新車の人気のバロメーターとなるのが、販売台数と納車までの期間だ。登録車、軽自動車ともに新車販売台数のランキングは発表されているが、納車までの期間は各自動車メーカーのホームページか販売店で確認しないとわからない。つまり、納車期間の長いクルマはランキングに表れない人気モデルと言えるだろう。
その隠れ人気モデルの代表格が、スズキ『ジムニー』だ。ココでは新車の納車期間とともに現行型ジムニーの最新中古車事情を紹介する。
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文/萩原文博
写真/SUZUKI、編集部
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■新車もあるが、約1年弱の納車待ちが必要
4代目となる現行型ジムニーは2018年7月から販売開始した。「ラダーフレーム」「FRレイアウト」「副変速機付パートタイム4WD」そして「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」というジムニー伝統のシャシーや駆動方式を継承し、ほかのモデルとは共通部品が少ないオリジナルモデルとなっている。
加えて、「プロの道具」をデザインコンセプトに、機能に徹した潔さをデザインコンセプトに最近のSUVでは珍しいスクエアなボディデザインを採用。
また、ボディカラーも9色のモノトーンに加えて、4パターンのツートーンカラーを加えるなどオシャレさも追求。この結果、従来のジムニーユーザーだけでなく、新たなユーザーの獲得に成功し、大ヒットとなった。
溢れ出る「道具感」が好きな人の心を捉えて離さない
しかし、ジムニーはその特殊性から生産ラインも限られており、年間の国内販売目標台数が1万5000台。ひと月あたり1250台という限られた生産台数だったこともあり、新車の納車期間が最大2年という異例の長さとなってしまった。
ただ販売店に確認したところ、生産ラインの拡充などメーカーの努力により、現在はジムニーのAT車が約1年、MT車が約7~8カ月。そしてツートーンカラーはそれぞれプラス1カ月というように納車時期は早まっているという。
新車は自分の好みに仕上げられる楽しみがあるものの、納車までは最大1年という期間が必要となる。しかし、現行型ジムニーも登場から2年半が経過し、中古車も出回っており中には未使用車と呼ばれる高年式、走行距離の少ない中古車も出回っている。それでは現行型ジムニーの中古車相場を見てみよう。
■中古車価格高騰は落ち着いてきた?
現在、現行型ジムニーの中古車の流通台数は約900台。約1年半前の2019年11月の時点では約230台だったので、この1年半で約4倍に増加している。
一般的には中古車の流通台数が増加すると平均価格は下がるもの。しかし、新車の納期が長期化している現行型ジムニーの中古車平均価格は1年半前が約224万円だったが、現在も約221万円とほぼ横ばいで推移しているのだ。
軽自動車だけでなく、登録車を含めた現行モデルでこれほど値落ちが進まない車種は数少ない。そして、現行型ジムニーの中古車の価格帯は約150万~約388万円と新車価格を上回る中古車も数多く流通しているのが特徴だ。
流通している中古車のうち車両本体価格250万円以上のクルマはほとんどがリフトアップされたカスタムモデル。購入してカスタマイズを考えている人であれば、このような未使用車をベースにカスタムしたクルマを購入したほうがお得と言える。
また2020~2021年式、走行距離500km以下で検索すると実に約540台がヒットする。これがいわゆる未使用中古車と言われるモノだ。走行距離が7kmといった低走行距離でコンディションはほぼ新車といえる状態だ。
左が『ジムニーシエラ』、右が『ジムニー』。中古でもカスタムカーは新車価格を上回るが、未使用中古車レベルの車両は新車価格程度まで落ちてきた
この未使用中古車の価格帯は約160万~約250万円で、200万円以下のプライスを付けたクルマも約65台流通するなど新車時価格を上回るプレミアム価格は脱してきている。
現行型ジムニーの中古車のグレード構成は、約700台と最も多いのが最上級グレードの「XC」。次いで多いのが約120台の「XL」、そして約80台の「XG」と車両本体価格の高い順に並んでいる。
しかし中古車では最上級グレードのXGが最安値となっているように、ジムニーの中古車においてグレードはあまり関係ない様子。
非常に人気が高いから、中古車価格もなかなか落ちないようだ
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ボディカラーは、ジャングルグリーンと呼ばれる緑が最も多く約250台。黒が約240台とこの2色が2強を形成。そして、性別問わず似合いそうなアイボリーが約112台、ホワイトが約100台、個性的なイエローが約92台と続いていて、自分の好みのボディカラーも選びやすくなっている。
クルマは欲しい時が買い時! と言われているように、すぐに乗りたいもの。しかし現行型ジムニーの新車はこれからオーダーすると早くても納車はこの冬となる。待ちきれないというのであれば、豊富に流通している中古車から自分の好みにあったクルマを見つけて、すぐに手に入れるのが得策と言えるのではないだろうか。
こちらは登録車サイズの『ジムニーシエラ』。新車の納車まで待てない人は、中古車を選択肢にするのもアリかもしれない
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