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日産エクストレイル 詳細データテスト 動力性能と操縦性には満足 静粛性と低速での乗り心地は要改善

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日産エクストレイル 詳細データテスト 動力性能と操縦性には満足 静粛性と低速での乗り心地は要改善

はじめに

日産エクストレイルは、やや奇妙な立ち位置を見出してきた。現在、欧州市場などでは日産最大のSUVであり、7人乗りを設定するという点では、同クラスのスコダやキア、ヒョンデのみならず、より大きなトヨタ・ハイランダーとも競合する。

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しかし、かつてのエクストレイルのキモはそこではなかった。2001年に登場した初代は、荷室のカーペットすらない、飾り気のない四駆だったのだ。4WDシステムは盛大なノイズを発したものだが、二駆が追加されたのは、だいぶあとになってからだ。

2代目もそのコンセプトは受け継いだが、よりファミリーユーザーにもフレンドリーに。だが、身内のキャシュカイとややキャラがかぶるという問題が発生した。そこで3代目はやや大型化し、キャシュカイ+2に代わる3列シート設定モデルとなった。あわせてキャシュカイは小さめになったので、棲み分けが明確になった。

4代目となる現行モデルは、先代のとった方向性をさらに進めたものだ。ヴィジュアル的にはキャシュカイの大型版的なところが薄れ、エクストレイルらしさは大いに残された。そして、エマージェンシー的な3列目シートを備える。加えて、日産独自のパワートレインであるe−パワーを設定することで、独自性を強めている。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

新型エクストレイルは、オフローダー色を強めたスタイリングとなった。それでも、ヒョンデやスコダなどの競合モデルに比べれば角の取れたエクステリアだ。

いっぽうでメカニズムは、弟分のキャシュカイとの関連性が強まった。プラットフォームはどちらもCMF−C/Dのバリエーションで、開発の主体は日産だ。パートナーのルノーが主体になったのは、ジュークやキャプチャーといった小型モデルに用いられるCMF−Bだ。

ルノーと日産の大きな相違点は、パワートレインにある。ジュークではルノーのE−テックシステムを流用するが、エクストレイルは自社開発のe−パワーを用いる。すでにe−パワー採用モデルは数多いが、エクストレイルのそれには目新しい点もある。

ご存知のとおり、エンジンは駆動用ではない。発電にのみ用いられ、キャビン床下に配置される総量2.1kWh/実用量1.97kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを充電する。前輪を駆動する電気モーターは、204ps/33.6kg−mを発生する。

このメカニズムはキャシュカイにも設定されるが、エクストレイルにはe−4ORCEと銘打たれた4WDが用意される。136ps/19.9kg−mの後輪駆動用モーターを、リアに追加したシステムだ。一般的なシステムは前後モーターが別個に作動し、出力は前後の合計となる。しかしエクストレイルのそれは、システム出力が213psに制限されている。これは、バッテリーが供給できる電力量の限界があるからだ。

このe−パワーの利点のひとつは、メカニズムが複雑になりすぎないことで、多段ギアボックスやプロペラシャフトは不要だ。また、日産によれば、ワンペダル運転も含めたEVのようなドライビングフィールを、充電に心配なく味わえるのもメリットだという。

ガソリンエンジンそのものも、興味を惹かれるものだ。3気筒ターボだが、斬新な圧縮比可変機構を備えるのだ。クランクシャフトにアジャスターを備えることでピストンのストロークを変化させ、排気量と圧縮比が変化するのだ。

高負荷時には8:1、一定した低負荷時には14:1を限度に、段階的に変更する。さらに、可変バルブタイミング機構も装備し、クルージング時にはアトキンソンサイクルとすることで、効率をさらに高める。

価格重視のユーザー向けには、マイルドハイブリッドが設定されている。e−パワーと同じ可変圧縮比3気筒を前輪駆動用に搭載し、CVTを組み合わせる。マイルドハイブリッドは12Vシステムで、ベルト駆動のスターター・ジェネレーターは主にスタート/ストップシステムをスムースに作動させるのが目的だが、加速時には0.6kg−mの動力アシストも行う。

内装 ★★★★★★★★☆☆

前席からの眺めは、弟分のキャシュカイとほぼ同じだ。カラーや助手席側トリムのパターンに違いはあるが、ダッシュボードの形状は変わらない。キャシュカイより価格が高いなりの差を求めるかもしれないが、はっきり言って不満に思うてんはきわめて少ない。

もっとアヴァンギャルドなルックスのライバルも多いが、エクストレイルが古臭く見えることはまずない。目につく限りの場所にはソフトなタッチのマテリアルが張り巡らされている。

また、実用面の使い勝手は、最新モデルの多くと比べてもかなり念入りに仕上げられている。エアコンパネルは大ぶりな実体ボタンを備え、指紋が目立つツヤありブラックのプラスティックはほとんど使われていない。

センターコンソールは、キャシュカイとの最大の相違点だ。フローティングデザインで、下部にスペースもある。上面には大きなドリンクホルダーが設けられ、ワイヤレス充電器や12Vソケット、USB−AとUSB−Cのポートも設定される。

しかし、装備表はじっくりと見たほうがいい。下位グレードでは、装備内容がかなり減るからだ。たとえば、ヴィスタグレードではUSBポートの数が減り、インフォテインメント画面が未装備。デジタルメーターパネルは、N−コネクタ以上でないと備わらず、下位グレードはアナログ計器盤と7.0インチ画面の組み合わせとなる。

テスト車の画面は12.3インチ。設定できる余地はそれほど大きくはないが、スペースをうまく活用しており、表示は非常に鮮明だ。

前席のスペースはすばらしいが、3列目シートを目当てにこのクルマを買うと、ガッカリするかもしれない。比較対象によって、その評価は変わりそうだが。

トヨタRAV4などと比べれば、2列目のレッグルームは100mm上回り、広く感じられるだろう。しかし、ほかの7座SUVほどではない。ありがたいことに2列目は前後スライドが可能だが、後ろへ下げると3列ものレッグルームはなくなってしまう。座るのが子どもであっても、3列目を使うには2列目をかなり前へ出さなくてはならない。

さらに状況を悪化させるのが、キャビン床下に駆動用バッテリーを積むレイアウトだ。EVがそうであるように、フロア高を引き上げ、着座姿勢のリラックス度は落ちる。荷室の広さも、クラス最高水準には及ばない。7座の3列目を畳んだ場合は485Lで、5座のe−パワーは575L、マイルドハイブリッドは585Lだ。ちなみに、RAV4は580L、7座のスコダ・コディアックは765Lだ。

走り ★★★★★★★★★★

先代エクストレイルをテストした2014年には、小排気量ディーゼルが大人気だった。ハイブリッドドライブトレインのおかげで、現行モデルはパワーが大いに高まってはいるが、大きな駆動用バッテリーのせいで、重量も大幅に増している。公称重量は1886kg、テスト車の実測値は1947kgだった。

この重量にもかかわらず、e-4ORCE仕様のエクストレイルは、0−97km/hを6.6秒で駆け抜ける。これは、9年前の先代ディーゼルより4.6秒も速い。さらにいえば、競合するハイブリッドの多くも凌いでいる。トヨタ・ハイランダーとキア・ソレントは8.5秒、キア・スポーテージは7.3秒だった。スコダ・コディアックvRSの5.9秒にも、さほど後れを取っていない。

明らかに、ハイブリッドのエクストレイルは十分なパフォーマンス以上のものを提供してくれる。より重要なのは、そのデリバリーだ。ハイブリッドはしばしば、この点でしくじる。問題になりがちなのは、CVTの唸りや、エンジンとモーターの連携のぎこちなさだ。日産に言わせれば、e−パワーはドライビングフィールがEVのようで、しかも充電の必要がない、ということになる。

実際、エクストレイルはEVにかなり近く、その点ではトヨタのシステムより楽しませてくれる。四輪とも電動なので、パワーは瞬間的に発生し、リニアで、非常に静かだ。バッテリーの電力を絶やさないために、エンジンは頻繁にかかるが、遮音がしっかり効いているようで、気になることはないだろう。

とはいえ、完全にEV並みとはいかない。たとえば75%以上のパワーを出したり、強い加速を繰り返したりすると、十分に発電し、充電量も保つため、エンジンがかなりハードに回るようになってくる。そうなると、高いエンジン回転がキープされるようになるので、キャビン内でも音が気になってしまう。

とはいえ、さほど不快なノイズではない。また、残り25%が必要になる機会がほとんどないほどパワフル。床までペダルを踏み込むと、1秒ほどの間をおいてフルパワーを叩き出すが、ほとんどの場合、80%でも多すぎるくらいだ。

もうひとつ、このエクストレイルのメカニカルレイアウトがもたらすのは、EVのような回生ブレーキだ。標準状態では、スロットルペダルを抜いても回生は弱めだ。走行モードセレクターでBモードを選ぶと、はっきりわかるくらい効きが増し、e−ペダルのボタンを押すとさらに強くなる。

かなり直観的ではあるが、それでも完全制止するにはブレーキペダル操作が必要だ。ありがたいことに、ペダル踏力に対する効き方がリニアなので、スムースなブレーキングが楽にできる。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

キャシュカイを試乗した際には、インフォテインメントシステムは邪魔ではないが旧式だと評価した。エクストレイルも下位グレードは同じシステムなので、印象は変わらない。

ところがエクストレイルだけでなく、キャシュカイも2023年モデルから、N−コネクタ以上では12.3インチ画面の最新システムが採用され、事態は大きく変わった。

グラフィックはシャープで、画面の起動もレスポンスも素早い。右側には常にショートカットが列をなし、音量つまみやチューニングと昼夜モード切り替え用のボタンも備える。

ソフトウェアはロジカルで、ホーム画面はカスタム可能。ナビゲーションも問題なく、Apple CarPlayとAndroid Autoはワイヤレスで接続できる。

テスト車にはBose製のアップグレード版オーディオが装備されていたが、サウンドはかなりいいが、スピーカーがときどきパチパチと音鳴りするのが気になった。

おかしな癖があったのは車両設定メニューだ。調整はタッチ画面ではなく、ステアリングホイールのボタンで、メーターパネルを見ながら行わなければならない。

燈火類

ヘッドライトは全車LEDで、テクナ以上ではマトリックスタイプとなる。しかしテスト車のそれは、光量の差がそれほど大きくなく、防眩機能により周囲の交通へ反応するライトもきわめて少ない。

ステアリングとペダル

ペダルはルノー−日産のモデルに広く見られるもので、上々の出来栄え。ステアリングコラムの調整幅は広く、誰もがピッタリのポジションを見つけられるはずだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

7座SUVを選んで、ハンドリング云々を論じるユーザーはほとんどいないと思う。しかし、それでもステアリングに安心感があり、手応えが自然で、精密さも十分すぎるほどなら、フィールもフィードバックもないよりは満足感が高まるはずだ。セルフセンタリングは多くのクルマより強めで、これに関する評価は二分した。

おそらくはファミリー向けSUVとしては驚くほどスポーティなタイヤであるハンコック・ヴェンタスS1 Evo3 SUVを履いているおかげで、ドライでもウェットでもグリップは良好で、ターンインのレスポンスもいい。

ややスピードを出しすぎてコーナーに入り、車体が流れても、スロットルをしっかり戻せば、走行ラインをきっちり修正することができるはずだ。

純電力駆動ということは、瞬時にトルクが立ち上がる。トラクションコントロールシステムによっては持て余すほどだが、ここでもエクストレイルは仕損じることがない。しかも、安全システムにぎこちなさや出しゃばりなところはまったくなかった。テストコースを走ったときでさえ、スタビリティコントロールは正しい走行ラインをバッチリキープしてくれる。

4WDモデルは、ロータリー式走行モードスイッチを装備。オフロードモードやスノーモードのほか、エコ、ノーマル、スポーツといった一般的なモードも選択できる。本格的なオフロードではテストできなかったが、泥道でも走りはよかった。

ただし、ほどほどの勾配がついた道で3点ターンでの方向転換をした際には、前輪の前にある空力フラップが、縁石に擦れてしまった。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

EV並みの車重がありながら、ハンドリングへの大きな悪影響は現れなかった。しかし、落ち着きのない乗り心地は、重さの弊害だ。これは電動車にしばしば見られる傾向だ。

扁平率の高いタイヤを履いているのに、ちょっとした路面不整をみごとにいなしているとはいえない。低速では、ややガタピシしたところもある。

速度が上がれば、快適性は改善をみる。長距離クルーザーとしてはおおむね、かなりリラックスできるものになっている。多くのクルマがキャビンまで衝撃を伝えてくるような路面の穴でも意に解さないかのように乗り越え、波長の長いバンプでの乗り心地はとてもゆったりとしたものだ。ただし、ややフワフワした感じはある。

速度域によって異なる乗り心地の対比が、低速での不足を際立たせてしまうのが、このクルマにとっては不幸な結果となってしまった印象だ。

シートは、全体的な快適性に寄与する。キャシュカイと同じもので、ソフトだが、この手のクルマとしてはサポートに優れている。ドライビングポジションもバッチリで、調整機構も多く、好みに応じて高くも低くも座れる。

静粛性については、平均レベルにとどまった。低速域ではサスペンションのノイズが出て、高速道路ではライバルたちよりロードノイズが大きめ。113km/hで69dBAというのは、RAV4 PHEVやソレントHEV AWDの66dBAを上回った。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

Cセグメント級プラットフォームのSUVとしては大型だが、それは価格にも反映されており、同等装備のRAV4などと比べると高価だ。ただし、キア・ソレントよりは安価だ。しかし、より広い室内と2.0Lガソリンエンジン、4WDが揃ったコディアックのほうが安いというのは困ったところだ。

スコダにはハイブリッドがないので、燃料費で取り返せると思うかもしれない。しかし、2.0 TSIユニットは低燃費で、今回のテスト車がマークした平均12.9km/Lに近い数字をマークする。

ただし、市街地や、速度域の低い移動が多いのであれば、e−パワーは有効だろう。朝のラッシュ時に高速道路を走ったあとには、15.9km/Lという数字さえ出たのだから。

もっとも、それはトヨタのハイブリッドにも言えることだ。より大きいトヨタ・ハイランダーをテストした際には、平均13.8km/Lを記録している。つまり、斬新なシリーズ式ハイブリッドであっても、トヨタのハイブリッドには太刀打ちできないということだ。ましてや、ディーゼルとの比較は言うまでもない。

スペック

レイアウト

エクストレイルのプラットフォームは、キャシュカイやルノー・オーストラルと同じCMF−C/D。マイルドハイブリッド仕様は、CVTを介して前輪を駆動するが、フルハイブリッドのe−パワーは前輪駆動も4WDもモーター駆動だ。

キャビンの床下には2.1kWhの駆動用バッテリーを搭載。2モーター・4WDのテスト車は、前後重量配分が実測55:45だった。

エンジン

駆動方式:フロント横置き/前後モーター四輪駆動
形式:直列3気筒1477~1497cc可変圧縮比ターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×88.9~90.1mm
圧縮比:8.0~14.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:-ps/-rpm
最大トルク:25.4kg-m/-rpm
エンジン許容回転数:-rpm
ハイブリッドアシスト:横置きモーター×2
モーター最高出力:-ps
モーター最大トルク:-kg-m
システム総合出力:213ps/-rpm
システム総合トルク:53.5kg-m/-rpm
馬力荷重比:114ps/t
トルク荷重比:28.3kg-m/t
エンジン比出力:-ps/L

ボディ/シャシー

全長:4680mm
ホイールベース:2705mm
オーバーハング(前):935mm
オーバーハング(後):1040mm

全幅(ミラー含む):2065mm
全幅(両ドア開き):-mm

全高:1735mm
全高:(テールゲート開き):2580mm

足元長さ(1列目席):最大1105mm
足元長さ(2列目席):820mm
足元長さ(3列目席):435mm
座面~天井(1列目席):最大1045mm
座面~天井(2列目席):985mm
座面~天井(3列目席):825mm

積載容量:117-485-1298L

構造:スティールモノコック
車両重量:1886kg(公称値)/1947kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前・後:7.5Jx19
タイヤ前・後:235/55 R19 101V
ハンコック・ヴェンタスS1 Evo3 SUV
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
最終減速比:−

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:12.9km/L
ツーリング:12.0km/L
動力性能計測時:5.3km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):15.4km/L
中速(郊外):18.2km/L
高速(高速道路):17.8km/L
超高速:12.5km/L
混合:15.2km/L
EV航続距離:-km

燃料タンク容量:55L
駆動用バッテリー:2.1/1.97kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(モーターのみ):-km
現実的な航続距離(エンジンのみ):約-km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):708km
CO2排出量:148g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後: マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:350mm通気冷却式ディスク
後:330mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ配置

静粛性

アイドリング:-dBA
全開時(145km/h):76dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:66dBA
113km/h走行時:69dBA

安全装備

ABS/ESC/AEB+歩行者・自転車検知/LKA/死角警告/センターエアバッグ
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人91%/子供90%
交通弱者保護性能:70%
安全補助装置性能:95%

発進加速

テスト条件:湿潤路面/気温6℃
0-30マイル/時(48km/h):2.6秒
0-40(64):3.7秒
0-50(80):5.0秒
0-60(97):6.6秒
0-70(113):8.7秒
0-80(129):11.2秒
0-90(145):14.3秒
0-100(161):18.1秒
0-110(177):25.3秒
0-402m発進加速:15.2秒(到達速度:149.2km/h)
0-1000m発進加速:28.0秒(到達速度:179.3km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
キア・ソレント 1.6 HEV T−GDi AWD 2 オート(2021年)
テスト条件:乾燥途上路面/気温9℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.5秒
0-50(80):6.4秒
0-60(97):8.5秒
0-70(113):11.0秒
0-80(129):14.1秒
0-90(145):17.9秒
0-100(161):22.9秒
0-110(177):29.8秒
0-402m発進加速:16.6秒(到達速度:139.7km/h)
0-1000m発進加速:29.9秒(到達速度:177.2km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.0秒

30-50(48-80):2.4秒

40-60(64-97):2.9秒

50-70(80-113):3.7秒

60-80(97-129):4.6秒

70-90(113-145):5.6秒

80-100(129-161):7.0秒

90-110(145-177):11.0秒

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温6℃
30-0マイル/時(48km/h):9.1m
50-0マイル/時(64km/h):25.6m
70-0マイル/時(80km/h):48.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.96秒

ライバルの制動距離キア・ソレント 1.6 HEV T-GDi AWD 2 オート(2021年)
テスト条件:乾燥途上路面/気温9℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.6m
70-0マイル/時(80km/h):45.8m

結論 ★★★★★★★★☆☆

キャシュカイもエクストレイルも、派手ではないが役に立つクルマとして、まずまずの成功を収めてきたといえる。新型エクストレイルは、リラックスしてフラストレーションなしに時を過ごせるクルマだ。

これは念入りにレイアウトされた操縦系と、ドライバーに特別な運転を求めないが、必要とあれば驚くほどのパフォーマンスを発揮するパワートレインのおかげだといえる。ふたつのセグメント股にかけるSUVとしては、室内のスペースや万能性もライバルに太刀打ちできるレベルだ。ただし、ミニバス並みの7人乗り空間は期待できない。

賢明なe−パワーのコンセプトは、実際に使ってみてもじつにうれしくなるものだ。しかし同時に、新型エクストレイルにおける最大の懸案でもある。というのも、経済性に関しては期待値に達していないからだ。

ほかに批判するべき点を挙げるなら、乗り心地だ。速度が上がればゆったり乗っていられるが、荒れた舗装では苦戦し、ロードノイズも思いのほか大きい。

そうはいっても、乗り心地も経済性も競合モデルたちとの勝負にならないほど劣っているわけではない。価格帯も、ライバルたちとそう違わない。ファミリーカーとして考えるのであれば、大きな不満がないエクストレイルの出来栄えは、まずまず優秀と言っていいだろう。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート電気モーター駆動は、スロットルペダルを踏み込むたびに力強い加速を感じられるのが魅力的だ。とはいえ、高速道路の速度域に入ると、ホンダのダイレクトドライブほどの経済性は得られなくなる。

マット・ソーンダース牽引をしたいなら、最大2000kgを許容する5座マイルドハイブリッドを選ぶのがベストだ。ただし、e−パワーの4WDも1800kgと悪くはない。7座モデルは牽引重量がやや目減りし、e−パワーの前輪駆動モデルは670kgまで減少する。

オプション追加のアドバイス

中間グレードのN−コネクタからは、インフォテインメントシステムがグレードアップするので、それ以上を選びたい。テクナならシートヒーターや40:20:40分割可倒式2列目シート、フルスペックのプロパイロット、ヘッドアップディスプレイなどが加わる。シート生地がレザレットになってしまうのは、好き嫌いが別れるところではありそうだが。

改善してほしいポイント

・パワートレインはもっと経済性を高めてほしい。
・乗り心地を改善し、速度が高いときの静粛性を向上してもらいたい。
・マトリックスLEDヘッドライトは改良が必要だ。

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