローム1050/XT、Vストローム250、GSX250R、ジクサー250、ジクサーSF250、バーグマン200、ジクサー150、アドレス110だ。

なお、海外ではユーロ5適合の新型Vストローム1050/DEが発表されたほか、ジクサー250シリーズおよび兄弟車のVストロームSX(日本未発売)については、インドでユーロ5に近いBS6モデルが販売中だ。

国内4メーカーの動向:カワサキ

カワサキは、10月に発売されるニンジャZX-6R KRTエディションおよびKLX230SMが旧排出ガス規制適合型式のままで、その後の動向については不透明。同じく10月発売で旧排出ガス規制適合モデルのヴェルシスX250ツアラーは、この2023年モデルをもって次年度以降の導入予定なしとされた。このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのは、Z H2シリーズ、Z1000、ニンジャZX-25R、ニンジャ250、Z250、KLX230S、Z125プロ(2021年モデルをもって国内導入終了済み)だ。

海外ではZ H2シリーズのユーロ5適合・2023年モデルなどが発表済み。

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  • 東南アジアに製造工場を移転して、その東南アジアの
    方が日本より大きな市場だと、日本市場への
    割り当てが減るのは致し方無いかも。
  • CT125ならうちの近くの個人店に7月から売れずに残ってる車輌があるよ。

    自分も気になったけど、動力性能と見た目のスッキリ感でクロスカブがいいな…と
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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