三菱自動車工業(以下、三菱自動車)は、クロスオーバーSUV「アウトランダー」をフルモデルチェンジし、2021年4月より米国、カナダ、プレルトリコで発売する。
アウトランダーは、少し前よりフルモデルチェンジに向けたティザー活動を行っていたが、ついにその姿が明らかになったのだ。
三菱自動車がクロスオーバーSUVのグローバルモデルとして展開するアウトランダーは、これまでで累計約260万台を販売(2001年1月~2020年12月。ガソリン、ディーゼル、PHEV含む。同社調べ)。北米では2002年に投入され、SUVとしての実用性や機動力、環境性能、経済性のよさを武器に3世代にわたり好評を博してきた。
そんなアウトランダーは4代目となり、どんな進化を遂げたのか? 今回発表された北米販売モデルの内容を見ていこう。
■力強さと存在感を増したスタイルに
新型アウトランダーは「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」をコンセプトに、ドライバーが自信を持って新しい一歩を踏み出せる力強さや頼もしさを表現。全体のフォルムは水平基調となり、張りのある面とエッジの利いたシャープなキャラクターラインがコントラストを生みだしている。さらに大径の20インチタイヤや、張り出したフェンダーなどにより、ワイド感や力強さを表現するとともに安定感のあるスタンスとなっている。
フロントフェイスに採用するダイナミックシールドデザインは、シャープかつ厚みのある表情となり、より“力強さ”や“守られている感”が増した次世代型。上部にはデイタイムランプやターンシグナルを配し被視認性を向上。ヘッドライトはバンパーサイドに配置することにより、路面を明るく照らすとともにワイド感を強調している。
リヤまわりに目を向けると、絞り込まれたキャビンからつながる大きく張り出したフェンダー部により安定感を持たせている。一方で下部にはアンダーガード風デザインを取り入れ、SUVらしい機動力の高を演出している。テールランプは水平基調の薄型タイプを採用。ワイド感や安定感を強調している。
ボディカラーには三菱自動車度記事の高輝度塗装「ダイヤモンドシリーズ」に、レッドダイヤモンド、ホワイトダイヤモンドに続く第3弾となるブラックダイヤモンドを新たに設定。
ベーシックカラー6色と合わせ、全9色での展開となる。
■上質で居心地のいいインテリア
インテリアでは、水平基調のインストルメントパネルが目を引く。広々としたゆとりのある印象を与えながら、車体の姿勢変化をつかみやすくするといった機能性も併せ持つデザインだ。
インストルメントパネル上部はレザー巻きソフトパッドを採用するとともに、ステッチをあしらうことで上質感を演出。フロアコンソール側面とドアパネルにも同様のソフトパッドを採用する。
シートは上級仕様のPグレードに、本革シートを設定。シックなブラックと開放感のあるライトグレーが選べ、インストルメントパネルやドアトリムも同色となる。シフトパネルをアルミ加飾としている。また、オプションとしてサドルタンのアクセントカラーも用意。シートにはセミアニリンを使用した上級本革仕様となる。
このほか、Hグレードはスウェード調コンビ素材のブラックシートとピアノブラックの内装、Mグレードはファブリック素材のブラック/ライトグレーのシートとピアノブラック内装となる。
フロントシートは2層ウレタン構造により、座った瞬間のかけ心地のよさや、長時間の乗車でも疲れにくい快適なシートを採用する。車体幅を広げるとともに、1、2列目の足元スペースも拡大したため、居住空間にもゆとりが生まれ、快適性が高まっている。
このほか、家族で使えるSUVとして後席の快適性を高める機能として、シートヒーターや3ゾーンオートエアコン、リヤドアガラスサンシェードなどをグレードにより設定する。
3列目シートは格納式で、乗車人数や荷物の量に合わせて多彩なアレンジが可能。2列目シートは4:2:4分割可倒式でスキー板などの長尺ものを積み込んでも大人2人がゆったりと座れる。
■全画面液晶メーターを初採用
メーターには三菱自動車初の12.3インチ全画面フルカラー液晶メーター「フルデジタルドライバーズディスプレイ」を設定。多彩なコンテンツを見やすく表示し、さまざまな情報を自由に組み合わせて表示できるカスタマイズ機能も搭載する。このほか、アナログ表示と7インチ液晶を組み合わせたハイコントラストメーター仕様も用意する。
このほか三菱自動車初のウインドシールドタイプの10.8インチヘッドアップディスプレイ(HUD)を搭載、運転に必要な情報をフルカラーで投写する。
センターディスプレイは9インチ大画面のスマートフォン連携ナビゲーションをグレード別に設定。内蔵地図と連携したナビゲーション機能で高度なルート案内を提供する。画面下には機能別のメニューアイコンを常時表示するのでナビやオーディオなどが簡単にセレクト可能だ。
AndroidAutoやAppleCarPlayにも対応。さまざまなアプリを楽しめるほか、最新の交通情報の取得やソフトの更新がオンラインでできる機能にも順次対応する予定となっている。
フロアコンソールトレイにはスマートフォンのワイヤレス充電機能(15W)を設定。充電用のUSBポートはタイプC/Aの2つをフロアコンソール前面と背面に装備する。また、車内の随所にスマートフォンの収納スペースが設けられている。
■アクティブに使える安心・安全な走行性能
新開発プラットフォームの採用で、衝突安全性を大幅に高めるとともに、高次元の操縦安定性を実現。キャビンまわりには三菱自動車初のホットスタンプ式超高張力鋼板を採用。変形の少ない高耐力キャビン構造としながら軽量化を図った。
また、エンジンルームやキャビンまわりは連続した環状構造とすることで従来型よりもボディの曲げ剛性やねじり剛性を大幅に向上させている。サスペンションはマルチリンク式で、電動パワーステアリングにはデュアルピニオン式を採用。上質ななり心地とリニアでダイレクト感のある操縦性を実現。直進安定性やコーナリング時のトレース性が向上し、運転する楽しさも高まっているという。
パワートレーンは2.5Lのガソリンエンジンを新開発して搭載。従来型に比べて最高出力が約8.8%、燃料消費率(WLTCモード)で約2.6%向上した。低中回転域はトルクフルで力強く、高回転域ではなだらかで扱いやすく、街乗りからスポーティな走りなどにも幅広く対応する。
変速機には8速スポーツモードCVTを搭載。加速時は多段ATのようなメリハリのあるステップシフト制御を採用し、アクセルを強く踏み込んだ鋳時には力強く俊敏な加速フィーリングが得られ、クルージング時にはCVTならではの静かで滑らかな走りを実現した。
4WD車は前後トルク配分を行うセンターカップリング式に電動モーターによる油圧クラッチを取り入れた電子制御4WDを採用。停車中から前輪と後輪を強く拘束できるため、走り出しの瞬間から後輪駆動力を発生させられるので、凍結路面や坂道発進などのシビアコンディションにおいて威力を発揮する。
また、さらに進化した車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。ブレーキを制御する「ブレーキAYC(アクティブヨーコントロール)」を後輪にも採用することで、前後輪の分散制御を可能としている。ハンドル角やヨーレート、駆動トルク、ブレーキ圧、車輪速などをセンシングして、ドライバーの操作と車両の状態をつねに把握。旋回時にはブレーキAYCが前後左右輪の駆動力/制動力差を最適化してタイヤのグリップ能力を引き出すことで、ドライバーの意のままの操縦性を実現する。
FF車にも前後輪を分散制御できるブレーキAYCを採用。ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSと統合制御してさまざまな路面での走行安定性を高めている。
ドライブモードは4WD車に6モード、FF車に5モードを設定。さまざまな運転スタイルと走行シーンに最適化された車両運動特性が選べる。
「ECO」…省燃費性を重視した運転スタイルで使用
「NOMAL」…通常走行時に使用
「TARMAC」…舗装路でスポーティに走れる
「GRAVEL」…未舗装路で高いトラクション性能と安定性を発揮
「SNOW」…雪道などの滑りやすい路面で使用
「MUD」(4WD車のみ)…ぬかるんだ道や深雪などで走破性を高める
モードセレクターによるモード選択時にメーター内に走行シーンがイメージできる画像を表示。直感的にモード選択ができる。
■先進安全装備「MI-PILOT」を搭載
先進安全装備も進化。高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT(マイパイロット)」を搭載。これはレーダークルーズコントロールシステム(ACC)とレーンキープアシスト(LKA)を統合した制御で、車間距離と車線中央をキープした走行をサポートするもの。
さらにナビリンク機能搭載車は、速度標識を読み取って設定速度を自動で切り替えたり、ナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に自動調整する。また、高速道路では、渋滞時に停車しても約30秒以内なら自動で発進できる。走行中の設定操作を軽減する機能だ。
このほか安全面では、1列目にフロントセンターエアバッグ、2列目にサイドエアバッグを全車標準装備し、計11個のエアバッグを装備。フロントセンターエアバッグは、側面衝突時に運転席と助手席の間で展開し、乗員同士の衝突を防止するものだ。
■快適・安心をサポートする三菱コネクトを搭載
快適なカーライフと、安心してドライブを楽しむためのサポートシステムとして「三菱コネクト」を搭載した。これはドライバーの安全を守るために、事故や故障時にボタンひとつでコールセンターへ救助依頼が可能となるほか、エアバッグが展開した場合には自動的に通報する。さらに車両の盗難警報や盗難に遭った車両の位置情報を取得してユーザーに通報するなど、さまざまなアクシデントに対応する。
また、スマートフォンで駐車した車両の位置を表示したり、ライトを点滅させて自車位置確認ができるなどのお役立ち機能も使える。
このほか、リモート操作で乗車前に空調を作動させられたり、離れた場所からドアの解錠ができるなど便利な機能も使える。
新型アウトランダーの概要はざっと以上のとおり。詳細については2021年4月に北米で販売開始されるタイミングでの発表となるか。それとも、ほどなく国内投入のアナウンスがあったりするのか……。
なんとも待ち遠しい! と、じらされ感たっぷりだが、今回、米国のAmazon Liveでオンライン発表会と同時に商品紹介ビデオやカーコンフィギュレーター(製品仕様を作成するツール)など、さまざまなコンテンツを公開。これらのコンテンツはで2021年3月31日まで視聴可能だというから、気になる人はぜひチェックしてみよう。
これが新型ヴェゼル。ついに世界初公開…フロントグリルがボディ同色の理由とは?
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
使用を見ていると日産が発表しているアリアと装備が重なる部分が多い。良い意味でアライアンスが機能しているのかも知れない。
それとこの車はサイドをタンブルフォームにしないのも現行型からの美点。後方視界も良いし、運転しやすい。
記事は詳細に速報してくれたせいか、誤字が多いが大目に見ようか。
らしいが、本当ならバーゲンプライス!