この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権第4戦「ラリー丹後」が開催された
みんな口を揃えて「いいクルマ」! なのにナゼか「街で見かけない」国産車6選
■なかでも注目を集めていたのがDE6クラスに参戦したエクリプスクロスPHEV
■マシンの仕様やレースでの様子についてリポートする
DE6クラスにエクリプスクロスPHEVが初参戦!
全日本ラリー選手権第4戦「ラリー丹後」が2022年5月20日~22日に京都府京丹後市を舞台に開催。既報のとおり、シュコダ・ファビアR5を駆るヘイッキ・コバライネンが最高峰のJN1クラスで今季3勝目を飾るほか、ほかのクラスでも激しいタイム争いが展開されていたのだが、全日本ラリー選手権と同時開催で争われた中部近畿ラリー選手権でも各エントラントは21日のレグ1からアグレッシブなアタックを披露していた。
なかでも注目を集めていたのが、DE6クラスに参戦した揚村悠/笠井開生だと言えるだろう。DE6クラスはEVやPHEVなどを対象にしたクラスだが、揚村/笠井は同クラスに三菱エクリプスクロスPHEVを投入。これまで国内ラリーシーンに参戦してきたEVおよびPHEVとしてはトヨタ・アクアや日産ノートe-POWER、FCVとしてはトヨタMIRAIなどが記憶に新しいが、エクリプスクロスPHEVは初参戦で、どのような走りを見せるのか、ラリー関係者たちが関心を寄せていた。
ちなみに揚村/笠井はともに三菱の社員だが、エクリプスクロスPHEVでのラリー参戦はあくまでも個人的な活動で「PHEVでラリーに挑戦してみたいという思いがあったし、自由に使えるクルマがあったので参戦しました」と揚村は語る。
気になるマシンの仕様は、ワンオフで制作したロールゲージをインストールしたほか、足まわりはHKSのダンパーを採用。ブレーキパッドはウインマックス、シートはブリッドなど競技に対応するためにポイントを抑えた改造が施されているものの、それ以外は純正で全体的にはノーマルに近い仕上がりだ。
ターゲットになったのは前述のとおり、中部近畿ラリー選手権のDE6クラスで、揚村によれば「マシンは大会の1週間前に完成したばかり」とのこと。
デビュー戦にしてクラス2位入賞を果たした
加えてドライバーの揚村もラリー競技でサービススタッフとしての経験はあるものの、ドライバーとしてはこれがデビュー戦ということから、スタートしてからも波乱万丈の展開が予想されていたのだが、「テストの時からフィーリングは良かったです。もともと運動性能の高いクルマですが、足まわりとブレーキの強化でターマックでの安心感は高くなったと思います」と揚村が語るようにスタート後は安定した走りを披露していた。
「車両重量が重たいクルマなので、回生を含めてブレーキがどこまで大丈夫なのか心配していたんですけどね。やっぱり、ブレーキの利きが甘くなってきて、ファーストループの3本目は厳しい状態でした。セカンドループはちょっと抑えて走りました」と揚村は語るものの、揚村/笠井のエクリプスクロスPHEVはダウンヒルを主体として21日のレグ1をクラス2番手でフィニッシュした。
さらにヒルクライムを主体とした22日のレグ2は「SS10で電気を使い切って、充電が間に合わないままSS11をスタート。SS11で電欠になり、パワーが出ないままの走行になりました」と揚村が語るようにSS11ではクラス3番手タイムに伸び悩むものの、それでもエクリプスクロスPHEVは京丹後のワイディングを走破し、デビュー戦でクラス2位入賞を果たした。
こうして無事にデビュー戦を走破したエクリプスクロスPHEVだが、ステアリングを握る揚村は「モーター駆動なのでアクセルを踏み込むとすぐにトラクションがかかる。とくにターマックモードはレスポンスがいい。ブレーキで突っ込んで走るクルマではないですが、十分に戦えると思います。それにトータルの燃費を測ってみるとリッターは6kmだから、競技車両としてはいいほうだと思います」と改めてインプレッションを語る。
さらに「初めてのラリーでしたが頑張って走れました。今後も中部近畿ラリー選手権に参戦する予定なので、マシンを煮詰めていきたい」と揚村は語っているだけに、エクリプスクロスPHEVの進化に注目したいものだ。
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みんなのコメント
三菱自動車はPHEVとBEVを前面に出して商売しているのだからPHEVでラリー参戦上位入賞なら宣伝効果は大きいと思います。
やはりモータースポーツに出たい社員は一定数いるんだろう
ラリーアート展開のこともあるし、積極的に大会に出てほしい