スペイン:セアト850
W杯優勝:2010年
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フィアットのリアエンジン・コンパクトカーをライセンス生産することで、1950年代に創業したスペインのセアト。現在はフォルクスワーゲン傘下にある、欧州では名の通った自動車メーカーだ。
その最初期に作られた800の後継モデル、850は、1966年から1974年までに66万台以上がラインオフしている。ちなみに、その後のセアト133はフィアットのエンブレムを付け欧州で売られていた時期もあった。
今回ご登場願った850はイタリアからの代役。英国ではセアトを探し出すことができなかった。だが、ピッチ上の誰も気が付くことはないだろう。標準的なサルーン、ベルリーナの場合、セアト850はフィアット850と瓜二つの双子のような存在だった。
ただし、フィアット版は冴えない樹脂製ステアリングホイールだったが、セアト850はフェイクウッドで少しだけ上品。英国では、1972年から1974年に販売されている。
基本的にはカーデザイナーのダンテ・ジャコーザ氏が手掛けた、1964年のフィアット600の派生版。意欲的に走り込むフォワードではなくキーパー向きといえ、リアアスクルの後ろに載ったエンジンは4気筒843ccと控えめ。最高出力は34psでしかない。
ホイールは12インチと小さく、ブレーキは前後ともドラム。この内容で、最高速度は125km/hを出せた。
リア・サスペンションは600譲りのセミトレーリングアーム式にコイル。フロントはウィッシュボーン式で、横置きのリーフスプリングが支えた。燃料タンクはリアシート直後に搭載されている。
キビキビと動く軽く小さなボディ
スペイン代表とするなら、13インチ・ホイールにフロント・ディスクブレーキ、903ccエンジンを組み合わせた850 スポーツクーペの方が適任という意見は正しいだろう。51psで145km/hの最高速度に届いたのだから。
だとしても、魅力度でいえば850 ベルリーナの方が上だと思う。ドアを開く前から、思わず笑顔になる。ボール1つで楽しめるサッカーのような、純粋さと簡素さがある。
薄いパッドが張られたダッシュボードは、横に長いスピードメーターと、ライトとワイパーのスイッチだけという潔さ。余計な装飾は一切ない。
今回ご登場願った850には社外品のマフラーが付いていて、エグゾーストノートはかなり賑やかだった。筆者の記憶では、オリジナルでは穏なはず。
シフトレバーにクラッチ、アクセルペダルは軽く滑らかに動く。小さなエンジンは、熱意を持って目覚める。速く回ることを好むようだ。
フロントタイヤはステアリングホイールの操作へ繊細に反応し、手のひらへ明確な情報が伝わってくる。だが、幅155と細身のタイヤはグリップ力が限られる。コーナーでは比較的低い速度からアンダーステアに転じ、すぐにセンターラインを超えてしまう。
軽く小さなボディは、スペイン代表選手のようにキビキビと動く。BMCミニ・クーパーSといい勝負を繰り広げるかもしれない。
ウルグアイ:グルメット・インディアナ
W杯優勝:1930年、1950年
余程のクルマ好きでも、ウルグアイの自動車メーカーは思い浮かばないだろう。グルメット・インディアナは、数少ないその精鋭の1台になる。
ただし、英国では入手困難。代役として、その祖先に当たるヴォグゾール(英国オペル)・ビバ HCエステートを用意した。グルメットはヴォグゾールと同じGM傘下のメーカーで、GMウルグアイがライセンス生産したモデルがインディアナだった。
ベースは、1970年に発売されたヴォグゾール・ビバ。なんとオリジナルのボディを原型にFRPでボディを成形し、チューブラーフレームのシャシーに載せられていた。少なくとも見た目は、ヴォグゾールに近かった。
ドライブトレインとプラットフォームは、オペル・カデットBから流用。フロントグリルは専用品で、ヘッドライトは今回のビバとは異なり丸目。前後のバンパーも独自のデザインで、テールライトはビバ HBのものが取り付けられていた。
インディアナはビバより約10cmもトレッドが狭かった。今回の写真とは異なり、かなりアンバランスに見えただろう。
動的能力では、ビバ HBから大きなビハインドがあった。GMウルグアイが輸入したカデットB用の1080ccプッシュロッド・エンジンは、5600rpmまで回しても56psしか生み出さなかった。
サスペンションはカデットBのままで、内容は悪くはない。フロントは独立懸架式にコイル、リアはリジッドアクスルにリーフスプリングという組み合わせだった。
インテリアは当時のGM車らしい雰囲気
1972年に発売されたインディアナはウルグアイで一定の人気を博し、2年間で4968台が売れている。GMウルグアイは、FRPボディをシボレー・コルベットと同じ構造だと表現したことが、プラスに働いたのかもしれない。
今回用意したビバ HCエステートには1800ccエンジンが載っており、動力性能に関しては比較にならない。この例の場合はトルクが太い。最高出力が50%劣り、タイヤがボディの内側に引っ込んでいる状態を想像するしかない。
少なくとも、インテリアが当時のGM車らしい雰囲気を漂わせていたであろうことは、このビバ HCから感じ取れる。車内は装備が整い、ドライビングポジションも良好。シフトレバーのストロークは長い。
操縦性より、乗り心地を重視したシャシー設定にある。真っすぐ走っている状態が1番好ましい。
ビバ HCは強固なモノコック構造だったが、FRPボディだったインディアナのボディ剛性がどの程度なのかも、考えを巡らせるしかない。少なくとも、オリジナル以上ではなかったはずだ。
セアト850とグルメット・インディアナのスペック
セアト(フィアット)850(1966~1974年/欧州仕様)
英国価格:859ポンド(新車時)/5000ポンド(約83万円)以下(現在)
販売台数:66万4346台
最高速度:125km/h
0-97km/h加速:23秒
燃費:14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:670kg
パワートレイン:直列4気筒843cc自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:34ps/4800rpm
最大トルク:5.5kg-m/3200rpm
ギアボックス:4速マニュアル
グルメット・インディアナ(1972~1974年/南米仕様)
英国価格:−(新車時)/−(現在)
販売台数:4968台
最高速度:−
0-97km/h加速:−
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:872kg
パワートレイン:直列4気筒1080cc自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:56ps/5600rpm
最大トルク:8.6kg-m/2800-3600rpm
ギアボックス:4速マニュアル
この続きは(4)にて。
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