高級車を買って、見栄を張りたい、女にモテたい! お金持ちに見られたい……。バブル全盛期にはこうした人たちはたくさんいたのだが、おそらく、願望も含めて見栄を張りたい男は、今もいるのではなかろうか。
そこで本企画では、単に高額な新車ではつまらないので、見栄を張れる高級中古車があるのか、中古車事情に詳しい伊達軍曹がお薦めの激安高級中古車を解説する。
急騰? 品切れ?? 下落??? あの時どうしても買えなかった憧れの限定車の中古車事情
文/伊達軍曹
写真/トヨタ、メルセデス・ベンツ、ポルシェ
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■激安中古車で見栄を張るのは実は「茨の道」だった
激安の割りには高額車に見える。そんな激安中古車を探してみた
激安な中古車で見栄を張る。すなわち、実際は安価な中古車なのだが、高価なクルマに乗れている金持ちであること装う。
私の場合は「中古車で見栄を張る」という趣味は持ち合わせておらず、さらには電車内では妊婦さんに席を譲り、横断歩道では老婆の手を引くという、超絶品行方正な人間でもある。
だが品行方正であると同時に、「モテたい」「実態以上のお金持ちに見られたい」と心のどこかでは思っている、浅ましくてダサい生物でもあることを否定しない。
だからこそ私は、もしも貴殿が「激安中古車で見栄を張りたい!」と思うのであれば、それを全力でサポートしたいと思っている。
だが「中古車で見栄を張る」というのは、実は茨の道である。
その実現自体がなかなか難しく、失敗した際には「だっさ……」と嘲笑される。それが、「激安中古車で見栄を張る」という行為だ。
それでも貴殿はチャレンジする気があるだろうか?
……ネット越しの質問なので答えはイマイチわからないが、「応!」という返答が一部から聞こえたような気がするので、気のせいかもしれないが、このまま話を進めたい。
■激安中古車のパターンは2つ
まずは基本構造の理解から始めよう。「激安な中古車なのに、実態以上の金持ちに見られる」という現象の発生原因は、以下の2パターンに大別される。
●パターン1「地主型」
大地主でウハウハの金持ちなのだが、普段は倹約の精神でもって生きている多くの地主さんは、華美なクルマや華美な衣服を嫌い、地味なポロシャツとスラックス姿とかで、地味な国産セダンあたりに乗っている場合が多い。
激安中古車を使ってそういった「地主っぽい雰囲気」を醸成(偽装)することができれば、成功の確率は高まるだろう。
●パターン2「認知差型」
ベストカーwebを熱心に読んでいるような人は新車の価格に詳しいだけでなく、中古車の相場もあらかた把握している。それゆえ、例えば総額100万円程度でも買える先々代X5で調子に乗っている者を見れば、「www」とあざ笑う。
だが先々代X5の中古車相場を把握している者など、全日本国民の1割にも満たない。ほとんどの国民は、「BMWのでっかいSUV=なんか高そう」という程度の認知でしかないのだ。この「認知の差」を上手に利用すれば、成功の確率は高まるのである。
■激安でも見栄を張れる中古車(地主型)その1/トヨタセルシオ(3代目最終型) 中古車相場:30万~230万円
3代目のセルシオ最終型(2000年~2006年)。エンジンは従来の4Lから4.3L、V8DOHCに変更された。2006年5月の生産終了後は最高級セダンの座をレクサスLSに譲った
3代目セルシオの中古車情報はこちら!
では、基本構造を理解したうえで具体例へと進もう。言わずとしれたトヨタセルシオの最終世代(2000~2006年)である。
「最終型とはいえ、セルシオはさすがに古すぎるだろ!」という声もあるかもしれないが、何をおっしゃる、この「古さ」こそがいいのだ。
「低品質な安物をひんぱんに買い替えるのではなく、高くても“いいモノ”を買い、長期にわたって使う」というのが、地主に代表される「ぽっと出ではない金持ち」に共通する生活様式。
その生活様式を逆手に取り、今や古くさいといえるセルシオの中古車をあえて購入するのだ。それにより、「……あの人、もしかしてこの辺り一帯の地主かな?」と勘違いさせるのだ。
だが注意点もある。
・買うならフルノーマルの一択。カスタムされたセルシオは、今やひたすら貧乏くさく見えると知るべし。
・購入後、ボディは専門店で磨き&コーティングを実施し、納車後もひんぱんな洗車を心がけること。薄汚れたセルシオは貧乏くさく見える。
・購入後、「やっぱりホイールを社外品の20インチに替えようかな?」などとはゆめゆめ思わないこと。
・購入後はスマートな安全運転に徹すること。セルシオでちょっとでもオラオラ運転をすると、印象年収は一気に300万円下がると知るべし。
セルシオのラインナップはコイルサスのA仕様、B仕様と電子制御エアサスペンションを搭載するC仕様の3種類。最上級のC仕様が最も多く売れたものの、エアサスが故障した際の修理代が高くつくという
■激安でも見栄を張れる中古車(地主型)その2/クラウンマジェスタ(5代目S200型) 中古車相場:50万~150万円
13代目クラウンから遅れること約1年、2009年3月に登場した5代目クラウンマジェスタ(2009年~2013年)
5代目クラウンマジェスタの中古車情報はこちら!
地主といえばクラウンである。これの次の6代目、要するに最終型のクラウンマジェスタ(2013~2018年)でもいいのだが、そちらは中古車相場が150万円~といささか高額(?)なので、この「最終型の1つ前のマジェスタ(2009~2013年)」でも十分と思われる。
グレードはなんでもいいが、とにかくセルシオと同じで「フルノーマル車」を探すのが地主型のキモだ。大径ホイールを履いていたり、エアロパーツを付けているマジェスタは(この場合は)絶対に選んではいけない。
その他の注意点も、セルシオのそれとまったく同じである。キレイで地味めな洋服を着ながら安全運転に徹すれば、「由緒正しい地主の4代目」ぐらいには見えるだろう。
「地主型」はほかにもクラウンロイヤルや初代レクサス LSなど、さまざまな候補がある。どれを選ぶかは好みの問題であり、注意点も最初に記した初代セルシオのそれとおおむね同じであるため、他候補の紹介は割愛する。
全長4995mm×全幅1815mm×全高1475mmの大型ボディに1UR-FSE型4.6L、V8エンジンが搭載される
■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その1/レクサスSC 中古車相場:80万~340万円
レクサスSCはアルミ製ハードトップを備える4シーターのFRオープンカー。2005年のレクサス日本進出に伴ってトヨタソアラからレクサスSCに改名された
レクサスSCの中古車情報はこちら!
お次は「認知差型」の候補車種を見てみることにしよう。絶版となった最終型トヨタソアラの基本コンポーネンツを踏襲した、レクサスの4シーターオープン。電動開閉式のメタルトップは、壊れてなければ約30秒で開閉可能だ。
カーマニアに言わせれば「しょせんは10年以上前の元ソアラwww」であり、実際の中古車価格も約80万円~と、なかなかの激安である。
だが街を行く人の約8割から9割は、そんなことは一切知らない。
「内外装がキレイである」という条件付きではあるが、非カーマニアから見たレクサスSCとは「なんだか高級そうで派手なオープンカー」であり、「よく見るとLEXUSってエンブレムが付いてるね」であり、「レクサスってたしかアレよね? 日本で一番高級なクルマのブランドよね?」でしかないのだ。
レクサスSCの中古車に乗っていても地主には(たぶん)見えないが、一般の人の目には「ITか不動産か何かでけっこう稼いでる人」に見えるだろう。
地主型の中古セダンに乗る場合は「フルノーマル」がマストであり、乗車時の衣服も「地味なジャケット姿」などが推奨されるが、レクサスSCの場合は多少のカスタムも可であり、衣服が遊び人風であっても問題はない。
ただし、オラオラ運転をすると馬鹿に見えるので要注意だ。逆に、この派手なオープンカーに派手な格好で乗り込み、そのうえで超紳士的な運転を行えば、「あら、見かけによらずいい人ね!」というニュアンスで好感度は爆上がりするだろう。
ミッションはソアラ時代の5速ATから6速ATに変更された。グレードは4.3L、V8エンジン搭載のSC430のみ
■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その2/メルセデス・ベンツSクラス(先代W222型)中古車相場:270万~1300万円
先代メルセデス・ベンツSクラス(2013年~2020年)。本体価格300万円以下から狙えるS400ハイブリッドはV6、3.5L直噴エンジン+モーターを搭載
先代Sクラスの中古車情報はこちら!
カーマニアと一般人の認知の差は、これこそが最大となる。2013年から、つい最近といえる2020年12月まで販売されていたメルセデス・ベンツの最上級クラスだ。
パワーユニットはさまざまなものが用意されたが、激安価格で狙えるS400ハイブリッドは3.5LガソリンV6+モーターである。
で、最近まで販売されていたベンツの最上級モデルだけあって、さすがに高い物件は高い。具体的には1000万円以上の中古車もザラである。
そんな「中古でも1000万円以上」というイメージはあるのだが、実際には総額300万円以下か300万円ちょいぐらいで狙えるW222型Sクラスもけっこう多い。
もちろん街を行く一般の人は、そんな中古車相場の現実など微塵もご存じないはず。
曲線を多用した美しいインパネと次世代のメルセデス・ベンツを象徴する12.3インチワイドディスプレイが特徴のインテリア。1世代前のモデルだが全く古さを感じない
これまた「内外装をキレイにキープしておく」という条件付きではあるのだが、総額300万円ぐらいで買ったW222型Sクラスの前期型中古車も、「中古でも1000万円は下らない超高級車」と見てくれることは間違いない。
注意点は、これまで述べてきたことと同様に「フルノーマル車を探す」「ボディ磨きと洗車を怠らない」「オラオラ運転は絶対にしない」というのが中心となるが、Sクラスの場合はそれに加えて「壊れたときに修理代はめっちゃ高い」という注意点もある。
総額300万円で買える中古車であっても、もともとは1000万円超級の高級車。必然的にその部品代も超高額となるので、そこを不安に思う人はやめておいたほうがいいだろう。
■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その3/ポルシェ 911(996型) 中古車相場:200万~500万円
1997年にデビューしたタイプ996。300ps/35.7kgmを発生する水冷3.4リッターフラット6を搭載。涙目型といわれたヘッドライトが特徴
ポルシェ911(996型)の中古車情報はこちら!
伝統の空冷方式から水冷式へと生まれ変わった水平対向6気筒エンジンを搭載し、1998年から2004年にかけて販売されたポルシェ911である。
カーマニアに言わせれば「乗用車的で面白くない」「インタミ(インターミディエイトシャフト)の破損が怖すぎる」等々と、この世代の評価はハッキリ言って散々である。そのため中古車相場も、ポルシェ911としては破格に安い。
タイプ996前期型のコクピット
だがそんなことは、街を行く一般人には何の関係もないし、知識もない。
彼ら・彼女らにとっては996型であっても「ポルシェはポルシェ」であり、「詳しくは知らないけど、なんだかすごいらしいクルマ」なのだ。総額200万円で買った996型の中古車であっても、下手をすれば2000万円ぐらいのクルマだと誤認するかもしれない。
2002年にマイナーチェンジした996後期型。ヘッドライトデザインは911ターボと同形状に変更。エンジンはバリオカムプラスを採用し、3.6リッターに拡大、320ps/37.6kgmを発生する
996後期型のコクピット
だがこれも、注意点がないわけではない。最安値の個体は200万円ぐらいでも買えるが、さすがにその価格帯の物件がボロいものが多いため、「高いクルマ・オーラ」は完全に消えているケースがほとんど。
またそういった価格で売られている個体はノーメンテのほったらかしで乗られていた個体である可能性が高いため、買った後にドツボにハマる可能性もきわめて高い。
そのため、もしも996型の911カレラを買うのであれば「車両価格300万円以上」をひとつの目安として、中古車を探してみることをお薦めする。
このほかでは先代のアウディA8(2010~2018年/中古車相場:150万円~)あたりも「認知差型」としての有力候補だが、認知差型の輸入車各モデルは「壊れたときに高くつく」という懸念点はあるため、万人向けとは言い難いのかもしれない。
だが、貴殿の心の中に「オレはどうしても金持ちに見られたいのだ!」という炎がボーボー燃え盛っているのであれば、挑戦してみる価値はある。
……貴殿らの健闘と幸運を祈ります!
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田舎のヤンキーの事を馬鹿にしているな。