キャデラック・レーシングのドライバー、アール・バンバーは、5月11日に行われたWEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースを中断させる事故を起こしたとして、6月の第4戦ル・マン24時間レースにおける5グリッド降格ペナルティを言い渡された。
2号車キャデラックVシリーズ.Rをドライブするバンバーは、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われたレースの終盤2時間に入ったところで、99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)と3番手のポジションを争っていた。
赤旗後のレース延長で「勝利を奪われた」と主張するフェラーリ。抗議とその棄却の背景/WECスパ
ラディヨンを抜けケメル・ストレートに入ったところで99号車のスリップストリームから右側へ抜け出そうとした際、バンバーは99号車の右リヤと、右隣にいたチームWRTの31号車BMW M4 GT3に接触。バンバーのキャデラックは右側のウォールとキャッチフェンスにクラッシュして宙を舞い、ショーン・ゲラエルがドライブしていた31号車はコース左側のガードレールへと激しくクラッシュした。
幸い両ドライバーに大きな怪我はなかったものの、レースはこれにより2時間近くの間、赤旗中断となり、バリアの修復が行われた。
再開されたレースは12号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)の優勝で幕を閉じたが、決勝後、現地時刻24時を回って発行されたスチュワード・レポートでは、映像確認の結果、バンバーが「99号車に衝突して右に移動し、31号車と衝突した」として、バンバーに事故の責任があると裁定されている。
これにより、このニュージーランド人選手が加わる陣営において、WECの次戦となる来月のル・マン24時間レースでスターティング・グリッドが5ポジション降格されるとの決定を、スチュワードは下している。
ル・マンではWECにおけるレギュラーチームメイトであるアレックス・リンに加え、アレックス・パロウとともに2号車をシェアする予定のバンバーには、合わせて3点のペナルティポイントも付与されることになった。
■「うまくいけば表彰台に挑戦できることを再び示せた」とバンバー
「キャデラックが強靭なシャシーを作ってくれたのは素晴らしいことだ。自力でそのシャシーから降りることができたことは嬉しい」とバンバーはコメントした。
「今日は本当に良いリザルトが出たと思うので、この結果は本当に残念だ」
「今日は本当に良いスピードを見せることができた。僕らは良い戦略と良いスピードを持っていたと思うので、(開幕戦の)カタールの時と同じように、物事がうまくいけば、このチャンピオンシップで間違いなく表彰台に挑戦できることを再び示せた」
「それを認識できたのは良いことだ。(苦戦した第2戦)イモラは、パフォーマンスの面では、レーダー上のちょっとした凹みにすぎない。そしていまはル・マンを楽しみにしている」
GMのモータースポーツエンジニアリング担当ディレクター、マーク・スティローは次のように付け加えた。
「最も重要なことは、アールが事故で負傷せず、検査を受けてケア・センターから解放されたことだ」
「2号車キャデラックVシリーズ.Rの構造とその安全システムは、その役割をまっとうした」
「アールとアレックス・リン、そして2号車キャデラックVシリーズ.Rチームの全員が、表彰台獲得に向けて力強く挑んでいた。彼らは来月のル・マン24時間レースでも同じことをしてくれるだろう」
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