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新型ヤマハ「YZF-R1/R1M」を解説! ビッグマイナーチェンジを遂げた初の国内仕様車はどう進化したのか?

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新型ヤマハ「YZF-R1/R1M」を解説! ビッグマイナーチェンジを遂げた初の国内仕様車はどう進化したのか?

ヤマハ「YZF-R1」「YZF-R1M」2020年モデル進化のポイント
排ガス規制に合わせたさらなる高回転化適正へ

1998年に誕生、幾度のモデルチェンジを重ね、2015年に8世代目と言われる現行モデルにフルチェンジしていたYZF‐R1がビッグマイナーチェンジ。新ユーロ排ガス規制に合致させるとともに、さらに戦闘力を向上。同時にニュールックとなった新デザインのカウルを採用した。

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デビューイヤーの2015年からの5シーズンで鈴鹿8耐を4連覇、さらに全日本ロードレースでも4回のチャンピオンを獲得したYZF‐R1は、ワールドスーパーバイクでも常に優勝争いを展開する最強マシンのひとつ。

しかし、並み居るライバルの猛追を受け、今では4メーカー、いやドゥカティやBMWを含む世界のスーパースポーツの中で、一番古いマシンとなってしまっていたのだ。

YZF-R1の新排気ガス規制に合わせたアップデートは、シリンダーヘッドを新設計し、ハイパワーエンジンのトレンドと言えるフィンガフォロワーロッカーアーム形状を新作。レースユースでのさらなる高回転化を見据え、潤滑系もリファインされている。

最高出力は200PSのまま、「より扱いやすい出力」を目指したのだ。

従来の「逆輸入」モデルが日本正規販売となった!

年々進化する電子制御技術もアップデート。それは、従来型にも採用されていたYCC‐T(電子制御スロットル)にAPSG(アクセル開度センサーつきグリップ)を採用することで、ついにアクセルワイヤーを撤廃。YCC‐Tによる吸入空気量制御が、さらにケーブルレスでレスポンスを上げ、ライダーの思い通りの出力特性に、より近づけているといえる。

さらに電子制御にはエンジンブレーキマネジメントとブレーキコントロールの制御システムを追加。これで、サーキット性能だけでなく、一般道やワインディングでの走りでも、よりリニアに、ドライバビリティのいいマシンを目指したというわけだ。

ニューR1の証として、カウルデザインも一新。ルックスをYZF‐R6やYZF‐R25/3同様のデザインに一新したのに加え、エアロダイナミクス効果も向上。これぞ、ストリートバイクとしてもサーキット向けバイクとしても魅力を向上させた内容だ。

ラインアップも従来通り、YZF‐R1とYZF-R1Mの2バリエーション。R1Mにはカーボンカウル&テールカウルを採用し、電子制御サスペンションにガスシリンダーを追加、データロガー機能を追加した。

国産モデルでいち早く6軸IMUを採用し、スーパースポーツの電脳化を実用化させたトップランナーが、ついに日本正規販売モデルとして、再びライバルとの差をつけ始める!

戦闘力アップに直結する電子制御のアップデート

2020年式YZF‐R1の狙いはひとつ。もちろん新ユーロ排気ガス規制対応はもちろん、2015年モデルのR1に採用した、6軸IMUを搭載しての電子制御技術のアップデートだ。

電子制御技術は、R1の完成度を追うように各ライバルメーカーとも同等の仕様に仕上げ、モデルによってはR1を越える制御を搭載していただけに、特にレースユーザーにとっては、このアップデートは待望のものだろう。

電子制御メニューは、従来のパワーモード4種/トラクション9種&ローンチ3種&スライド4種&リフトコントロール3種/クイックシフト3種のメニューがあったが、2020年モデルから新たにエンジンブレーキマネジメント/ブレーキコントロールを追加。R1Mには引き続きエレクトリックサスペンションモードが装備される。

現在では各国のスーパーバイクレースで、ノーマル制御を使用しなければならないレギュレーションが増えているため、ベースモデルのアップデートは、そのまま戦闘力向上につながる。そこを見越しての変更というわけだ。これで、いち早く電脳化を果たしたR1に迫りくるライバルを引き離す!

ヤマハ「YZF-R1」2019年モデルと2020年モデルの比較
【2020モデルで追加された装備】
★BCとEBMの表示を追加したTFT液晶メーター
★スロットルバイワイヤ式YCC-T
★LEDデュアルヘッドランプ
★次世代“R”デザインのポジションランプ
★ブリヂストン製前後タイヤ
★コントロール性に優れた摩擦材を採⽤したフロントブレーキパッド
★チタン製プロテクター
★信頼性に優れたフィンガーロッカーアーム
★新シリンダーヘッド
★斜流噴射するインジェクター
★ロス低減に貢献するオイルポンプローター
★EU5 対応の新ECU
★新搭載の電⼦制御システムBC、EBM
★カーボン製カウル&テールカウル(YZF-R1M)

2020年モデル

デザインだけでなく、形状も一新したカウル。特に上体を伏せた状態でライダーがカウル内に収まるようエアフローをコントロール。空気抵抗特性は現行モデル比5.3%向上。

2019年モデル

従来モデルも、MotoGPマシンYZR‐M1の形状を参考したと言われたスタイルで、ハイスクリーンで空力特性、さらにウィンドプロテクション性の良さが好評だった。

ヤマハ「YZF-R1」「YZF-R1M」主なスペックと価格
※《 》内はYZF-R1M

[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

ヤマハ「YZF-R1」各部装備・メカニズム解説
ヤマハ「YZF-R1M」各部装備・メカニズム解説
まとめ:オートバイ編集部

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みんなのコメント

2件
  • 国産の中ではいち早く6軸IMUを採用したR1だけど、ヤマハの凄いところは他社がコンチネンタル製、BOSCH製のいずれかを採用するのに対して自社開発したところだ。IMUの出来は乗りやすさに直結する部分だからこその自社製。パワーよりも乗りやすさを考えるヤマハらしい開発の方向性だと思う。
  • 中身は素晴らしいんだけど、どうにもデザインが好きになれない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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