2月22日、ベントレーは約1年後の2024年4月をもって同ブランドを象徴するW型12気筒ツインターボ・ガソリンエンジンの生産を終了すると発表した。
ベントレーは2030年までにすべてのモデルラインアップを電動化し、車両平均の二酸化炭素排出量を0kg/kmとする“ビヨンド100”を掲げている。6.0リットルW12エンジンの生産終了はこの戦略の一環であり、同ブランドの取り組みがさらに加速することを意味する。
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すでにベントレーのモデルでは『ベンテイガ』と『フライングスパー』にハイブリッド車が導入されているが、2024年には全モデルにハイブリッド・パワートレインのオプションが用意されるという。
一方、2003年にベントレーを代表するモデルである『コンチネンタルGT』に初めて搭載され、その後20年間にわたってイギリスのラグジュアリーカーブランドを象徴してきたW12エンジンは、その歴史に幕が下ろされることになった。
6.0リットルW型12気筒ツインターボが初めて導入されて以来、ベントレーのエンジニアリングチームは、パワー、トルク、排気ガス、洗練性の面でエンジンの性能を継続的に向上させてきた。この20年間での進化は出力で37%、トルクは54%向上。排気ガスは25%削減されている。また、2015年にはベンテイガの発売にあたって完全に再設計され、気筒休止、直噴およびポート噴射、ツインスクロールターボを特徴とするエンジンとなり、現在もこのバージョンが生産されている。
そんなW12エンジンの有終の美は、最高出力750PSまで高められた過去最強バージョンによって飾られる。最大トルク1000Nmを発生させるこのエンジンの開発は最近終了し、マリナーが製作するわずか18台の『バトゥール』に搭載される予定だ。なお、バトゥールは限定台数が完売している。
「持続可能なラグジュアリーモビリティを目指す私たちの進歩的な旅は、ベントレーモーターズのあらゆる分野に変化をもたらすことを意味する」と語るのは、ベントレーの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマーク。
「2003年に初めてW12を発表した時、私たちは車とブランドの両方をスピードアップさせる強力なエンジンを手に入れたと確信した。20年の歳月と10万台以上のW12を経た後、私たちは電動化に向けて前進するため、このアイコニックなパワートレインを引退させることになる」
「しかし、ベントレー史上もっともパワフルなエンジンで、最高の見送りをすることも忘れてはいない。マリナーがバトゥールのために作り上げた750PSの巨人は、我々のエンジニアリングと製造に携わる者にとって、非常に誇りに思える開発の旅の終わりを意味する。来年4月の生産終了後、我々は、現在も手作業でエンジンを作っているすべての熟練工の再教育と再配置を行う予定だ」
来年春の生産終了までに累計10万5000基以上が納入される見込みであるW12。同エンジンの搭載車は前述のとおり、完売済みのベントレー・マリナー・バトゥールが最後になるが、659PSバージョンのW12エンジンを積む『コンチネンタルGT マリナー』および『フライングスパー マリナー』は若干数ではあるものの引き続きオーダーが可能となっている。
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