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【試乗】プジョー408は、今までにない「新種」ながらプジョーの血脈を感じさせてくれた

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【試乗】プジョー408は、今までにない「新種」ながらプジョーの血脈を感じさせてくれた

プジョー久々のニューモデル「408」が日本にやって来た。まずは試乗会で短時間ながら試乗ができたので、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

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過去の「400シリーズ」とは別の新種と謳っているが・・・
プジョーの「400シリーズ」というと、1980年代後半から21世紀初頭に日本でも人気を集めた中核モデル、405~406~407といったスポーティセダン(ワゴンやクーペもラインナップされていたが)を思い出すのは、ちょっと年配のクルマ好きかもしれない。だがプジョーでは、この408は過去の400シリーズとはまったく別の「新種」と謳っている。

たしかに、そのスタイリングは普通のセダンともクーペともワゴンとも、そしてSUVとも違う、独特のものだ。まさに、本来の意味での「クロスオーバー」的なモデルだ。だが、短時間の試乗でも実際に走らせてみると、プジョーの血脈ともいえる「走りの良さや楽しさ」は受け継がれている。21世紀も20年を過ぎた今、これがスポーティセダンの進化系なのかもしれない。

まずは、そのスタイルをあらためて見てみよう。ロングルーフの5ドア ファストバックというのは、いままでのプジョー車にはないボディタイプだ。全長は4.7m、全幅も1.85mと、Cセグメントとしては大きな部類に属する。SUVほどヘビーデューティなイメージではないが、大径タイヤでロードクリアランスを170mmもとり、それでも全高は立体駐車場をクリアする1.5mにおさえている。

ルーフにまでプレスラインの入るエッジの効いたボディデザインは、「クールビューティ」と形容できるだろうか。フレームレスのフロントグリルはボディカラーとコーディネートされ、ライオンの牙をモチーフにしたデイタイムランニングランプはターンシグナルとのダブルファンクション、テールランプもライオンの爪をモチーフにした3本のLEDと、ディテールにも凝っている。

インテリアは、基本的には308のものをベースにしているが、最近のプジョー車に共通のiコクピットはメーターパネルが3D表示になり、センターダッシュには10インチのタッチスクリーンも備え、もはやセグメントを超えたクオリティの高さを感じさせてくれる。

思った以上に重厚な走りっぷりのハイブリッド
試乗車は、プラグインハイブリッド車(以下、PHEV)の408 GTハイブリッド。ただし、今回は試乗会の最後のワクのため充電時間などの制約から、モーターのみでEV走行ができるほどバッテリーが充電できなかったことをお断りしておく。

小径ステアリングホイールの上からメーターを見る独特のポジションも、けっこう慣れた。ドライブモードはハイブリッドで、スイッチ式のシフトをDに入れてスタート。プジョーのPHEVはエンジンとトランスミッションの間にモーターを挟む1モーターのパラレルハイブリッドで、走行中は減速時の回生で充電したり、エンジン走行時に発電したモーターがアシストする。

それでも、1.6Lターボは単体でも180psを発生するし、少しアクセルペダルを踏み込めばモーターのアシストが入るから、その加速力は十分。しかもアシストは自然で違和感はない。パワートレーンのサウンドは全体的に低く抑えられており、市街地でも首都高速でも静かだ。路面の継ぎ目やちょっとした不整路面でも乗り心地は良く、けっこうどっしりとして重厚感もあるほど。

今回は、市街地と首都高速での短時間の試乗であり、ワインディングロードのようなシチュエーションはなかったが、ドライブモードをスポーツにするとエンジンとハンドリングのレスポンスがアップする。トップレベルのものが装備されたADASも試乗時間の関係でほとんど試せなかったが、高速クルージングは快適に過ごせそうだ。じっくりと乗ってみたい、そんな想いを抱かずにはいられなかった。

普通のセダンやハッチバックより目線はわずかに高いが気になるレベルではなく、乗り降りも自然。リアシートは、308ハッチバックより約19cm長いフットスペースというだけあって足下は広く、ロングルーフのおかげでクーペスタイルながらヘッドスペースも十分にある。おとな3人で乗車しても不満は出にくいだろう。

ラゲッジスペースもSUVの3008より広く、PHEVはリアシート使用時で471L/リアシートを全倒すれば1545L、エンジン車(以下、ICE)なら536/1611Lと、同クラスのワゴンに匹敵するほどだ。RVとしての使い勝手も十分に高そうだ。

かなり性格の違うICE版。選択は、けっこう悩ましいかも
PHEVに試乗後、短時間だがICE版の408 GTにも乗ってみた。グレードは同じなので、外観での違いはPHEVは左リアフェンダー上の充電ポートの有無くらいだ。こちらのパワーユニットは130psと230Nmを発生する1.2Lの直3ターボ。

こちらのほうがエンジンサウンドは元気が良く(騒がしいという意味ではない)、乗り心地も少し硬め。それでも、PHEVより300kg近く車両重量は軽いから、軽快感は段違い。低速時こそATのレスポンスが少し気になるが、パドルシフトを駆使して走りを楽しむ・・・なんてシチュエーションはPHEVより向いているようだ。

内外装はほとんど同じとはいえ、パワートレーンで性格はけっこう異なる2台。そして車両価格は130万円も違う。PHEVのほうが経済性が高いとはいえ、ランニングコストで130万円の差を埋めるにはかなりの時間と走行距離が必要となるだろう。

408は、けっしてニッチなクルマではなく、プジョー初のボディタイプは女性にもお勧めしたいオシャレなスタイルだ。日本車でも似たようなスタイリングのモデルが登場しているし、このクロスオーバーというボディタイプは、SUVやミニバンの次を模索している人たちの新たなトレンドになるかもしれない。

そう考えると、408を選ぶならPHEVかICEか、ますます悩んでしまう。使い方と予算を考慮して、ということになるのだろうが、そうやって悩んでいるときが、じつはクルマ好きにはイチバン幸せな時間ともいえるかもしれない。(写真:Webモーターマガジン編集部)

プジョー408 GTハイブリッド 主要諸元


●全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm
●ホイールベース:2790mm
●車両重量:1740kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1598cc
●最高出力:132kW(180ps)/6000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1750rpm
●モーター最高出力:81kW/2500rpm
●モーター最大トルク:320Nm/500−2500rpm
●システム合計最高出力:225ps
●システム合計最大トルク:360Nm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・40L
●WLTCモード燃費(ハイブリッド):17.1km/L
●タイヤサイズ:205/55R19
●車両価格(税込):629万円

プジョー408 GT 主要諸元


●全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm
●ホイールベース:2790mm
●車両重量:1430kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1199cc
●最高出力:96kW(130ps)/5500rpm
●最大トルク:230Nm(23.5kgm)/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・52L
●WLTCモード燃費:16.7km/L
●タイヤサイズ:205/55R19
●車両価格(税込):499万円

[ アルバム : プジョー 408 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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