現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中上貴晶 vs 同世代ライバルたち! 実はMoto2・125cc時代から続いていたMotoGPへの出世争い

ここから本文です

中上貴晶 vs 同世代ライバルたち! 実はMoto2・125cc時代から続いていたMotoGPへの出世争い

掲載 更新 5
中上貴晶 vs 同世代ライバルたち! 実はMoto2・125cc時代から続いていたMotoGPへの出世争い

MotoGP昇格前夜、中上が繰り広げた出世争い

 7年にわたった中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)のMotoGPレギュラーライダーとしての挑戦は、2024年で幕を閉じる。

【画像】中上貴晶選手と同世代ライバルたちの画像を見る(10枚)

 1992年2月9月生まれの中上は、2008~2009年に125ccで2年、2012~2017年にMoto2で6年、今もMotoGPの中核を担う、まばゆいばかりの才能を持つ同世代のライバルとしのぎを削ってきた。

 MotoGP昇格前夜、日本のエースはいかに世界と互してきたのか、猛者たちとの戦いを振り返っていく。

“未知なる競合との遭遇”が連続した125cc時代

 まず125ccで立ちはだかったのは、現在WSBK(スーパーバイク世界選手権)を走るアンドレア・イアンノーネ(1989年8月9日生まれ)だ。

 I.C.チームで2008年、同チームながら改称したオンガッタ・チーム I.S.P.A.で2009年、イタリアの中堅チームでの2年間、イアンノーネとは同じチームで争った。

 2008年が参戦4年目のイタリアンに比べ、当時16歳の中上は、未経験のコース、初めてのアプリリアに苦戦。さらに2009年はイアンノーネにのみ進化型のRSA125が与えられ、中上はカスタマー仕様のRS125R。対抗できる状況ではなかった。

 また125ccではマルク・マルケス(1993年2月17日生まれ)、ヨハン・ザルコ(1990年7月16日生まれ)、今年はワイルドカード参戦にとどまるポル・エスパルガロ(1991年6月10日生まれ)、ホンダのテストライダーを務めるステファン・ブラドル(1989年11月29日生まれ)らとも遭遇するが、その中で群を抜いた結果を残したのはマルケスだ。

Moto2クラス1年目に再会した、後の絶対王者

 中上がMoto2クラスで世界へ戻った2012年、マルケスは前年ランキング2位の2年目。この年は17戦中9勝、完走したレース全て表彰台という圧倒的な成績で、2010年の125ccに続く2度目のチャンピオンに輝いた。

 当時は新たに昇格するライダーのファクトリー・チーム加入を認めない『アンチ・ルーキー・ルール』が存在していたが、シーズン中の撤廃を受け、2013年からのレプソル・ホンダでのMotoGP参戦が決定。後に最高峰クラスで絶対王者と評される活躍を見せることは周知の通りだ。

ザルコとは125cc・Moto2時代から速さを競う

 LCRホンダの同僚として競い合うザルコとも、クラスを変えつつ数年にまたがって相まみえている。

 125cc以来となるMoto2新人同士での2012年の争いは、ザルコ最高4位に対し、最高5位。シングルフィニッシュ数、完走数でも上回ったザルコがランキング10位でルーキー・オブ・ザ・イヤー。中上は新人2番目の15位で終えた。翌2013年はポディウム5回の中上が総合8位、ザルコ9位と逆転。その後は2015~2016年と連覇したザルコの後塵を拝すことが増えるが、現在の戦いぶりを見ても本来同等のスピードを備えていることは間違いないだろう。

2018年、同時にMotoGPへ昇格したモルビデリ

 2013年にワイルドカードでMoto2にデビューしたフランコ・モルビデリ(1994年12月4日生まれ)は、中上と同じ2018年にMotoGP昇格を果たしている。

 モルビデリがフル参戦を開始した2014年、中上はイタルトランス・レーシングから岡田忠之が監督を務めるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアに移籍。発足2年目のチームが新たに採用したカレックス製フレームのセッティングを煮詰められなかったこともあり、ランキング22位と大不振。一方、モルビデリは最高5位と初年度からまずまずの成績を残すが、続く2015年は怪我もあって総合10位。復調した中上が8位と盛り返した。

 共にMoto2最終年となった2017年はモルビデリにタイトルをさらわれたが、中上も優勝1回を含む4度の表彰台と、トップレベルの速さを示した。

Moto2後半、徐々に増えてきた年下のライダー

 マーベリック・ビニャーレス(1995年1月12日生まれ)も2014年のみMoto2で戦っている。前年にMoto3王座を戴冠したビニャーレスは、勢いそのまま4勝を挙げ、1年でMoto2を卒業。

 2015年からの2年間はアレックス・リンス(1995年12月8日生まれ)とも争った。参戦5戦目でポールポジションを獲得したリンスは初年度から2勝を挙げてランキング2位。2016年も2勝を含む7回のポディウムで総合3位。中上より1年早い2017年にチーム・スズキ・エクスターから最高峰クラスに昇格した。なお2021年にコンビを組んだアレックス・マルケス(1996年4月23日生まれ)もリンスと同じ年にMoto2へ上がってきている。

 2016年は前年Moto3ランク2位のミゲル・オリベイラ(1995年1月4日生まれ)、現在レプソル・ホンダ所属のルカ・マリーニ(1997年8月10日生まれ)、2017年は後にMotoGPチャンピオンとなるファビオ・クアルタラロ(1999年4月20日生まれ)に加え、2022~2023年のMotoGP王者、フランチェスコ・バニャイア(1997年1月14日生まれ)、Moto3タイトルを引っ提げたブラッド・ビンダー(1995年8月11日生まれ)らがMoto2にデビューし、覇を競った。

 Moto2後半は年下が増えてきたように、32歳の中上がMotoGPの一線から退くのは自然な流れ、世代交代が進みつつあることの証左なのかもしれない。しかし、下位カテゴリーから続く250戦以上に及ぶ軌跡は、後に続く日本人ライダーの道標となることだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍選手。2024年シーズンのキーポイントと、2年前からの向上とは
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍選手。2024年シーズンのキーポイントと、2年前からの向上とは
バイクのニュース
太田格之進の代役でクラフト・バンブーから参戦するオリベイラが予選最速。王者獲得に向け「明日が楽しみ」
太田格之進の代役でクラフト・バンブーから参戦するオリベイラが予選最速。王者獲得に向け「明日が楽しみ」
AUTOSPORT web
【MotoGP】スプリント17位で終えた中上貴晶、いよいよラストレースに「可能な限り最高の結果を出せるように頑張ります」
【MotoGP】スプリント17位で終えた中上貴晶、いよいよラストレースに「可能な限り最高の結果を出せるように頑張ります」
motorsport.com 日本版
古いバイクが白熱バトル!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が感じた「テイストオブツクバ」の楽しみ方とは
古いバイクが白熱バトル!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が感じた「テイストオブツクバ」の楽しみ方とは
バイクのニュース
予選最速のトヨタ、マティアス・ロッシは届かず。王者リオネル・ペーニャが3連覇達成/TC2000第10戦
予選最速のトヨタ、マティアス・ロッシは届かず。王者リオネル・ペーニャが3連覇達成/TC2000第10戦
AUTOSPORT web
7年間のMotoGP参戦終える中上貴晶のこれまでと”これから”。ホンダ苦境の内側と、今後の恩返しプランをロングインタビューで語る
7年間のMotoGP参戦終える中上貴晶のこれまでと”これから”。ホンダ苦境の内側と、今後の恩返しプランをロングインタビューで語る
motorsport.com 日本版
MotoGPフル参戦終える中上貴晶、2025年テスト予定は「12月にもホンダと話す」母国生活に慣れるのが最初の関門
MotoGPフル参戦終える中上貴晶、2025年テスト予定は「12月にもホンダと話す」母国生活に慣れるのが最初の関門
motorsport.com 日本版
リセールプライス節目の第50回 前回に引き続きホンダ「X-ADV」が首位に
リセールプライス節目の第50回 前回に引き続きホンダ「X-ADV」が首位に
バイクのニュース
サンパウロで王座に近づいたフェルスタッペン。4度目のタイトル獲得なら「偉大なドライバーのひとりになる」と代表
サンパウロで王座に近づいたフェルスタッペン。4度目のタイトル獲得なら「偉大なドライバーのひとりになる」と代表
AUTOSPORT web
トヨタ、2025年のWEC参戦体制を発表。強力なドライバーラインアップ変わらず、タイトル7連覇目指す
トヨタ、2025年のWEC参戦体制を発表。強力なドライバーラインアップ変わらず、タイトル7連覇目指す
motorsport.com 日本版
ホルヘ・マルティン、MotoGPの新王者に輝く! バニャイヤ11勝達成も3連覇ならず|MotoGP最終戦ソリダリティGP
ホルヘ・マルティン、MotoGPの新王者に輝く! バニャイヤ11勝達成も3連覇ならず|MotoGP最終戦ソリダリティGP
motorsport.com 日本版
ドゥカティ、マルティンに白旗宣言?「マルティンを”撃ったりしない限り”4位以下にはならないだろう」
ドゥカティ、マルティンに白旗宣言?「マルティンを”撃ったりしない限り”4位以下にはならないだろう」
motorsport.com 日本版
速報|ホルヘ・マルティン、初のMotoGPタイトル獲得! ロッシ以来初のサテライトライダー戴冠の偉業
速報|ホルヘ・マルティン、初のMotoGPタイトル獲得! ロッシ以来初のサテライトライダー戴冠の偉業
motorsport.com 日本版
TOYOTA GAZOO Racingが2025年シーズンWEC参戦体制発表。不変の体制で王座防衛目指す
TOYOTA GAZOO Racingが2025年シーズンWEC参戦体制発表。不変の体制で王座防衛目指す
AUTOSPORT web
マルケス、バルセロナテストで新旧バイクを乗り比べへ。プロトタイプはドゥカティのコンビに最適?
マルケス、バルセロナテストで新旧バイクを乗り比べへ。プロトタイプはドゥカティのコンビに最適?
motorsport.com 日本版
優れたチームプレーヤーであることを示したピアストリ。終盤戦は“自由の身”、僚友に勝てる実力を再び証明する時間に
優れたチームプレーヤーであることを示したピアストリ。終盤戦は“自由の身”、僚友に勝てる実力を再び証明する時間に
AUTOSPORT web
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
AUTOSPORT web
ふたつの2冠達成なるか。WEC新王者ファントール、マカオ2勝目とFIAダブルタイトルを「夢見ている」
ふたつの2冠達成なるか。WEC新王者ファントール、マカオ2勝目とFIAダブルタイトルを「夢見ている」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

5件
  • マロッシルク
    結果が全ての世界で結果か全く出せなかったのが残念
  • xee886366
    長い期間お疲れ様でした。
    こうやって世代交代は仕方ないです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村