現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「最新モデル解説」ホットなトヨタGR86、クールなSUBARU・BRZ。新型の個性と進化

ここから本文です

「最新モデル解説」ホットなトヨタGR86、クールなSUBARU・BRZ。新型の個性と進化

掲載 更新 11
「最新モデル解説」ホットなトヨタGR86、クールなSUBARU・BRZ。新型の個性と進化

エンジンは2.4リッター(235ps)。レッドゾーンは7400rpmの設定

 新型GR86とBRZの走りの進化はどうか? 2ndモデルの開発コンセプトは「継承と進化」。まさに直球勝負のFRスポーツである。9年にわたるリファインで完成形となった1stモデルの優れたバランスをいっさい崩さず、新たな魅力をプラスした。

レクサスLSとトヨタMIRAIに高度運転支援技術の新機能「Advanced Drive」を搭載

 86/BRZは絶対的な速さよりも愉しさを重視したモデルである。新型はそのアイデンティティを守った。一方、ユーザーの「もう少しこうだったら」という部分をアップデートしている。一般的に「ネガつぶし」の手法は、クルマのコンセプトを曖昧にしてしまう危険性がある。そのため、2ndモデルは全方位でのアップデートが行われた。つまり弱点を補うだけでなく、魅力をいちだんと鮮明にする全面刷新を行ったのである。

 エンジンはレスポンス/自然なフィーリング/伸び感を重視して自然吸気を継承。排気量は2リッターから2.4リッターにアップされた。出力/トルクは235ps/7000rpm、250Nm/3700rpm。GR86/BRZは数値だけを誇るスポーツカーではない。しかし現行型ユーザーの本音「もう少し力がほしい」を反映したのだ。排気量拡大は、厳しさを増す環境規制/燃費規制への対応の側面もある。
 排気量2.4リッター、ボア×ストローク94×86mmのスペックを見ると、北米専売の3列シートSUV、アセント用がベースエンジンと思われがちだが、共通点は基本諸元のみ。GR86/BRZ専用設計だ。実力は1stモデルの207ps/212Nmから235ps/250Nmに大幅アップ。「実用域の扱いやすさを高めたうえで、高回転のキレのよさは2リッターと変わらない」と開発陣は語る(レッドゾーンは新旧とも7400rpm)。

 トランスミッションは6速MTと6速AT。進歩が著しいのはAT。ドライバーの意志と操作に忠実なシフトプログラムを実現するアダプティブ制御を新採用した。6速MTはシフトフィールの向上やノイズ低減、チューニング/モータースポーツユースで課題となった部分をリファインしたようだ。

 エンジンに合わせてシャシー側も大きく発展している。基本構造は従来型を大幅改良。そのうえで、スバルの次世代プラットフォーム、SGPで採用された「インナーフレーム構造」と「構造用接着剤」を水平展開。1stモデル比で「フロント曲げ剛性約60%アップ」、「ねじり剛性約50%アップ」を達成した。新型は従来のウイークポイントだったリア回りの剛性が大きく向上しているもようだ。

 剛性アップによる重量増は軽微。ルーフ/エンジンフード/フロントフェンダーをアルミ製に変更すると同時に細かい部品の見直しで、従来とほぼ同等の車両重量に仕上げた。公表値は1270kgである。
 サスペンションはフロントがストラット、リアはダブルウィッシュボーンと変更はない。タイヤは17/18インチと、1サイズアップした。

個性明快! ホットなGR86、BRZはクール指向

 GR86とBRZのセットアップはエンジン制御、シャシー、サスペンション(バネ/ダンパー/スタビライザー)、EPS制御など1stモデル以上に変更項目が多い。
 テストカーに試乗したが2台の差は歴然。キャラクターの違いがより明確になっていた。GR86は「ホット/野性味」、BRZは「クール/GT思想」が強いと感じた。

 運転支援システムはATモデルにアイサイトを標準装備。カメラの形状から推測するとバージョン3相当だが機能は限定のようだ。MTモデルは年次改良のタイミングで対応する可能性が高い。
 新型GR86/BRZは、車両全体で大幅なレベルアップを実現した。気になる価格は、「より多くの方に手が届く価格で提供する」と開発責任者は語る。発売はGR86が秋、BRZは夏の予定。「2代目のジンクス」覆す絶妙な仕上がりなのは間違いない。2台ともに、新時代のFRスポーツと呼ぶにふさわしい自信作である。

関連タグ

こんな記事も読まれています

【MotoGP】マルケス、ドゥカティへの適応を”完了”「あとは細かい部分に取り組んでいくだけ」
【MotoGP】マルケス、ドゥカティへの適応を”完了”「あとは細かい部分に取り組んでいくだけ」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「“クーペ風“SUV」初公開! 未来的&光り輝く「新生ホンダマーク」採用!? 流麗ボディの「Ye P7」北京に登場
ホンダ新型「“クーペ風“SUV」初公開! 未来的&光り輝く「新生ホンダマーク」採用!? 流麗ボディの「Ye P7」北京に登場
くるまのニュース
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!いよいよ外装のモディファイを開始します【vol.11】
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!いよいよ外装のモディファイを開始します【vol.11】
バイクのニュース
【MotoGP】バニャイヤ、スペインGP初日にラップレコード更新も”テスト”な1日「色々試せて、とてもハッピー」
【MotoGP】バニャイヤ、スペインGP初日にラップレコード更新も”テスト”な1日「色々試せて、とてもハッピー」
motorsport.com 日本版
ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
レスポンス
今年のレクサスSUVに注目!!  ランクル250ベースの[レクサスGX]登場!! 今年買えるレクサスSUV7選
今年のレクサスSUVに注目!!  ランクル250ベースの[レクサスGX]登場!! 今年買えるレクサスSUV7選
ベストカーWeb
6速MTあり! 全長5.4m超のトヨタ新型「タフすぎ車」発表! パワフルなハイブリッド搭載した「新型タコマ」約610万円から米で発売
6速MTあり! 全長5.4m超のトヨタ新型「タフすぎ車」発表! パワフルなハイブリッド搭載した「新型タコマ」約610万円から米で発売
くるまのニュース
JR中央本線の上空 一夜にして橋が出現! 名古屋‐中津川の国道19号バイパス「瑞浪恵那道路」
JR中央本線の上空 一夜にして橋が出現! 名古屋‐中津川の国道19号バイパス「瑞浪恵那道路」
乗りものニュース
ニューウェイがレッドブルを離れても、ライバルの獲得は2027年までお預け? 契約に不履行条項が存在か
ニューウェイがレッドブルを離れても、ライバルの獲得は2027年までお預け? 契約に不履行条項が存在か
motorsport.com 日本版
歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
WEB CARTOP
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
レスポンス
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
ベストカーWeb
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
くるまのニュース
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
AUTOSPORT web
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
くるまのニュース
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
バイクのニュース
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
レスポンス
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
ベストカーWeb

みんなのコメント

11件
  • ちゃんと86に見える
  • 6速MTはシフトフィールの向上やノイズ低減、チューニング
    問題視されてたのは強度面だけだと思うけど(笑)シフトフィールは良くは無いけど購入の判断には全く影響ないレベルだし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

330.0381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0585.0万円

中古車を検索
BRZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

330.0381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0585.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村