モデルレンジ全体に電動化技術を採用
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】新型W206 メルセデス・ベンツCクラス 最大のライバル 3シリーズ、A4と比較 全128枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
自動車ジャーナリストのグループを招いて、インメンディンゲンのテスト施設で5代目Cクラスの試乗会を開催したメルセデス・ベンツ。関係者は、かなり緊張した面持ちだった。
4代目の発表時も緊張していた。BMW 3シリーズのライバルとして長年競い合ってきたCクラスだから、それだけ期待も大きいというわけだ。
Cクラスの初代が登場したのは、1993年。2014年にモデルチェンジした先代の250万台を含めて、これまでに通算で860万台のCクラスが世界中で販売されてきた。ブランドの成長と収益を支えてきた立役者の1台といえる。
W206型を名乗る、最新の5代目が背負うものも大きい。ただし、従来のような成功を掴めるかどうかは不透明。Cクラス自体の仕上がりが弱いわけではなく、世界中の政府が電気自動車の普及に努めているからだ。
パダイムシフトと呼べる勢いで、内燃エンジンに対する圧力は高まる一方。Cクラスも4代目で大きな進歩を果たしていたが、5代目にはそれ以上が求められている。政府の関係機関を納得させ、環境保護団体の気持ちを逆なでしないように。
5代目Cクラスは、基本的には大成功といえた先代を継承する構成ではある。しかし要求へ応えるように、ほぼすべてのコンポーネントが改められ、訴求力を磨いてきた。その中心となるのが、モデルレンジ全体に採用された電動化技術だ。
EクラスやSクラスに共通するデザイン
さらにCクラスは、2022年に登場予定の2代目GLCのベースにもなるモデル。サルーンやステーションワゴンというバリエーション以上に、ブランド内の影響力を持っている。こちらのウエイトも大きい。
統一感あるモデルラインナップを構成する一環として、最新のEクラスやSクラスに共通するスタイリングが5代目にも与えられた。初代と同様に。フロントグリルやヘッドライト、パワードーム付きのボンネットなどを見れば良くわかる。
リアへ回ってみると、Sクラスのように横に長いテールライトが配され、トランクリッドまで伸びている。ワイド感を強調するデザインだといえる。空力特性にも優れ、Cd値は0.24に抑えられた。
一方でボンネットが長く、キャビンが車両中央寄りにレイアウトされるプロポーションは従来どおり。片側のサイドガラスが3枚構成の6ライト・ウインドウや、ボディサイドのシンプルな処理なども、Cクラスらしい仕上がりだと思う。
5代目はCクラスとして初めて、サルーンと同時にステーションワゴンも発売される。生産ラインの改善で、ステーションワゴンの納期も短くなったという。2023年まで待てば、2ドアクーペとカブリオレも追加になる。
ボディサイズは4代目からひと回り大きくなった。全長は65mm伸びて4751mmに、全幅は13mm広がり1820mmへ成長している。ルーフラインは低められ、全高は9mm減の1438mmとなった。
比較すると、CLAサルーンより63mm長く、10mm広く、1mm低い。BMW 3シリーズと比べると、42mm長く、7mm狭く、4mm低いという関係になる。
プラットフォームはMRAの改良版
全長が伸ばされたことで、ホイールベースも伸長。25mm増えて2865mmになっている。全幅が広げられたことにより、トレッドも広くなった。フロントが19mm増しの1583mm、リアは48mmも増えて1594mmに設定された。
つまり、従来よりタイヤがボディ四隅で踏ん張る格好になる。ホイールサイズは、17インチから20インチまでが用意される。
5代目Cクラスのプラットフォームは、4代目も用いていたモジュラー・リア・アーキテクチャ(MRA)の改良版。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式を採用する。
構成は4代目に似ているものの、トレッド拡大に合わせて、スプリングやダンパー、アンチロールバーは一新されている。またオプションとしてアダプティブ・ダンパーの指定も可能。リア側へエアサスペンションを装備させることはできなくなった。
低速域での操縦性と高速域での安定性を高めるため、Cクラスとしては初めて四輪操舵システムが選べる。3シリーズを超えるドライバーへの訴求力を目指し、最大2.5度までリアタイヤの向きが制御される。
車内へ目を向けると、最新のSクラスにも通じるモダンな空間が広がっている。新形状のフロントシートへ腰を掛けると、特にその印象が強い。上質な素材と光ファイバーをによる間接照明が散りばめられ、1ランク上のEクラス以上の特別感がある。
上質な車内に最新のデジタル装備
ドライビングポジションは人間工学的にも良好。シート角度やステアリングホイール位置の調整幅が大きく、快適な姿勢を取りやすい。
ステアリングホイールも新デザインで、横に伸びるスポーク部分にはタッチセンサーによる操作スイッチがレイアウトされた。運転席からの視界も、素晴らしいとまではいえないにしろ良好。沢山のセンサーとカメラが、車庫入れなどを助けてくれる。
ダッシュボードで目を引くのは、大きなモニター。10.25インチか12.3インチのメーター用モニターがドライバーの正面に、9.5インチか11.9インチの縦型タッチモニターが、ダッシュボード中央に据えられる。
センターモニターはエアコンなどを含む、殆どの機能のインターフェイスになっている。実際に押せるハードボタンはほぼ残っていない。制御ソフトウェアはMBUXの最新版で、会話形式の音声認識機能にも対応。無線通信でバージョンアップも可能だ。
Cクラスの新技術で筆者が注目したのは、拡張現実機能を備えた最新のヘッドアップ・ディスプレイ。Sクラスのシステムにも似ており、4.5mの仮想投影深度を備え、フロントガラス内に29.5インチのエリアで画像が投影される。
シフトセレクターは、4代目と同様にステアリングコラムから伸びる。空間に余裕が生まれたセンターコンソールには、ドリンクホルダーとUSB-Cポートが備わる。オプションでワイヤレスのスマートフォン充電パッドも追加できる。
ステアリングホイールには、マニュアルモードでの変速用にシフトパドルが付く。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
タブレット2枚置いただけだから
金のかかるスイッチ類がほとんどない
パラダイムシフトだろうに
これ如きも校正しない記事ってどうなってんのよ?
日本語としてのカタカナ英語に翻訳するのも仕事