現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ボッシュが二輪車の電動化への道を切り開くソフトウエアソリューションと新しいパワートレインを開発

ここから本文です

ボッシュが二輪車の電動化への道を切り開くソフトウエアソリューションと新しいパワートレインを開発

掲載 更新
ボッシュが二輪車の電動化への道を切り開くソフトウエアソリューションと新しいパワートレインを開発

デジタル、ネットワーク化、電動化など、モビリティの世界は変化しており、二輪車も同様に変化している。ボッシュは、すでにモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)によって二輪車走行の安全性を高めたが、さらに多くのイノベーションを準備している。

革新的なライダー アシスタンス システムやパワートレインシステムに加え、新しい電動化ソリューションとスマートなネットワーク化ソリューションにより、ボッシュは二輪車セグメントでも快走を続けている。とりわけ、二輪車市場でも重要性が増しているソフトウェアソリューションは、ボッシュをさらなる飛躍に導く可能性を秘めている。

ポルシェ「タイカン4S」で行くLA郊外ワイナリーの旅

ボッシュのモーターサイクル&パワースポーツ事業部長のジェフ・リアッシュ氏は、ミラノで開催されたEICMA 2023モーターサイクルショーで次のように述べた。

「二輪車の世界が根本的に変化しつつある中、ボッシュは二輪車を未来にふさわしいものにしていきます。ボッシュが有するソフトウェアとeモビリティに関する豊富な知見を、二輪車の世界にも適用していきます」

二輪車とパワースポーツ車両向けのボッシュのソリューションに対する需要は拡大しており、業績も伸びている。不安定な経済環境にもかかわらず、ボッシュのモーターサイクル&パワースポーツ事業部門の年間売上高は、2019年から2023年にかけて平均8%増加した。なお、同期間における世界の二輪車市場の年平均成長率はわずか1~2%。

ボッシュは、現在と未来の二輪車、四輪バギーおよびサイド バイ サイド、スノーモービルに関する最先端のアイデアとソリューションに取り組んでおり、従業員数は全世界で合計約500人、2016年と比較して3倍に増えた。同時に、チームは多くの開発者とエンジニアが所属するボッシュモビリティのネットワークも利用することができる。

「ボッシュは二輪車市場におけるイノベーションを牽引しています。個々のコンポーネントから包括的なシステムソリューションまで、幅広くお客様である車両メーカーへ提供しており、技術面でも事業面でも大きな成果を挙げています」とリアッシュ氏は語る。

ライディングの楽しさと技術進歩を兼ね備えたボッシュのテクノロジー

自動車セクターで標準的になりつつあるファンクション・オン・デマンドは、二輪車でも導入の動きが見られる。これに関しても、ボッシュは企業としての強みである、技術進歩とライディングの楽しさを兼ね備えたソリューションを開発している。ボッシュのソフトウェアソリューションにより、二輪車ライダーは車両購入後でも新しい機能をインストールすることができる。

「車両メーカーにもよりますが、将来的にライダーは必要に応じて機能をアップデートして追加することができ、車両購入時から買替えまでの期間全体を通じて、それぞれの好みに合わせてライディング経験をカスタマイズできるようになります。ボッシュはシステムに関する包括的な専門知識を備えているので、あらゆる主要な車両機能に関するアップデートを設計することが可能です」とリアッシュは話した。

こうして、必要に応じて、サーキットやオフロードで使用するための特別または先進的な走行モードや、長距離走行に適した、利便性向上につながる機能を追加することができる。さらに、ライダーの所有するスマートフォンから簡単にアップデートを行うことができる。新機能を車両メーカーのアプリでダウンロードすれば、これが二輪車に適用される。

車両メーカーの観点からみると、このソリューションは電動二輪車にも適している。たとえば、各国の要件や運転免許証の種類に応じて、異なる速度でスロットルを設定したり、解除したりすることができる。ボッシュは同じ機能アーキテクチャによるOTA(Over-the-Air)でのソフトウェアアップデートも可能にする。

これらは、たとえば、関連するアップデートや車両機能の改善のために、ライダーのスマートフォンのアプリを介してクラウドからダウンロードし、二輪車やパワースポーツ車両にアップロードすることができる。こうして、安全性と利便性が向上すると同時に、車両メーカーによる市場へのサービス提供の迅速化やイノベーションのさらなる推進にも役立つ。

ボッシュが導入する出力6kWの新しい電動ドライブ

ボッシュが技術進歩を進めている分野はソフトウェアだけではない。ハードウェア面では、内燃機関における高効率なエンジン制御技術にも注力しつつ、電動パワートレイン向けソリューションのための新規開発にも取り組んでいる。ボッシュは、2026年までにeモビリティに関するグループ全体の売上高を60億ユーロにすることを目標としており、この方針はモーターサイクル&パワースポーツ事業部門にも大きく影響している。

「特にアジア諸国には、二輪車がモビリティの中心的な役割を担う国も多くあります。二輪車の電動化は、現地の大気環境と生活の質の大幅な改善に貢献する可能性があります」とリアッシュ氏は述べている。

従来は3kW以下の小出力クラスの電動ドライブシステムに焦点が当てられてきたが、ボッシュは現在、新たな市場セグメントを開拓しており、統合型の6kW電動ドライブは、ライディングの楽しさと日常の実用性とを兼ね備えたものとなっている。この優れた性能の新しいモーターは、市街地環境と全国を縦断するような長距離の旅のどちらにも適した、大型スクーターや正統な二輪車などの車両アーキテクチャに最適。

「2025年にボッシュの新しい6kWモーターの生産が開始されると、車両メーカーは現時点では内燃機関技術を採用することが多い二輪車セグメントの車両を電動化できるようになるでしょう。こうして、都市部での日常的なモビリティのニーズに対する需要を満たすだけでなく、郊外でライディングを楽しみたいという欲求にも応えることができます」と、リアッシュ氏は語った。

ボッシュの新たな6kW電動ドライブは、ビークルコントローラーとインバーターを電動モーターに統合し、単一の製品でモーター制御が可能となる2-in-1ソリューション。このような「ワンボックス」ソリューションのコンパクト設計により、ボッシュの乗用車向けのeAxleと同様、車両内にバッテリーを搭載する十分なスペースを確保することができる。さらに、このモーターはパッシブクーリング技術を採用しており、複雑な水冷システムではなく、空気の流れによってドライブを冷却する。ボッシュの新しい電動モーターの採用により、車両メーカーはシステムコストの削減が可能となる。

関連情報:https://www.bosch.co.jp

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レクサスの小型クロスオーバー『UX300h』にスポーティとエレガントなふたつの特別仕様車が登場
レクサスの小型クロスオーバー『UX300h』にスポーティとエレガントなふたつの特別仕様車が登場
AUTOSPORT web
ピックアップがいまプチ人気! マー坊の中古車も高い! だったら「トライトンミニ」を出せば売れるんじゃ……の可能性をマジメに考えてみた
ピックアップがいまプチ人気! マー坊の中古車も高い! だったら「トライトンミニ」を出せば売れるんじゃ……の可能性をマジメに考えてみた
WEB CARTOP
HKS、スポーツサス「HIPERMAX R」のレート変更用スプリングを単品販売へ
HKS、スポーツサス「HIPERMAX R」のレート変更用スプリングを単品販売へ
レスポンス
スバルの2024年4~9月期決算、円安効果で営業利益19.5%増 米国の競争激化で通期見通しは据え置き
スバルの2024年4~9月期決算、円安効果で営業利益19.5%増 米国の競争激化で通期見通しは据え置き
日刊自動車新聞
トヨタ「4ランナー TRD サーフコンセプト」が「SEMAショー2024」に登場。往年のピックアップトラックをオマージュ
トヨタ「4ランナー TRD サーフコンセプト」が「SEMAショー2024」に登場。往年のピックアップトラックをオマージュ
Webモーターマガジン
スマホ屋のEVが「世界最速の4ドアセダン」に、3モーターで1548馬力『SU7 Ultra』発表
スマホ屋のEVが「世界最速の4ドアセダン」に、3モーターで1548馬力『SU7 Ultra』発表
レスポンス
ボート競技に魅入られた女性の情熱と紙一重の狂気『ノーヴィス』
ボート競技に魅入られた女性の情熱と紙一重の狂気『ノーヴィス』
バイクのニュース
【スクープ】トヨタ「スプリンターカリブ」の名が復活!? カローラTREKよりもパワフルで、SUVテイストに
【スクープ】トヨタ「スプリンターカリブ」の名が復活!? カローラTREKよりもパワフルで、SUVテイストに
LE VOLANT CARSMEET WEB
BASF、2024-2025年の 自動車のカラートレンド予測を発表: コレクションのテーマは「ROUTING」(最適な経路選択)
BASF、2024-2025年の 自動車のカラートレンド予測を発表: コレクションのテーマは「ROUTING」(最適な経路選択)
AutoBild Japan
マツダの若者向け「斬新コンパクトカー」! 個性的な“丸目フェイス”採用した「カスタマイズ仕様」に大注目!“謎の小窓”も搭載の「隠れ家的モデル」とは
マツダの若者向け「斬新コンパクトカー」! 個性的な“丸目フェイス”採用した「カスタマイズ仕様」に大注目!“謎の小窓”も搭載の「隠れ家的モデル」とは
くるまのニュース
三菱ふそうエアロキング&日野プロフィア3軸牽引車を自ら操る! 運転体験ツアー企画
三菱ふそうエアロキング&日野プロフィア3軸牽引車を自ら操る! 運転体験ツアー企画
レスポンス
バニャイヤ、セパン初日トップタイムで逆転に向け好発進! マルティン転倒も2番手確保|MotoGPマレーシアGPプラクティス
バニャイヤ、セパン初日トップタイムで逆転に向け好発進! マルティン転倒も2番手確保|MotoGPマレーシアGPプラクティス
motorsport.com 日本版
【新グレード追加】レクサス「LBX」にエレガントを設定 ニーズに寄り添う選択肢を提供
【新グレード追加】レクサス「LBX」にエレガントを設定 ニーズに寄り添う選択肢を提供
AUTOCAR JAPAN
【Wheel Catalog 2024 Winter】すべてのカーライフを個性的に彩る、ウェッズ流2ピースマジック「マーベリック・1613M」
【Wheel Catalog 2024 Winter】すべてのカーライフを個性的に彩る、ウェッズ流2ピースマジック「マーベリック・1613M」
LE VOLANT CARSMEET WEB
ポルシェ963からフェラーリ499Pへ。バトンの僚友、フィル・ハンソンがAFコルセ83号車に加入
ポルシェ963からフェラーリ499Pへ。バトンの僚友、フィル・ハンソンがAFコルセ83号車に加入
AUTOSPORT web
小さいミニがついに出た! 全幅1755mm、新型「エースマン」は元気で電気なクロスオーバーSUV【試乗レビュー】
小さいミニがついに出た! 全幅1755mm、新型「エースマン」は元気で電気なクロスオーバーSUV【試乗レビュー】
くるくら
マセラティ史上最もパワフルなサーキット専用スーパースポーツカー、「MCXtrema」が英国に到着!
マセラティ史上最もパワフルなサーキット専用スーパースポーツカー、「MCXtrema」が英国に到着!
LE VOLANT CARSMEET WEB
マツダ、「MXー30」を一部改良 安全装備の機能を向上 特別仕様車も設定
マツダ、「MXー30」を一部改良 安全装備の機能を向上 特別仕様車も設定
日刊自動車新聞

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村